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プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

津久井湖惨敗の敗因を探る

13日の金曜日、コロナ禍でジェイソンさえも活動を自粛した呪いであろうか、
絶好のコンディションの津久井湖でオデコを食らった。正確には仔バス1尾。しかし気温20℃、水温12℃、適度な南風、増水したワンド、と言う絶好のコンディションにあってはオデコに等しい。惨敗だ。コテンパンだ。

当日の様子は前編をご覧いただくとして、ここではその敗因を深堀していこう。
・何を読み間違えたか。
・どう釣り損なったか。
・何が足りなかったのか。


結論から言えばバスは見つけ出せていた。しかし食わせられなかった。
前編でも書いたように当日の狙いは狙うならワンドの奥および島周りのシャローだった。冬の冷え込みの浅かった今年の水温は、例年に比べて冬の最低水温が2℃以上高かった。現在の水温は早や4月中旬並み。バスの暦も1か月前倒しされているはずだ。すなわちバス達はもうスポーニングを意識してシャローに出ている。水温の変化等によりベイトを追うスイッチが入るはず。ならば水深2m以浅の水草の中から、急に増水した水面を意識している。あるいはより浅い岸沿いのストラクチャーに身を寄せている。

その読みは当たっていた。2mラインで仔バスを掛け、40cmクラスのチェイスもあった。そして何より島のブッシュに潜む50upを目撃しアプローチした。スレ掛かりのバスもあった。
バスはそこにいたのだ。
しかし食わせられない。

その象徴的な場面はやはり50upとのやり取りだ。振り返ろう。
ヤツは上からブッシュが覆いかぶさる島の岩盤際にいた。水深30cm、ゴロタ石の底面、ブッシュは岸から2~3mは伸びている。これが非常に厄介。水草ではない。枝だ。それも水底に沈んだ枯れて何年も経つ木ではない。言わば新鮮なのだ。するとどうなるか。ゴツゴツと折れ曲がり、節々がささくれている。つまりラインが容易に絡みつく。ただでさえルアーを繰り込む隙間がないのに、ラインが枝に触れただけで絡みつく。

プランではハードルアーをメインに据えていたのだが、さすがにここはワームの出番。クローを軽めのテキサスに組んで枝の隙間から落とし込もうとした。が、実際に狙おうとすると、とても無理。少し狙い場所をずらし、ヤツの目線の先のちょっとだけ隙間のある地点の岸に当てて水面に落とす。軽めのシェイク、小さなジャーク、長めのステイ。
振り向かない。もっとタイトに攻めないとだめだ。
ヤツの前に戻って、リスクは承知でダイレクトに狙おうとした。スピニングに持ち替え、ノーシンカーのパドルを送り込もうと試みた。直線的なルートはない。あるとすれば上からチョウチンだ。フリッピングで上の枝から落とし込むと、、、ラインが枝に絡まった。巻かれた訳ではない。単に擦れただけ。それでもカサカサしたこの枝にPEラインは絡みついた。

The End....
当然、50up君は砂塵を上げて逃げて行った。

IMG_20200313_121832.jpg
(木の上に打ち揚げられたボートが何物かを語る・・・)

ここでの問題点は大きく分けて2つ。一つはテクニカルなスキル。それも2つに分けられて、一つはもちろんキャッスティング。あの絡み合った枝の奥の奥にルアーを送り込むスキルは私にはない。と言うか、できるのかな?あるとすれば私が試みたような上からのチョウチン釣りくらいしか思い浮かばない。バックスライドなんてせいぜい数10cmでしょ。2mはスライドしてくれないと、あそこには届かない。スキッピング?無理無理。
もう一つは操船スキルだ。風はそこそこあった。3~5m程度か。この風にハンドエレキ搭載のレンタルボートがあおられる。大場所ならいざ知らず、「そこにいるバスにこの枝の隙間からルアーを送り込む」には「ここ」しかない。その「ここ」にボートを止めておけないのだ。フットだともう少しコントローラブルなのだろうが、私のハンド操作術ではあれよあれよと流される。

大きく分けた2つ目の問題点はタックルだ。今回で言えばラインだ。
今回のプランではハードルアーに重点を置いたので持ち込んだのは、
①スピナベメインのクランキングロッド+カルカッタ+14lbナイロン
②ジャークベイト、サーフェースプラグ用のショートロッド+ABU4600+8lbナイロン
③ラバジ,チャターベイト用6ft+ABU4600+12lbフロロ
④ワーム用スピニングロッド+チームダイワS+16lbPE

