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プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

外来生物 2020問題を考える -1: 愛知目標と外来生物法

外来生物に関する2020年問題、バス業界では危機感を持て語られる2020年について改めて考えてみたい。
そもそも2020年問題とは何か? それはどこから提起された問題なのか?
実は立派な国際問題なのだ。
ことの起こりはCOP10。

COP10 とは2010年に名古屋市で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議」。
COPとは Conference of Parties。直訳すれば「加盟国会議」のこと。なんでこの国際会議だけがCOPと呼ぶようになったのかは分からないが、文字面からは「生物多様性」は読み取れない。
COP10にはその根幹をなす生物多様性条約(CBD)に加盟する180か国が参加し、13000人が参加した。議長は当時の環境大臣、松本龍。菅政権の下、環境大臣を務めた後に復興対策担当大臣に就任し、数々の高圧的発言が問題となり辞任に追い込まれた、あの松本龍だ。
松本に関するモロモロは置いておこう。ただ、先進国と発展途上国の思惑が交錯し、直前まで合意案の策定は困難と思われていたCOP10で、まかりなりにも新戦略計画が策定・調印できたのは、松本の高圧的で強引な性格が吉と出たのかもしれない。

その新戦略計画が「愛知目標」だ。
「愛知目標」すなわち「戦略計画2011-2020」は、2050年までに「自然と共生する」世界を実現するビジョン(中長期目標)をもって、2020年までにミッション(短期目標)及び20の個別目標の達成を目指すものだ。そして2020年までに生物多様性の損失を止めるための効果的かつ緊急の行動を実施するという20の個別目標を策定した。
これを受けた形で政府は愛知目標の達成に向けて、2012年に生物多様性国家戦略の改定を行い、目標の達成に向けたロードマップを示した。

つまり2020年の外来生物に関わる問題解決は、国際条約に基づく約束事なのだ。
「ルアーが売れなくなるからいやだ。」とか「トーナメントが開けなくなるのは困る」とか「バスがかわいそう」とかのレベルの話ではない。まずそこを肝に銘じよう。

しかるに愛知目標は「バスのリリースを禁止しましょう」なんて言うみみっちいレベルの取り決めをしたのではない(アタリマエだ)。上述した20の個別目標では、地球上のありとあらゆる生物(植物も虫も魚も獣も)についての生物多様性を確保することを念頭に、個別に目標を定めている。

興味あります? 一応、掲載しますね。

2020個別目標
環境省 生物多様性HPより)

この中でブラックバスに大いに関わるのは、目標9と目標11だろう。環境庁HPから同目標に関する具体策を引用する。

目標9
「2020年までに、侵略的外来種及びその定着経路が特定され優先順位付けられ優先度の高い種制御又は根絶される。また、侵略的外来種の導入又は定着を防止するために、定着経路を管理するための対策が講じられる。」

侵略的外来種は生物多様性にとっての主要な脅威の一つです。全大陸のあらゆる生態系において、外来種の数が増加し、拡大の速度も増しており、侵略的外来種によって世界経済への被害は1兆4,000億ドル以上になる可能性があるといわれています。外来種の脅威に対しては、(1)侵入の防止、(2)侵入の初期段階での発見と対応、(3)定着した外来種の駆除・管理の各段階に応じた対策を進める必要があります。
 
目標11
「2020年までに、少なくとも陸域及び内陸水域の17%、また沿岸域及び海域の10%、特に、生物多様性と生態系サービスに特別に重要な地域が、効果的、衡平に管理され、かつ生態学的に代表的な良く連結された保護地域システムやその他の効果的な地域をベースとする手段を通じて保全され、また、より広域の陸上景観や海洋景観に統合される。」

現在、世界の約13%の陸域と約5%の沿岸域が保護地域等によって保護されています。陸域の保護地域はわずかに増加している一方で、十分に管理されているのは2割ほどだと指摘されており、管理の有効性にはばらつきがあり、管理能力の向上が必要です。また、それぞれの生物の生態特性に応じて、生育・生息空間のつながりや、適切に配置された生態学的ネットワークを形成していくことが重要です。
なお、我が国の自然環境保全を直接の目的とした保護地域制度には、自然環境保全地域、自然公園、生息地等保護区、鳥獣保護区、国有林における保護林が挙げられ、自然公園については、国立公園・国定公園・都道府県立自然公園を合わせた面積は543万㌶と国土の約14.3%を占めています。


では「優先度の高い種」とは何か?

議論は核心に迫ってくるが、長くなったのでいったん終了。
次回のココロだぁ! by 小沢昭一 (もう知っている人も少ないんだろうなぁ。。)

41.北浦で何が起こっているんだ?

