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プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

34.琵琶湖における湖陸風を味方につける

(枝川,中島,京都大学;地理学評論 54-10 1981)

海岸沿いでは日射による陸地の温度上昇により、海風・山風が発生する。日中に陸の温度が上昇することで海から山に向かって風が吹き、夜間には逆に海水の温度の方が高くなることにより山から海に向かって風が吹く。
大きな湖でもこれが発生し、湖陸風と呼ばれる。琵琶湖や霞ヶ浦をメインに釣りをしている諸君にはお馴染みであろう。ではその湖陸風はどのようなタイミングでどの方向から吹くのだろうか。
京都大学の枝川らは琵琶湖周辺の風の季節変化について調査し、湖陸風の全容を明らかにした。

調査地点は琵琶湖周辺の気象庁地域気象観測所8か所。調査期間は1979年1月~12月の1年間だ。以下では象徴的な東岸の彦根と、西岸の今津を取り上げよう。
琵琶湖の風は春夏の季節風、周囲の山からの山谷風といった「一般風」が支配的だが、それらが弱い時には日中は湖風、夜間には陸風の吹くことが多い。その頻度は4~9月の温暖期には60日、10~3月の寒冷期には45日をカウントした。発生率にすると温暖期では33%、寒冷期では25%となる。釣りをする上では意識しなければならないレベルの高い発生率だと言える。

ではこの湖陸風はどのように吹くのか。
図4に各測定地点での温暖期の風向と風速を、図6に寒冷期を示した。

図4

     図4 温暖期の湖陸風

図6

     図6 寒冷期の湖陸風

少し分かりづらいので図4-1で説明しよう。

これはホドグラフと言う風向、風速を表すベクトルグラフであり、図4-1には温暖期の彦根のホドグラフを抜き出した。グラフ上の折れ線は1日の時刻ごとの風向、風速を表し、グラフの原点から各時刻を示す折れ線上の点を結んだベクトルが風を示す。x-y軸の1目盛りが1m/secを表すので、6時であれば南南東の風 0.7m/sec、9時であれば西の風 0.9m/secと読む事ができる。

図4-1
    図4-1 彦根におけるホドグラフ


すると図4、図6から次のような事が分かってくる。
1) 日中は湖から陸に向かって湖風が吹く。すなわち東岸では西風、西岸では東風が吹く。
2) 湖風は最大で2m/sec程度。温暖期の方が湖風は強くなる。
3) 湖風は12~15時に最大となり、24時間をかけて360°風向が変化していく。東岸では時計回りに、西岸では反時計回りに風向の変化が進む。

1)ではざっくり言ったが、正しくは「湖岸の法線方向」に吹く。東北~南西に湖岸線が延びる彦根ならば昼間の湖風は北西から、南北に湖岸線が延びる虎姫ならば昼間は西風が吹くことになる。
西岸の今津や北小松でも考え方は同様だ。一方、南湖の端に位置して直線状の広い湖岸を持たない大津では、顕著な湖陸風は見られないようだ。


さて、釣りのタクティクスに落とし込んでいこう。
バスの動き、ベイトの動きと風は大いに関係する。釣りのしやすさ、リグの選択にも大いに関与する。そして季節によっても風の影響度は異なってくる。季節風が強い時には湖陸風は考慮する必要はない。風の弱い日にこそ湖陸風を考えよう

例えば3月の無風時、まだ冷たい湖水に何か変化を与えるものが欲しい。水流でもいいだろうし、日射の変化でもいいかもしれない。そして何より、少し暖かくなってきた風が食いを誘う事が期待できる。
西岸の今津で12時に釣りをするのであれば、南東からの湖陸風が助けになる。ここは風による水温上昇が期待できる南東に開けたワンドやシャローだ。特に朝9時の無風状態から12時に1.5m/secの風が吹き始める時間帯。変化を見逃してはならない。
逆に朝6時には山側からの西北西の風が1.2m/secほど吹いているだろう。早朝の気温と水温の兼ね合いにより、風裏がいいのか風面がいいのかを考えよう。ちなみに琵琶湖の水温の年間変化については「3.琵琶湖における水温、水流の年間変化」で示した。参考にしてほしい。3月の琵琶湖の湖面水温は約5℃、4月初めで10℃だ。そして3月の彦根の最低気温は3.3℃、最高気温は11.0℃だ。早朝は風を避ける方が賢明だし、日中は風面が正解だろう。