なのでノーシンカーには④を使用した。しかし前述の通りここのブッシュをPEで狙うのは非常に困難。かと言って細いナイロンではたとえバスを掛けられたとしても、ブッシュから50upを引き出す事は難しい。
よりヘビーなタックルが必要だった。6.6ftのフリッピングロッドに20lbナイロンを巻いたベイトリール。ノーシンカーは諦めて軽めのテキサスで上から何とかルアーを落とし込み、じっとバスが振り向くのを待つ。そんなところか。

バックスライドってもっと距離が稼げないのかな?
引いてルアーを上に上げ、フリーフォールで奥に泳いでいく。風上に進むヨットの要領でしょ。
理論的にはできるよ。真面目に考えてみようかな。

バスにオデコはない。釣るか学ぶかだ・・・

NHKの「奇跡のレッスン」をご存知か。毎回、スポーツのレジェンドが子供達を指導する。これが我々大人たちにとっても深~いのだ。1か月ほど前に放送されたのはテニスのサーシャ・バイン。ご存知、大坂なおみをトップスターに押し上げたコーチだ。彼が大阪の高校テニス部を指導した時に言った言葉。
「試合に負けはない。勝つか学ぶかだ。」

さすが。ポテンシャルは十分なのにメンタルが弱くてくすぶっていた大坂を、1年足らずで全米を取るまでに成長させた名コーチのいう事は違う。
トーマス・エジソンも電球の開発で何度も失敗していた事を新聞記者に質問された時、
「私は実験に失敗した事など一度もない。この材料では点灯しないという実験を100通りも繰り返していただけだ。」
と答えている。そしてアインシュタインも言う。
「失敗したことのない人間とは、何も挑戦したことのない人間である。」


「何をグダグダ言ってるんだ。要はオデコ食らったんだろ?」
・・・・・・
そうとも言う。が、フーテンの寅は言う。
「言っちゃったね。それを言っちゃあお仕舞よ。」

時は3月13日。コロナの影響でジェイソンさえ活動を自粛するとの声明を出した13日の金曜日、あろうことか津久井湖に出掛けた。悪い外来魚をお仕置きしようと。。。
相模地方はここ3日間は春めいたいい天気。この日も朝から穏やかで最高気温は20℃。風は午前中は穏やか。午後から風が強まったが、気温の高い今日なら大歓迎だ。
宮ケ瀬ダムからは3t/s放流。城山ダムは全放流量17t/sと平常運用。結果、3日前のまとまった雨のおかげで水位は微増し、満水から-0.5mとなった。

絶好のバス釣り日和。悪い訳がない!当初のプランはこうだ。
冬の間、冬水位でほぼ満水だった津久井湖は、ここ1か月の雨の少ない間に1.5m減水した。それが3日前の雨と宮ケ瀬の放流により、沼本ワンドには道志川からまとまった水が流れ込み、水位は1m上昇した。道志川に開くワンドの入口付近の水はまだ水温は低いだろう。狙うならワンドの奥、島周りのシャローだ。
一大スポーニングエリアである沼本ワンドにネストを張るには早すぎるが、スポーニングを意識したデカバスはもうワンドに入っている。そして水温の上昇する午後には盛んにベイトを追うだろう。ならば今日はフィネスは要らない。ハードルアー一本勝負!
水草と枯れ木で覆われた浅瀬を攻めるにはスピナーベイトとフローティングミノーだ。強気にジョイクロも追加しよう。爆釣の予感がする。自己ベスト更新かも。。。

さて沼本ボートで親父さんに話を聞くと、一昨日は50upが2本、休校になってヒマな小学生も40upを上げている。ほらぁ絶好のコンディションじゃん。これは行けるぞぉ。
で、プラン通りワンド内を30分ほど撃っていくと、島周りの3mラインでロングAに元気なバスがヒット!難なく抜き上げると25cmのチビ。ほらほら、やっぱりね。津久井でこんなに早くバスをゲットできる事なんてないから。子バスだろうが何だろうが。
俄然やる気を出して同じようなラインをトレースしていく。
1時間、2時間。。。
釣れない。