ずっと追跡している北浦上流部のアルカリ水問題。またも安塚観測所で奇怪なデータが観測されてしまった。
もう何がなんだか・・・

水質20190510

これは5月10日の安塚観測所の水質データだ。
(国土交通省 川の防災情報:
http://www.river.go.jp/kawabou/ipSuisituPast.do?init=init&obsrvId=2127000600008&gamenId=01-1105&fldCtlParty=no )

GW前半、関東は雨が続いた。後半は一転して晴天が続き、5月10日は全国で夏日となる最高気温が記録された日だ。
その日まで安塚のpHは上がる一方だった。5月9日には最高pH11.8、10日の8時にはなんとpH11.9に達している。なんという強アルカリ性だ。バス、溶けちゃうよ。
それがなぜか10日の9時から17時まで安塚観測所は閉局されていて、自動測定されるはずのデータはなし。そして18時に突然pH9.7が測定された。同時に8時に9.7であったDO(溶存酸素濃度)は、18時に11.7と測定されている。5月11日以降のデータも、10日に再開された測定データを引き継ぐようなpH10弱、DO10前後のデータが続く。

なに? 何が起きたの??

気象データを見てみよう。
気象20190510

気象庁の過去データから引用した5月10日の気象データでは、6時から17時までフルに日照時間があり、気温は10~16時まで24℃、13時に最高気温25.7℃を記録してる。降水量はもちろん0mm、風速は最大3.8m/s、基本的には南東の風だ。
晴天、南東の弱風、雨はなし。それならば北浦最上流部、安塚では植物プランクトンの活動が活性化し、しかも風により安塚方向にプランクトンが吹き寄せられるのが普通だ。するとどうなるか。pHは上昇し、DOも上昇していく。そう考えるのが普通だ。

しかし安塚の測定データは真逆。pHは下降し、DOは上昇した。なぜ? 何が起きた??

もう少し気象状況を深堀しよう。下図は5月の鉾田の1日ごとの気象データだ。
鉾田では5月1日にまとまった雨が降った後、2日から6日まで晴天、7日に弱い雨が降り、8日からは再び晴天が続いた。気温は雨の降った7日を除いて最高気温20℃を超えており、10日に26.1℃となった。風は平均で2m/s前後、最大風速でも4~5m/sと特に強風があった訳でも、無風が続いた訳でもない。

気象201905

39.北浦上流部が強アルカリ性になった原因を探る」では、水質がアルカリ化する要因として、
 (1) 石灰等の化学肥料が流域で使用された。
 (2) 打ち立てのコンクリート等から溶液が漏れた。
 (3) 植物プランクトンの活性が高い。
の3項を挙げた、
そして私なりの結論として(3)をチョイスした。しかし5月10日のデータはどうか。気温がこの春最高となった日に植物プランクトンの活動に伴うpH上昇が、逆に降下に転じることはあり得ない。むしろpHはより上昇するはずだ。

一方、(1)(2)の仮説が起きたのであれば、pHが上昇すると共にDOは減少する。例えば恒常的に(1)(2)にような汚染水が流入していると仮定すると、そこに清浄な水が流入したと仮定すれば、pHは下降すると同時にDOは上昇するはずだ。

なんだって、「39.北浦上流部が強アルカリ性になった原因を探る」は根本から検討し直さなければならないのか?

あ”~、分からん。辻褄が合わなすぎる。それに(1)(2)では、それ以前のpHとDOの変化が説明できなくなる。何より、晴天が続いた5月2日以降の水質変化、特に10日のデータ中断前後の水質と気象の関係からは、そこで突然、データが飛躍する事が説明できない。


私が苦し紛れに考え付いた答えは、
安塚観測所が閉局になっていた時、測定器を校正しpHとDOセンサを調整し直した。」

何とも安易な答えだが、そうとしか考えられない。閉局前のpH11.9という値はあまりにも極端すぎる。ひょっとしてpHセンサが異常だったんじゃないのか?それを観測所の担当者が気付いて校正し直した。その結果、作業時間中の測定データが表示されず、作業後のデータは作業前のものと飛躍した値になった。
(これは確定じゃないから。私の推定だから。念のため。)


このような事は実験や観測ではたびたび起こる事ではある。技術者や科学者はこういったノイズデータに惑わされないで分析を進める事も重要なのだ。
バス釣りだって同じだよ。なぜかたまたま釣れてしまった1匹のパターンを信じてやり続け、以後の一日を無駄に過ごした経験、あなたにもあるでしょ。ましてやどこの誰だか知らないバサーの昨日の釣果を頼りにする釣りなんて、つまらないよ。やめやめ。

40.魚のアルカリ耐性について

(汚染汚濁物質の魚類に及ぼす影響;小田,宇野,生活衛生11-4)

39.北浦上流部が強アルカリ性になった原因を探る」で、北浦上流部安塚周辺でpH10.5というとんでもないアルカリ性が測定されたことを紹介した。そんな所に魚はいない。そう結論付けた。
でも実際には魚はどの程度までアルカリ性に耐えられるのか?
今回はこれを調査する。