琵琶湖で湖陸風が支配的となるような、一般風が弱い日は年間で約100日。琵琶湖以外でも、同様の湖陸風は霞ヶ浦や猪苗代湖などの大きな湖では発生しうる。天気予報とにらめっこして釣り当日はどんな風が吹くかを予想した上で現地に向かうのと、何の準備もなしに向かうのとでは雲泥の差だ。そして当日の現地の風の状況、気温水温を見てプランを微調整していく。

調査→仮説→実証→修正→・・・。PDCAサイクルかって?
色気がないなぁ。せめてプラグマティズムと呼んでほしいね。

特許検索方法

前回の「科学文献検索の方法」に続いて、今回は特許検索の方法についてご紹介したい。
まるで興味がない? そんなこと言わずに覗いてみてよ。面白いネタがあるんだから。

検索は簡単。特許庁の運営する「J-Plat」にアクセスする。
ここのトップページの検索欄に所望のキーワードを入力するだけだ。
例えばキーワードに「プロレス」なんて入力してみると、2019/02/06現在で45件がヒットする。キーワードが特許明細書中のどこかに使われていればヒット対象になるので、「かつぎ上げ落とし固め」だとか「逆さヒザ落とし」なんて言うプロレス技の特許に交じって、「原子力発電」とか「画像処理装置」なんてのがヒットする。なんだ?と思って明細書(特許の詳細を示した文書)を読むと、なんてことはない、プロセスをプロレスとミスタイプしている。こんなのもあるから注意ね。

一つのキーワードで大量の特許がヒットしてしまった時は、AND検索を行う。
「リール」なんて入れようものなら30000件がヒットする。そりゃそうだ。釣り用リールばかりじゃなく、工業用にも多くのリールが存在するのだから。なのでここは目標を絞り込んで、「リール 釣り バス」なんて打ち込むと、一気に16件に減る。逆に少なすぎだ。16件の中にダイワは3件、シマノはたった1件しかない。そんなはずはない。これはキーワードが不適なのだ。
そこで「リール シマノ」で検索をしてみると、ヒット数は2311件。そんなもんでしょ。私一人だって132件を出願しているんだから。大企業シマノの主力製品なら2000upは当然でしょ。

ちなみに上述したように、キーワードは技術項目でも人名でも企業名でもよい。


慣れてきたらいろいろ調べてみよう。例えば「スピナーベイト」。何件くらい特許が出ていると思います?
87件。少ないよね。もっとあるかと思っていた。中には藤木淳とか久保勝彦とかの聞き覚えのあるバスプロが発明者になっていたりする。 


ついでに特許制度について説明すると、特許法に定められる特許権の有効期限は、出願から20年。それ以降は使用は自由だ。
そして出願に掛かる費用は15000円、意外に安いでしょ。特許庁に収める費用としては、まずはこれだけ。ただしこれだけでは他者がその特許に抵触した時に特許使用料を請求することはできない。特許としてその内容が登録するに相応しいかを審査してもらわねばならない。何でもかんでも特許として認められるわけではないのだ。その審査請求に120,000円ほど掛かる。さらにその後もその権利を維持するために年に数万円の費用が必要になる。

ただし、これは特許出願作業を全て自分で行った場合だ。普通は特許事務所の弁理士に特許明細書の作成やら出願作業やらを代行してもらう。実はこれがバカ高い。内容によって様々だが、30~100万円だろう。なので私は自分で行っている(現役時代の業務出願はもちろん会社持ちだが)。

大切なことを忘れていた。特許は工業に関わる製品、技術にしか認められない。よって前述のプロレス技は特許として認定されることはない。同様に「ダウンショット釣法」や「ネコリグ釣法」もダメ。それらをやるための具体的釣り具だったら、特許化できる可能性がある。それが技術的に新しくて、誰もが容易に思いつくものでなければ。
ちなみに「釣り ダウンショット」でJ-Platを検索すると、4件がヒットする。そのうちの2件は実用新案(特許よりも権利範囲が狭く、登録されやすい)に登録された。そのうちの一つはモーリスの出願だ。その公報はこんなものだ。
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特許調査や特許出願、やり始めると結構楽しいんだ、これが。
君もどう?

科学文献検索の方法

毎度偉そうに御託を並べている私だが、それらはみな研究者の書いた科学論文のおかげ。
ではその科学論文をどうやって知るのか? 今回はその方法を伝授しよう。

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例えばGoogleで「ブラックバス 琵琶湖」なんて打っても、出てくるのは釣果自慢ばかり。私が紹介したような科学文献にはなかなかたどり着かない。ではどのように調べるのか。簡単である。科学文献サイトを調査すればよい。
私が主に使っているのは J-STAGE と言う、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が主催する科学サイト。
 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja

最初にアカウント登録をすることで、自由に所望の文献を入手できる。れっきとした国が運営するサイトなのでご安心を。

例えばここで、「ブラックバス 琵琶湖」と入力して検索すると、100件以上の論文がヒットする。各論文の大まかな内容は抄録を読めばいいし、より詳しく知りたければ、「PDFをダウンロード」すればよい。

ここからが科学文献を追っていく上でのコツになる。抄録やPDFの全文を読んで、もっと深く知りたい、周囲の事柄を知りたいとなったら、その下に紹介されている引用文献を探る。引用文献は直接リンクが貼られていて、すぐに跳べる場合もあるが、リンクされていなければ、自分で論文名や著者名から検索を掛ける。
もう一つは、同じ著者名で検索を掛けて、その人がその後どのような研究を行ったかを確認する。
ちなみに「ブラックバス」は科学上はいわばあだ名なので、文献検索では「オオクチバス」の方が通りがいい。ヒット数が多くなる。

このようにしてどんどん調査範囲を広げていくと、必ずどこかで面白い文献にぶち当たる。これがなかなか根気がいる作業なのだ。
あとは貴方が何に興味を持つかだ。バスの食べている物を知りたければ、「オオクチバス 食性 捕食」と打てばいいし、琵琶湖の水温分布や水流が知りたければ、「琵琶湖 水温 水流」と検索すればいい。Googleと全く同じだ。もちろんちょっとキーワードを変えて目的の文献にたどり着けるように工夫するのはググる時と同じだ。

もう一つ付け加えるなら、科学文献は必ずしも正しいとは限らないと言うこと。スタップ細胞がいい例だ。間違ったデータから間違った結論を導いている文献も少なくないし、なにより普遍性という意味では、限定的な条件下でしか成立しない事項が多く見受けられる。特に生物を相手にした文献では多いと思った方がよい。
だから論文がこうだ!と言っていても、いやいや俺の湖は違うんだって事は普通にあると思ってほしい。それも科学なのだ。

同様のサイトには、
 国立国会図書館オンライン…国会図書館収録の全図書
 Science・・・アメリカ最大の科学誌
 サイエンス日本語版はこちら・・・ただし検索は英語で

一度科学の世界に足を踏み入れてみるのも、新しい発見があって楽しいよ。 

MENU更新。だいぶ文献が溜まったからね。

MENU を更新しました。

読み解いた文献も30を超えたので、自分でも昔の文献を探しにくかった。
少しは整理されたかな?

ついでに私的に非常におもしろかった文献のBest 5 を挙げておこう。

3.琵琶湖における水温、水流の年間変化
 春から夏のサーモクライン、秋のフォールターンオバーの正体が分かる。

8.実験池におけるオオクチバスの釣られやすさに見られる個体差
 バスにも個性がある。よく釣られるバスと慎重なバスの差ってなんだ?