大阪市立衛生研究所の小田,宇野は、魚類の水質に対する強弱を実験により確かめた。
実験で想定したのは工場排水によるpHの変動。鉱山や製鉄、メッキ工場等からの排液は、硝酸、硫酸、リン酸等の混入により酸性化している可能性がある。また皮革、化学薬品工場、セメント工場等からの廃液は、苛性ソーダ、水酸化カルシウム等によりpH12~14の強アルカリ水が混入している可能性がある。
もちろん今日の日本では、水質汚濁防止法により工場等からの排水はpHは5.8~8.6に収まっていなければならない旨の規制があり、上記にような極端な例は(少なくとも公には)あり得ないはずだ。
鉾田市にはセメント工場や電材工場等があるが、それらが原因だとは思わない。

それには船越らの示した「セメントによる水質変化と魚に及ぼす影響の基礎的研究」(船越ら,砂防学会誌,Vol.55,No3,2002)が参考となる。
これによると水にセメントが混入した時の溶液のpH変化は図6の通り。比較的短時間でpH10を超え、pH11前後で飽和値に達する。


40-fig6 pH

そしてpH上昇と同時にDOは低下していく

40-fig7 DO

ここが北浦上流部で発生しているpH上昇の現象とは相いれない。即ち安塚観測所のpH上昇の原因はセメント混入とは考えにくい


小田らの実験の結果に戻ろう。小田らはpHを調整できる水層中での魚の行動および生存時間を調査した。
40-図3トゲウオ

図3ではトゲウオを用いてpHの違いによる魚の感応度を調査した。それによるとトゲウオは酸性側ではpH5.8以下で著しく嫌忌度が高まり、アルカリ性側ではpH7.0~11.0ではほとんど感応を示さないが、pH11.4以上になると著しく嫌忌度が高まった。

40-図4ニジマス

またニジマスによる実験ではpH4以下の酸性、pH10以上のアルカリ性水では生存時間が短縮してくることが分かった。
またラージマウスバスでの実験ではpH10.4~10.5流水中で7日間生存し、pH11に上昇した時、2~5時間で死亡した


魚種によりアルカリ性に対する耐性は異なるものの。pH10.5という高アルカリ下では魚は忌避行動を示すことが分かった。
このアルカリ化の原因については植物プランクトンの活性化と推察されるが、ここまでの調査では確証はない。おそらくアオコのように極表層面で植物プランクトンが活性化し、それに伴うpH上昇を上層を測定している安塚の自動観測機が捉えたものと思われる。
ならば極表面水のみの現象であり、下層部はより中性の水が占めている可能性もある。

アオコ発生時の下層水の水質が問題となるな。文献調査を進めなければ。
いや、これは現地に行って調査が必要だな。

39.北浦上流部が強アルカリ性になった原因を探る

前回「38.北浦上流部がアルカリ温泉水になっていた」で安塚観測所の水質データにおいてpH10.5という強いアルカリ性が示された事を紹介した。今回はこの問題を深堀していく。

北浦上流部 鉾田観測所の気象データによれば、4月16日から23日まで好天が続き、最高気温は19~25℃、降水量0mmだった。24日から27日までは小雨が続き日照時間はほぼ0、27日には最高11.9℃、最低3.3℃、降水量9.5mmの冬のような雨が降った。

そこで水質データはどう変わったか?
4月24日と27日のデータを比較してみよう。

4/24 15

4/27 15

 

安塚

神宮橋

安塚

神宮橋

水温(℃)

20.3

17.2

15.6

15.9

H

10.3

9.0

10.1

8.6

DOmg/L)

12.3

9.4

9.3

9.3

導電率(mS/m)

30.5

41.8

30.6

41.7



4日間の曇天少雨により安塚の水温は5℃下がり、DO25%低下した。pHと導電率はほぼ同値。一方、神宮橋では水温が1.3℃下がったものの、Ph,DO,導電率は微変レベル。

これは何を示唆するのか?

  

pHの高くなる要因を推察すると、いくつかの仮設が立てられる。

(1) 石灰等の化学肥料が流域で使用された。

(2) 打ち立てのコンクリート等から溶液が漏れた。

(3) 植物プランクトンの活性が高い。

 

蓮の一大産地である北浦周辺にとって、4月5月は蓮の植え込みをする大事な時期だ。土壌改善のため石灰なども使うだろう。ただでさえ大量に水を使う蓮畑に雨が降れば、畑の化学肥料が流れ出しても不思議はない。そうなればpHは上昇し、導電率も急増するはずだ。

しかし安塚の水質データは雨後においてもpHは上昇することなく、むしろ微減している。(1)はシロだろう。

 

同様に生乾きのコンクリートに触れたアルカリ溶液や、工場からの化学物質流出の可能性も低いと思われる。(2)もシロか。

では植物プランクトンの影響はどうか。

植物プランクトンや水草が日照により光合成を行うと、水中に酸素を排出するとともに、Hを上昇させる。日照がなく光合成がなくなればその逆だ。

 

水質と気象データを遡ってみよう。

前回紹介した安塚の水質データでは、pH415日の16時に最大値10.5を記録した後、漸減して16日の6時に最低値9.2まで下がった。DOも同様に15日の16時に最大値12.816日の6時に最低値8.9となった。

その時の気象は、414日夜から15日朝にかけてまとまった雨が降っていた。その後は晴天が続き最高気温も20℃以上となっていた。

 

符丁は合っている。1日のタイムディレイはあるが晴天時のpH増大から、雨天の後のpH低下の様子は414日から16日にかけての動きも、24日から27にかけての動きも同じだ。

雨が降るとpHが下がり、同時にDOも下がる。これは植物性プランクトンによる光合成の影響が強く出ていると考えざるを得ない。

植物プランクトンの最たるものがアオコ、正確にはミクロキスティス。北浦では6月から9月にかけて毎年アオコの発生に悩まされている。ただし安塚がいつもアオコ発生地点かと言うと、そうでもない。確かに下の7月時ではアオコは安塚に顕著にみられる。

アオコ_H307

霞ヶ浦河川事務所 アオコ対策作業状況より)

アオコ_H306

しかし6月にはむしろより下流部に発生している。それに4月にはアオコ発生は未だほとんど見られない。

H上昇原因はアオコとは言えない

 

ミクロキスティス以外の植物プランクトンももちろんいる。それらが安塚で極端に支配的であり、それがpH上昇とDO上昇を引き起こした可能性もあるが、現時点では明らかでない。この原因についてはもう少し調査が必要だ。

 

 

いずれにしてもそんなにアルカリ性の強い水域に魚はいるとも思えない

次回はその「魚のアルカリ性耐性」について調査してみたい。



38.北浦上流部がアルカリ温泉水になっていた

前回までの琵琶湖水質シリーズに続き、My Home lake 北浦はどうなっているのか調査した。するととんでもないことが分かってしまった。北浦上流部はまるでアルカリ性の温泉水のような強アルカリなのだ。

全国各地の河川の水質は、国土交通省「川の防災情報」に公開されている。利根川水系でも霞ヶ浦、北浦に何ヶ所もの自動測定所があり、水温・PH・DO・COD等のデータを知ることができる。(地点によりデータの欠落はある)

今、北浦上流部の安塚観測所を選択してみよう。すると2019年4月15日から1週間の水質データが表示される。4月15日であれば、水温は4時に最低温度の13.5℃を記録し、17時に最高温度の15.4℃に達する。いよいよバスのスポーニングシーズン突入だ。

安塚

しかし待てよ。ここで表されているpHの値は何だ? 最高10.5? おいおい、それじゃ強アルカリ温泉水だぞ。全国を見回したってpH10以上なんていう温泉はそうそうないぞ。お肌つるつるだ。
これが神宮橋まで下ってくるとだいぶ薄まってpH8.8くらいになる。それでもまだ環境基準に示された「湖沼A類型」のpH基準値:6.5~8.5には収まらないのだが。

神宮橋

pHはご存知ですよね。中性水はpH7.0を示し、それ以下が酸性、それ以上がアルカリ性となる。環境基準は中性よりもかなりアルカリ性寄りに基準幅を持たせているが、魚類にとっては中性~弱酸性の方が適しているのだ。
そしてpH10.5というのは温泉でもかなりアルカリ性の強い温泉になる。いわゆるお肌つるつる温泉だが、こういった温泉ではあまり長時間浸かることを勧めていない。肌を痛めるのだ。せいぜい10分と言われている。

これはひどい。どこの魚が好き好んで奥秩父の温泉みたいな水に浸かりに来るもんか。当然、魚たちはより住みやすい下流域に移動するだろう。


しかしなぜ北浦上流部の水がこんなにアルカリ性を示すのか?
もう一度、表を見てみよう。安塚と神宮橋ではpHの他にDOと導電率にも大きな差が見られた。DOとは溶存酸素量、文字通りの意味だ。環境基準値はB類型で5mg/L以上。両地点とも十分だ。いや十分すぎる。
導電率? 水質調査で導電率を測るとは知らなかった。導電率とは電気コンダクタンス、すなわち電気の通りやすさを示す値だ。お馴染みの抵抗値(Ω)の逆数になり、ジーメンス(S)という単位で表す。値が大きい程、電気を通しやすくなる。よって雨水では1~3mS/m、海水は4500mS/mだ。海水は塩分を含んでイオン化しているので当然、導電率は大きくなる。ここは河川下流で観測される20~40mS/mを参考値としよう。

すると安塚の導電率は28~29 mS/m、神宮橋では約45 mS/mと記録されている。
河川水の汚損の目安である導電率は神宮橋が高く、溶存酸素量は安塚が高い。そして安塚のpH値の異常な高さ
このpH上昇の理由については、さらに深堀したいと思うが、現時点では材料が足りないので次回以降に検討する。