9.琵琶湖野田沼周辺におけるオオクチバスとブルーギルの胃内容物と糞中DNAによる摂餌生態の推定
 琵琶湖のバスを解剖して何を食べているのかを解析した。Mutch the bait は基本だね。

30.琵琶湖のバスの行動パターンを追跡する
 琵琶湖の冬バスに超音波発信機を取り付けて、どこを回遊しているのかを解き明かした。すごい時代になったねぇ。

32.真夏のベジテーション攻略法は大間違いだった!
 これも驚きの文献。そんなバカなという声が聞こえてきそうな内容だ。


科学文献を追っていくと、自分の経験やバス釣りの常識と思われていた事にそぐわない事例がいくつも出てくる。それを頭から否定してしまっては進歩はない。自分の釣りも科学界も。
 「もしもそうだったら?」
 「この事例とこの湖は何が違ったんだ?」
そんな目線で考えていけば、また新たな発見がある。
それこそが「考えるバスフィッシング」の楽しさなのだ。

池の水ぜんぶ抜く。。。で、その後は?

毎度おなじみテレビ東京の「池の水ぜんぶ抜く」。
今年も正月からやっていたね。今や名物番組だ。
人工的な池のかい堀自体は悪いことじゃない。溜まったヘドロを定期的にきれいにして、再び魚たちを池に戻す。なんて素敵な行為なんだ。

しかし何だかネットが騒がしい。どうやら11月放映で長崎の公園の池から大量のボラが出てきて、それらを全て殺してしまったらしい。その数3000匹!
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この番組では毎度毎度、ブラックバスブルーギル、カミツキガメなどの外来生物を捕獲し、まとめて処分することが目玉となっている。番組にボランティアで参加する子供たちにもそれらの生物が悪魔の手先のように紹介され、実際に殺処分するため水のない桶に放り込まれていく。
この回のボラについては殺処分するつもりはなかったようだが、逆に大事に再放流するつもりもなく狭い水槽にすし詰めにしたものだから、ほとんどの魚は死んでしまったらしい。
番組の様子はこちらから。

この問題は文春オンライン等のネットニュースでも取り上げられ、保護団体等から批判を浴びていて、テレビ東京、池の掃除を依頼した大村市、それを受けた専門家が責任のなすり合いをするという微笑ましい光景が展開されている。別にその責任の流れ着く先などに興味はない。

気に障るのが生物の扱い方だ。それはボラだろうが外来生物だろうが一緒。生きとし生けるものに対するリスペクトがなさすぎるのだ。文春オンラインでコメントしているNPO法人「おさかなポストの会」の代表も言っているように、せめてその生を活かせないものなのか。
この番組のような趣旨で捕獲された外来生物を、大事に再放流しろとは言わない。しかしその生を活かすことはできるはずだ。可能ならば人が食べればいい。食べられなければ他の動物の餌にするのもいい。そうやって生を循環させることが自然なんじゃないのか。
そこに生きていることが人間にとって不都合な生物は打ち捨てられていいのか。ゴミ箱に捨てて焼却処分するのは、生物を冒涜するに等しい。それは外来生物だって同じ。そこに生きている魚や動物に何の罪があると言うんだ。

これはバスの再放流禁止にも言える。琵琶湖にある外来魚回収ボックスも同じ。滋賀県の水産課によれば、釣り人の再放流を禁じて集めたバスやギルは魚粉にして養殖魚の飼料にしているらしい。

ちゃんとそれが実施されているのなら、私的にはギリギリ許容範囲かな。
でも琵琶湖のバスなら食べたらいいんじゃないの?

カーボンロッドの作り方と耐久性

追悼番組 ~ Golden Wing GW 70C-MH を悼む

我が長年の愛機:GW 70C-MH が折れた。そのいきさつは 「さらば 我がGolden Wing 」をご覧戴きたいが、ここではカーボンファイバーロッドの特性について論じて行きたい。