いずれにしても、こんなアルカリ性の強い水に好き好んで寄ってくる魚はいない。ほとんどの魚類にとっては中性(pH 6~7)が適している。pH10超えの異常環境には、魚に限らず生き物は留まってはいないだろう。

確かにこれまでこの地域がいいポイントになっているという話は聞かれない。私はよく(東日本大震災の前)金上からレンタルボートを借りて釣りをしていた。その時も金上よりも上流では良い釣りをした事がなかった。
この水域は夏にはアオコの大量発生で近づくのも嫌になるくらいだったのだが、それ以外の時期もあまり水がいいとは言えない状況だった。鉾田川からの流入があるのにも関わらずだ。
釣果の乏しさはこのアルカリ性水との関係が大いに疑われる。

なんだ、これからは水温計だけでなくリトマス試験紙も釣りに必要になるのか?

37.琵琶湖南湖のディープが大変なことになっていた

(寺島,上田;Jap. J. Limnol. 43, 2, 81-87, 1982.)

前回の「36.琵琶湖ディープホールのバスはサスペンドする」で琵琶湖のディープホールの事を取り上げたが、琵琶湖の湖底ではとんでもないことが起きていたようだ。
実は私自身は琵琶湖のディープの釣りというものを経験していない。だが文献を紐解いていくと、数々の琵琶湖の危機的状況が見えてくる。

京都大学の寺島らは、琵琶湖南湖の浚渫跡湖底における生物の変化に着目し、浚渫が水質及び底生生物にどのような影響を与えてかを調査した。調査地点は前回と同じ琵琶湖南湖矢橋帰帆島沖の浚渫跡窪地である。

37-Fig1.jpg

改めて湖底のプロフィールを見ると、ものの見事に12~13mで削り取られている。この浚渫は人口の埋め立て地である矢橋帰帆島(Fig.1 A.L.)を作るために行われたもの。その着工は1978年、完成は1982年だった。ついこの間だ。
琵琶湖にはこの他にも多数の埋め立て地が存在し、それらは湖底の浚渫により造成されたものだ。すなわち琵琶湖の湖底は穴ぼこだらけなのだ。その様子は孝橋(琵琶湖博物館)らによって測定されており、下図のように複雑なホールが多数存在する。これは南湖中央の琵琶湖博物館の沖合、志那沖から下坂本沖の2500mを魚探により測定したものだ。

37-Fig2.jpg

なんと凹凸が激しく、いかにもバスの潜むストラクチャーになりそうなものだが、事はそうは単純ではない。前回と同様、これらの浚渫跡も低酸素化が進んでいるのだ。

寺島らの論文に戻ろう。下図では前回文献と同様、6月初から8月末まで、湖底は酸欠状態となっていることが示されている。
浚渫跡の水深がある水域において夏季に水温躍層が形成されれば、上下層の水循環が妨げられる。加えて冨栄養状態である南湖水域では、微生物による分解が進み酸素を消費することにより低酸素状態となる。
一方、より水深はあるものの貧栄養状態にある北湖では低酸素化は発生せず、北湖盆の水深60~80mの湖底でも酸素飽和量は40%まで低下するにとどまる。
たかだか水深10~15mの湖底での低溶存酸素化は南湖の浚渫跡に特有の現象なのだ。

37-Fig3.jpg

ではその南湖浚渫跡の低酸素化は生物にどのような影響を与えたか。寺島らは湖底の生物を採集して分析を行った。
浚渫跡水域の底生動物ではユスリカ類、貧毛類が優占するが、6月の無酸素層形成と共にユスリカは見られなくなり、10月下旬から再び採集された。貧毛類も同様に6月から10月まで、一部期間を除き採集されなかった。一方、ユスリカ類、貧毛類は他の水域では夏季も採集されている。
さらに他の水域では採集された腹足類(タテヒダカワニナ等)や斧足類(ドブシジミ等)も、浚渫跡では通年にわたり採集されていない。
また浚渫跡湖底は低酸素状態となるだけでなく、窒素・リン重金属類等が湖底水中に大量に蓄積されている。これらが秋以降の水温成層の消滅に伴い湖全域に拡散されることで、湖全体の生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されているのだ。

琵琶湖南湖の惨状が伝わったであろうか。バス釣りに興じている人間として知る琵琶湖は1980年以降の琵琶湖だろう。すなわち矢橋帰帆島沖は造成されており、同時にディープホール等の浚渫跡も多数存在していた。
加えて琵琶湖周辺に無数に存在した内湖も、ほとんどは埋め立てられた後で、多くの流入河川は直接琵琶湖へと流れ込んでいる。かつての内湖は流入河川の汚濁成分の沈殿池として機能していた。なので当然、内湖の水は次第に汚濁が激しくなり、ついには住民や行政が埋め立てに動く。その後どんな事が起きるかは容易に想像できただろうに。
さらに野洲川等の河川改良工事、南湖沿岸の改修という名のコンクリート化
結果、流入河川の汚濁水は直接琵琶湖に流れ込み、湖水を浄化するはずの水草は根こそぎ排除された。そして現在まで続く赤野井湾に代表される南湖の状態を作り出した。当然の帰結だ。


これが世界に20しかないと言われている、10万年以上前から存在する古代湖の一つである琵琶湖の現在の姿だ。おそらくはそれら古代湖の中でも最も悲惨な状態にある湖と言えよう。

在来種が少なくなったのはバスのせいだとか、責任転嫁している場合ではない。いや、だからこそ逆に我々バサーは、なお一層環境保全に留意しなければならない。

自分が来た時よりも綺麗な湖にして帰る。誰もがそんな意識を持ち続けなければ、大切な湖の命を奪うことになる。そう心に刻もう。

36.琵琶湖ディープホールのバスはサスペンドする

(鉛直循環と無酸素層の形成;熊谷他,Jpn. J. Limnol,, 41, 1986.)

ちょっと気の早い夏の釣りのお話。
滋賀県琵琶湖研究所の熊谷らは、琵琶湖深水層中の低酸素化の実態を調査し、その発生メカニズムをシミュレーションにより解き明かした。夏場のディープエリアでバスを狙おうとする際、大いに参考になる事実が含まれているので注目してほしい。

まず深水層の状況について測定が行われた。測定場所は南湖矢橋帰帆島沖の浚渫窪地。この窪地は一辺500mの正方形状をしており、窪地の周囲の水深が4mであるのに対して、窪地内は13mと深くなっている。
いわゆるディープホールですね。夏の琵琶湖では、この駆け上がりやディープエリアのエッジを狙って、正方形の浚渫跡のエッジ形状通りにバスボートが並ぶ様がよく見受けられる。しかしそのディープに溶存酸素がほとんど含まれなくなるとしたら、当然そんな所に魚はいない。その低酸素化の起こる条件を理解しておけば、居もしないバスをいつまでも狙い続ける愚を犯さないですむ。
その条件とは?

36-3.jpg

まずは水温。Fig.3は浚渫窪地の鉛直方向の水温分布を、5月25日から10月5日まで測定した結果である。5月25日には水深0mでは約20℃、水深12mでは10℃以下だった水温が、8月8日には0mで30℃、12mで18℃となった。
バスの適水温は17~25℃と言われている。だから夏場のバスは20℃程度となるディープに潜んでいることが多いのだ。

しかしここに溶存酸素と言うもう一つのファクターが絡んでくる。fig.6にはfig.3と同様に季節毎の溶存酸素量の水深別分布が示されている。5月25日の水深0mは10ppm、12mでは1ppmであった溶存酸素量が、8月8日では0mで8ppm、12mでは0.1ppm以下となっている。

36-6.jpg

夏場、正確には6月から9月まで、10m以深のディープエリアには溶存酸素はほぼないのだ。そんな所にベイトフィッシュがいるか? いや「33.ベジテーションの攻略法を科学する」で紹介したように、仮に低酸素状態に強いベイトフィッシュがいたとしても、それを追うバスがいるか?

さあややこしいぞ。水温だけを考えれば真夏、8月のディープホールなら深いほど冷たい水層となり、10m以深の底をしっかりと取って狙いたいところだ。一方で溶存酸素的には、表層に近い程、溶存酸素量は高くなり魚の活性も上がるだろう。
となると、その両者のバランスが重要になってくる。魚の活性を考えれば溶存酸素量は1ppm以上が望ましい。すなわちFig.6の白いグラフエリアより浅い領域だ。そこの水温をFig.3から求めると、8月8日なら水深8mで約23℃。ここならバスは十分な活性を持って動いているだろう。

するとバスは浚渫窪地のブレイク沿いの8mラインの湖底、もしくはより湖底水深のあるエリアであれば8mラインにサスペンドしている可能性が高い。そこが狙い目となるだろう。


もう一つ、重要なことに気が付く。私はいつも水温計水温計と騒いでいるが、ここでは水温と溶存酸素量はシンクロしていないのだ。特に6月においては10mラインの水温は20℃以下であるにも関わらず、そこの溶存酸素量は0.1ppmレベルとなってしまう。水温測定は無意味になる。

では何が溶存酸素量を決めるのか? 本研究はそれをシミュレーションにより推察した。その結果、
有機物の沈降速度が大きいほど、底部の溶存酸素量は減少する。
・溶存酸素量を最小とする反応速度定数が存在する。

有機物の沈降速度は本研究では0~500cm/dayでシミュレーションされた。この沈降速度を決定する要素については触れていないが、考えられるのは赤潮等のプランクトンの大量発生だろう。それらの死骸がディープに沈んでいくことにより、溶存酸素量は低下していく。わざわざ赤潮の下を釣ろうとは思わないだろうが、最深部であっても溶存酸素量は影響を受けているのだ。