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カーボンファイバーロッドの耐久性を論じるには、その作り方を学ばねばならない。
素材は言うまでもなくカーボンファイバー、正しくは CFRP, Carbon-Fiber-Reinforced Plastics、日本語訳すれば「炭素繊維強化プラスチック」。つまりあれはあくまでプラスチックが主材料であり、カーボンファイバーは補強材なのだ。まずはこの素材の生い立ちから追っていこう。
CFRPは例えれば鉄筋コンクリートのコンクリがプラスチックで、鉄筋がカーボンファイバーにあたる。そのプラスチックとはエポキシ樹脂やフェノール樹脂、どこにでも転がっている汎用のプラスチックだ。これは決して無敵の材料ではない。劣化もすれば寿命もある。つまりカーボンファイバーロッドにも寿命はあるのだ。そしてこれらプラスチックは軽くて加工しやすい材料だが、弾性も強度も低い。プラスチックだけではロッドの材料にも自動車の材料にもならない。そこでカーボンファイバーが登場する。

カーボンファイバーとは樹脂繊維を高温(1000℃くらい)で焼結して(燃やすのではない。無酸素状態で炭化させる)、炭素の鎖にしたもの。軽く強くしなやか。これを束ねて重ねて編み込んで、所望の方向の強さと弾性を与え、その周りをプラスチックで固めていく。何層ものカーボンファイバーを重ねて成形していくことで、薄いCFRPのシートができる。これがロッドの原材料だ。CFRPを生産しているのは三菱樹脂やクレハなどの化学メーカー。ロッドのメーカーはこのシートを購入してロッドに加工しているのだ。


カーボンファイバーロッドの製造方法を知るはこの動画を見るのが手っ取り早い。
  「ロッドの作り方

これはダイワのロッド生産工程の動画だ。まとめると
1) CFRPを所定の大きさにカットする。
2) 鉄芯の周りにCFRPを巻き付け、筒状にする。
3) 過熱しCFRPを筒状に成形する。
4) 塗装等のデコレーションを施す。

いとも簡単。少なくとも簡単に見える。ロッドをブランクスから生産している釣り具メーカーは、主要企業を除いては数社レベルしかないのだが、やろうと思えばできるんじゃない? というレベルに感じた。何より日本一の釣り具メーカーのダイワの工程がこの動画のレベルなのに驚き。めちゃくちゃアナログだよね。これで工程管理とか品質の安定性とか確保できているのかな。そこはもう職人技の世界になっているのかもしれない。だからメーカーが少ないのかも。。。


さて本題の「カーボンファイバーロッドの耐久性」に話を進めよう。
もう結論は出てしまっているのだが、カーボンファイバーロッドの特性を列記すると、
1) 軽く強く弾性が高い。
2) 疲労特性に優れ、クリープしにくい。
3) 耐衝撃性が低い。異方性を持つ。
4) 高温高湿下でプラスチック母材が劣化する


そう3)4)が問題なのだ。特に3)の異方性と耐衝撃性。
異方性とは何か? CFRPは繊維を重ねて成形しているため、繊維の長手方向の引張強度や曲げ強度は非常に強い。一方で炭素繊維を剥がすような横方向への強度は非常に低くなる。例えばカーボンファイバーロッドを引っ張って引きちぎろうとしたら、まあ無理だね。どんなに細いロットチップでもできない。一方でロッドを踏んづけたら?いとも簡単に破壊する。異方性とはそう言う事だ。
もう一つ弱い方向が、炭素繊維を座屈させるような力。つまりロッドを引っ張るのではなく、縮めるような力。これもカーボンファイバーの強さを引き出すことができず、簡単に破壊に至る。

そう、これをやってしまったのだ。ロッドを踏んづけるのと同様に、いとも簡単に壊れてしまう。気を付けてね。
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もう一つの「高温高湿に弱い」については、メーカーではロッド表面に塗装を施すことで対策している。CFRP素材に湿度が触れないようにすれば、寿命は延びる。しかし塗装も劣化する。私の愛機もよく見ると、塗装表面がもう劣化して細かな傷が発生していた。ここから吸湿すればCFRPの強度は落ちていく。

そして大切なのは釣りに行った後のメンテナンス。難しいことではない。
・ よく洗い、よく乾燥させること。
特にロッドの内側は塗装もされていない。実釣後は海水や汚れを良く洗い落として乾燥させることが、愛竿を長持ちさせるコツだ。