またFig.6には水深10m以下のディープエリアの溶存酸素量が、6月初旬から末まで0.1ppm以下になっていたものが、7月のほぼ1か月間は0.1~1ppmのレベルに上がっている。これは何を示すのか?
サーモクラインはFig.3の水温を示す曲線の水深方向(縦)の間隔が狭い程、強固な水温躍層が形成される。例えば6月10日の表層温度は約27℃、12mでは約12℃。温度差は15℃。これが7月15日では表層が28℃、12mが18℃。温度差10℃になる。これによりこの時期、上下層の循環が容易になり、一時的に低酸素状態から脱却したと推察できる。

そのような条件が成り立てば、ディープエリアに酸素が行き渡り、結果としてバスはディープに行くし、活性も上がる。それは例えば
・比較的低温が続いた。
・冷たい雨が降り続いた。
・強い風が吹いた。
10mを超す水層での循環は数時間のレベルでは発生しない。これらの気象条件が長期間続いた時、バスはディープに移動すると考えられる。


しかしながらいつも言っているように、自然科学の研究には例外がつきものである。100%そうなる、と言う事はできない。種々の環境条件の変動により、事象は変化する。
「ディープホールの12m以深で爆釣したよ。」
「サスペンドしていたのは5mラインだった。」
それは起こりうる事だろう。問題はその時、どのような気象条件で、どのような釣りをしたかだ。それらを蓄積していけば、ものすごく貴重なデータバンクができると思うよ。




頭を使いたけりゃバスを釣れ!

釣りに行くと何かつぶやきたくなる。我が師匠、開高健のように。
とはいかないが、水辺で我が身中から湧き出してくる言葉達を書き留めておきたくなった。

ただの落書きです。スルーして下さい。

昨日釣れた場所に行くんじゃない。今日釣れる場所に行くんだ。
昨日釣れたルアーを使うんじゃない。今釣れるルアーを使うんだ。



数が釣りたきゃイワシでも釣ってろ。
デカけりゃいいんなら海上釣り堀にでも行け。
頭を使いたけりゃバスを釣れ。



難しいからバスが釣りたくなる。


考えて考えて、それでも釣れないから、またバスを釣りに行く。


みんなは何でバスを釣るの?
  • たくさん釣れるから? そんなはずないよね。
  • 魚が大きいから? これも違うな。
  • おいしい魚だから? そんなバカな!
  • お手軽だから? 道具は高いし、交通費も掛かるよね。
じゃあなんで?

自分で考えたプラン通りにバスを見つけ出し、思惑通りの釣り方で仕留めた時の快感が忘れられないから。

俺はこれだなぁ。
情報を分析して、仮説を立てて、プランを編んで、釣り場で確認して、釣ってみて、微調整して、また釣ってみる。
どこで手ごたえがあったか。何が合っていて何が違ったか。プランは正解だったから釣れたのか。不正解だから釣れなかったのか。正解だけど釣れなかったのか。
面白いでしょ。こんな遊びは他にない。釣りの中でも特別だ。


自然の中に身を置く快感、極上の思考ゲーム、テクニックとツールの融合、緊張感とリラックスの混在。
それがバス釣りだ。



35.スポーニングに向かうバスの動きを文献から分析する

これまでに読解したバスのスポーニングに関する文献をまとめて、プリスポーンからスポーニングに向かうバスの動きを推測してみよう。

物事は5W1Hで考える。何事もだ。ではバスのスポーニングの5W1Hは?
・What:何が
・Why:なぜ
・Who:誰が
・When:いつ
・Wehere:どこで
・How:どのように
最初の3つはアタリマエ。
バスが、産卵に向かうので、俺が、釣る!

ではあとの3つは? これが重要だ。
文献を紐解いていこう。

まずは When
13.さくら湖(三春ダム)の水位低下がオオクチバスの繁殖に与える影響」では、福島県のさくら湖(三春ダム)におけるオオクチバスの産卵期を調査した。その結果をまとめると、
1) 繁殖期は、日平均水温が15℃から21℃に上昇する5月上旬から6月下旬である。
2) 産卵期のピークは水温が18.0℃の頃と考えられる。
3) バスの仔魚が自由に泳ぐようになるのに10日間が必要。すなわちその間は親バスはネストで仔バスを守っている。

そして Where
14.移植されたコクチバスの繁殖特性」では、青木湖および野尻湖におけるコクチバスの産卵床の調査を行い、その分布や特徴についてまとめている。
1) コクチバスは水深1mラインの障害物の近くにネストを作る。
2) ネストの水底は砂や泥質ではなく砂利質
3) 大きなバスほど桟橋や大きな石等のストラクチャーの近く(28~148cm)にネストを構える。
4) バスは大型の魚体からスポーニングに入る。遅れてネストを作る小さなバスは、ストラクチャーから遠い地点に作る。
5) コクチバスはネストを集中的に作り、1つネストがあればそこから2~6mの所に次のネストがある。