さらば我が Golden Wing

ロッドが折れた。

正しくは、折ってしまった。
カーボンファイバーロッドの特性については承知しているつもりだったが、ついやってはいけない事をやってしまった。
モノはピッチング・フリッピング用に使っていた Fenwic の Golden Wing GW70C-MH。お気に入りの1本だ。かれこれ10年は使っている。

これのトップガイドと2ndの間をポキリと。
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状況を説明しよう。
オカッパリで千本杭を撃っていくのにこのロッドを使っていた。そんな所で使うなって?テンポよく撃っていくのに都合がいいし、ヒットしたバスを杭から引きはがすのにも有効なので、私は使っている。
で、その時は使っていた重めのラバシを杭に掛けてしまった。かなり手元で。

普通はやらない。普段はそんな事はしないのだが、その時はバスの反応が無かったり、その他諸々のちとイラっとする出来事があって、目の前で根掛りしたラバジを回収すべくロッドを水中に突っ込んだ。カチリ、トップがラバジに当たった。
取れそうだな。そう思った。軽く2,3回、ロッドの先を動かした。ラバジが動くのを感じる。さらに2,3回。だめだ。そこで諦めればよかったんだよ。でもその時はなぜか、トップを強引に底の方に押し込んでフックを外そうとしてしまった。それもかなり鋭角的な動きで。
ポキッ、わが Golden Wing はいとも簡単に折れた。フックは外れたよ。でも水から現れたのは、悲しげにラバジに絡まったトップガイド。。。

ここで反省すべきは、カーボンファイバーロッドに対してやってはいけない事を思わずやってしまったこと。例えば
・カーボンファイバー(CFRP, Carbon-Fiber-Reinforced Plastics)は、衝撃に弱い。
・当然だが、細い先端部ほど弱くなる。
・CFRPには寿命がある。

その破断部がこれだ。
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折れてささくれたカーボンファイバーと、表面の割れた塗装が確認できる。

10年も使えばロッドは劣化してくるが、目に見えて劣化が進んだと言う感覚はなかった。でもやはり強度は落ちていたと言う事なのだ。
ではカーボンファイバーロッドはどのように劣化するのか?次回はそれを調べてみよう。

必殺リグ ~ 爆笑編

人と同じことをやらない。

俺の哲学だ。人と同じポイントを狙わないし、人と同じ釣り方をしない。だってその方が確率が上がるでしょ。なのでリグも同じことをやりたくない。
ここに掲げるのはそんな俺の必殺リグ! 誰もやらないなら俺がやる!!

(1) ラバジ胴付
読んで字のごとく、ラバジを錘代わりにしてその上にたくさんのルアーを胴付仕掛け的にぶら下げる。ダウンショットの錘をラバジにするだけでも効果あり。
メリット:上から下までのレンジを広く探れる。
     どのルアーがその時のキーになるか一発で分かる。
デメリット:人に見られるとバカにされる。
bouble_shot.jpg

(2) クランクヒコーキ
トローリングでやるヒコーキにクランクやバイブレーションを使う。バイブの波動に誘われたバスが後ろのワームにヒット!するはず。
メリット:やる気のないバスでも振り向かせる。
デメリット:クランクにフックを付けると100%糸が絡む。
      cla_calo.jpg

(3) ルアー天秤
これまた文字通り天秤仕掛けに2つのルアーを付ける。1つはフローティング系プラグ。もう1つはワームがお勧め。天秤は大き目にしないと絡む。投げ方をマスターすれば大丈夫。
メリット:バスの注目度大!
デメリット:投げる時、カッコ悪い。
天秤

(4) パワーボム
クロダイのダンゴ釣である。さすがに撒き餌でダンゴを作るのは外道なので(ここまでで相当外道)ここは土ダンゴを使う。手で投げて着水時にバラバラにならない固さ。ダンゴが狙いのレンジに到達した頃を見計らってワンアクションすれば、土煙の中からワームがポワン。
メリット:軽いワームも遠投できる。
     バスのリアクションバイトを誘う。
デメリット:周囲の釣り人に嫌がられる。
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お気づきのようにどれもほぼレギュレーション違反である。が、別にプライベートで釣りをしているのに文句を言われる筋合いはない。第一この前、釣具屋に行ったら(3)のルアー用天秤なるものが売っていてびっくりした。それって俺を見ていたんじゃないのか? それに別に新製品なんか作らなくたって、海用仕掛けで十分だよ。

で、釣れるのかって?
釣れるのではない。釣るのだ!

本山博之さんのご冥福をお祈りします

ご本人のブログ本山博之さんが亡くなられた旨のご報告がありました。

近年は裏磐梯のスモールマウスバスのガイドとしてご活躍されていましたが、私の中ではトーナメントにおける「霞が浦の雄」のイメージが強く残ります。バスだけでなく渓流や海の釣り、いや釣りだけではなく山や川、自然を愛されていた事が伝わってくる人物でした。

ご冥福をお祈りいたします。


本山氏はまだ60歳になったばかり。早すぎます。
自分もオーバーラップしてきますが、バスフィッシング黎明期の釣り人は田辺哲男、沢村幸弘、下野正希、今江克隆・・・。みんな還暦を過ぎてしまった。

As time goes by ・・・

清水に魚住まずだぁ?

カンテレで放送された番組内容がYahoo Newsで配信されている。
  「大阪湾が『キレイ』すぎて…地元漁業に『深刻なダメージ』。一体なぜ??」

大阪湾の水、特に南方の海水が綺麗になって来たのは事実らしい。関西空港の付け根にある阪南市の海水浴場の水はかなり綺麗になったようだ。しかし合わせてその周辺の漁場での水揚げ量が激減したと言うのだ。その原因としてカンテレは以下の2点を挙げている。

(1) 工場排水や生活排水の浄化が進み、大阪湾に栄養分が流れ込まなくなった
(2) 関西空港神戸空港が建設されて、大阪湾奥への海流が変わってしまった

排水処理が進歩して水が綺麗になったから、魚が住めなくなったって?
おいおい、それじゃ工場も洗剤もなかった江戸時代の大阪湾には魚は居なかったってことかい? バカを言うんじゃない。
確かに排水は綺麗にして川に流すようになったが、それは「元に戻している」だけだ。「あるべき姿にしている」だけだ。大阪湾を豊かにしてきた有機物は別に工場排水から供給されて来たんじゃない。山や森や田畑を流れる川からだ。なぜそれらが歪められてしまったからだと思わない。

かつて様々な広葉樹で溢れていた関西の山や森は、今どうなっている。杉しか植わっていない。
堆肥による有機栽培(そんな言葉はなかったけどね)を営んでいた田畑は?殺虫剤と化学肥料をばらまき続けている。
そこから流れ出す川が昔のような豊かな海をもたらすとは思えない。

浄化され過ぎた水が大阪湾の魚を奪ったなど、妄想も甚だしい。

東京湾の事を思い返してほしい。東京湾も50年も前には工場排水と生活排水でドブのような有り様だった。その後の水質改善のよって多摩川や隅田川は綺麗に変身し、それにつれて東京湾の水もずいぶん綺麗になった。結果どうなった?
一時は絶滅したと言われたアナゴが戻り、横浜海の公園や三番瀬にはアサリが自生する。悪いことなんか何もない。水を綺麗にし過ぎたせいだなんて、とんでもない言いがかりだ。


(2)の方は納得できる。関西空港の付け根から対岸の淡路島までは約25km。そこに長さ5kmの関西空港島が出現した。これは何らかの海流の変化をもたらすだろう。普通に考えれば、湾奥と入口の海水の交換が妨げられるようになる。この記事が述べているように湾奥の有機物が南方の湾入口に降りてきにくくなる。有機物と同じく魚だって行き来しにくくなる。

大きく自然を変えようとすれば、自然からしっぺ返しを喰らう

「原理」でしょ。大阪湾でも起きたし諫早湾でも起きた。霞が浦の漁獲高激減だって利根川水門のためだ。
(詳しくは 「18.霞が浦北浦における過去20年間の水産有用資源減少要因 に関する考察」 参照)
これから辺野古でも東北の防護壁でも起きる。

もういい加減に学ぼうよ。

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