13-Fig 2
(水産増殖 49(2), 157-160 (2001); 井口、太我から)

ただし例外はある。「ロッキンチェアーアングラー 北浦を攻める」では北浦の石積みエリアの芦際、わずか水深15cmの浅瀬にネストを作ってつがいのバスがいたのを目撃している。ちなみに釣行は4月15日、その時の水温は15℃だった。

最後に How
これは各自が考えればいいことだが、俺なら以下のように戦略を練る。
1) プリスポーニング期はネストとなるエリア近くのシャローにベイトフィッシュを追って出てくるバスを狙う。
ここでは「20.茨城県北浦のヨシ帯における魚類群集構造の季節変化」を参考にしよう。それによると、北浦のヨシ帯に最も魚が集まるのは春から夏。特に6月から8月だ。プリスポーニング期の4月5月に限定すれば、ヨシ帯に寄ってくるベイトは、ウキゴリ、シラウオ。ワカサギは回遊してくればいるという感じ。ヨシノボリやヌマチチブ、モッゴは6月に入ってからだ。実は意外にプリスポーニング期のベイトはヨシ帯に寄っていない

そのようなベイトを意識したルアー選択、ルアー操作を行っていく。
エリアとしては、水温よりも気温の高くなるこの時期、もちろん狙いは風面だ。砂利の底面が続き、ストラクチャーもある水深1mのエリアから遠くないシャロー。芦やウィードがあれば文句なしだ。

2) スポーニング期はネストを撃つ! ネストについてメスを待っているバス、卵や稚魚を守っているバスは容赦なく撃つ!
俺はこれ以上のバスの拡散・増殖を望まない。バス釣りはもっと難しくていいんだ。
ならばネストに近づくリザードや子バス・ブルーギルをイメージしたルアー操作が有効だろう。
そしてバスのサイズによりスポーニング時期もネストのエリアも変わってくる。4月5月ならばストラクチャーに近いポイントに大型のバスがネストを作ってスポーニングに入り、6月に近くなるとストラクチャーから次第に離れたエリアに小型のバスがネストを作る。
さらにバスの仔魚が自由に泳ぐようになるのに、10日間が必要。5月になると大型のバスから順次スポーニングに入るが、バスはネストに10日以上は留まっている。という事は5月初旬から中旬まではストラクチャーから1m程度のポイントに、5月中旬以降は2週間毎に次第にストラクチャーから遠ざかったポイントにネストのバスがいることになる。


プリスポーニング期からスポーニング期にかけての釣りメソッドは、さほど重要ではない。そこにバスがいれば釣れる。
より重要なのは、WhenとWhereだ。上で大まかな戦略を述べたものの、そこには絶対はなく、自然環境の変動により狙うべきエリアは変わってくる。その日までの気象の経緯、その日その時の状況を見極めて、狙うべきエリアを絞り込んでほしい。

琵琶湖がターンオーバーしていない事の影響について

3月14日の京都新聞に気になる記事が掲載された。
年に一度「琵琶湖の深呼吸」に遅れ 暖冬影響か、低酸素化の懸念

2007年、2016年にも3月になってようやく湖底までの全層循環が発生したが、今年はここまで一部水域で発生していないと言う。具体的には今津沖の第一湖盆と呼ばれる水深90mの最深部。ここで水深70~80mまでしかターンオーバーしていない

琵琶湖におけるターンオーバーについては「3.琵琶湖における水温、水流の年間変化」で紹介した。園らによる下図が分かりやすいだろう。
suion.jpg
(園,野村,琵琶湖生態系モデルに関する研究-1次元水温モデル,滋賀衛環セ所報 1990)

春から夏にかけて温められた表層の水は、湖底の常時6℃の水との間に「水温躍層」を形成する。いわゆるサーモクラインだ。これが秋以降に次第に表層から冷却され、水温躍層が解消していく。本図によれば10月末には水深18mまでが17℃で均一になり、12月末には水深40mまでが7℃となり、この区域の全層循環を果たす。

水深90mの琵琶湖最深部においても例年であれば2月までに全層循環を終えるのだが、今年は未だ発生していないことが、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの調査で明らかになった。

湖の生態系にとってターンオーバーは非常に重要な意味を持つ。それは底部への酸素供給および表層への硝酸態窒素供給に象徴される。記事では湖底への酸素供給不足によるイサザやヨコエビ等の湖底生物への影響を懸念しているが、それだけに留まらないだろう。硝酸態窒素は植物性プランクトンの餌だ。これが不足する事は、直接的に植物性プランクトンの育成に影響する。
食物連鎖の底辺を支える植物性プランクトンの減少は、そのまま琵琶湖のピラミッドの頂点にいるブラックバスの生息域に関係する。ベイトが減ればバスもいなくなる

今年の琵琶湖では例年とは違うバスの動きがみられるのではないだろうか。特に今津沖などの最深部区域ではベイトの動き、それにつられるバスの動きに注目しよう。
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