おかしいなぁ。ちょっと作戦を変えるか。より岸にタイトに近づきブッシュや水草をかき分けるようにルアーを送り込む。
いた。
しかもでかい。50cmは余裕で超えるバスがブッシュの奥、水深ほんの30cmの岸際に貼りついている。しかしあそこにルアーを送り込む手段がない。少し先回りしてルアーを打ち込める位置で待ち伏せていたが、ボートが風で流される。しかもルアーの狙い所はごく限られた1か所だけ。岸にテキサスに組んだクローをぶつけてから水に落とし、シェイクを繰り返したが結局バスは逃げてしまった。

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(この左手のブッシュの奥に奴はいた)


この時の水温は表層、下層とも12℃。ちなみに今年の冬は最低でも水温は最低7.5℃。例年より2℃以上高かった。当然、水の中の春の訪れは早い。12℃と言えば4月中旬の水温だ。だからバスはシャローに出ている。
読みは外れていない。
でも釣れない。

その後も40cmクラスの見えバスにアプローチし、チェイスさせるもヒットに至らず。さらに道志川のワンドへの入口の岬でスピナベにスレ掛かり。
結局、型を見ずに4:30投了。今日の状況でチビバス1匹は私の望んだ結果ではない。オデコに等しい惨敗だ。
帰って来てボート屋の親父さんに聞くと、今日のバサーはあと一人。彼も1匹掛けたもののバラして、結局オデコ。それも手ごたえは大きかったと言う。

バスはいる。その手ごたえはあった。しかも2日前には50upが3本も上がっている。釣れる要素はアリアリだった。
それでも釣れない。なぜ?
これを分析しなければ「学び」はない。失敗を失敗で終わらせてはいけない。次回、じっくりと分析しよう。

51.茨城県北浦のヨシ帯と護岸帯での魚類群衆構造の比較

(碓井(東京大学院)ら,日本水産学会誌 80(5),2014)

「この季節なら護岸のハードボトムだ。しかもこの風でベイトは護岸に吹き寄せられる。」
「いや、フィーディングに来るバスはヨシ帯にいる。今の時間帯はヨシ原だ。」
喧々諤々。いいのだよ、それで。考えて考えてバスの居場所を推理するのだ。それをやらずして何のバスフィッシングだ。何がおもしろいのだ。

前回「50.水草の密度と大きさからバスの有無を知る」では、水草帯の密度によりバスの捕食位置が変わってくることを示した。ではその水草帯にはどのような魚が潜んでいるのだろうか。
そして水草帯と対比される護岸帯には、どのような魚がいるのか。本研究では我がホームレイク北浦でヨシ帯と護岸帯に棲む魚類を捕獲し比較した。
論文を読み進めよう。

碓井らの調査した北浦は、言わずもがなの関東のメジャーバスレイク。そこは今回の研究テーマとは関係なく、筆者のテーマは「ヨシ帯の減少が湖の生態系にどのような影響を与えたか」であった。日本の大多数の湖と同様、北浦においても護岸のコンクリート化が進み、自然なヨシ帯はほとんどと言っていい程、残されていない。わずかに流入河川沿いに残っている程度だ。さらに護岸帯においては、垂直護岸に当たった波の反射波が周囲のヨシを倒壊させることで、さらにヨシ帯が減少していく。
本研究では雁通川流入部に位置し波の影響を受けにくい波崎と、西岸のフラットな湖岸線にある爪木を調査地点に選び、各々の地域にあるヨシ帯と護岸帯から小型地引網により魚類を採集し、春から夏にかけての生息魚類の違いを調査した。

51-Fig1.jpg

採集は2009年と2010年の4,6,8月。小型地引網は袖網長4mで岸に沿って人が砂泥底表面を20mにわたって歩き採集した。即ちヨシ帯の中の魚は採集できていない。ここは要注意。
採集された全魚種をTable.1に示す。

51-Table1A.jpg

表中赤字には魚種の学名に日本語表記を付記した。
表中のFGは各魚種の食性を表し、Bは底生無脊椎動物食、Fは魚食魚、Pは植物食魚、Tは陸生昆虫食魚、Zは動物プランクトン食魚を示す。採集年度下のRSはヨシ帯、BHは護岸帯を示す。
同時に各水域での水温・電気導電度・溶存酸素量を測定した。その結果、水温、水質については季節変動はあるものの地域間の差はないことが分かった。ヨシ帯と護岸帯で水質の差はないのだ。

では採集された魚種について詳しく見て行こう。筆者は統計的手法を用いて分析しているが、ここではTable.1について読み取れることをザックリと述べていきたい。
まず採集された魚類の総数を見ると、ヨシ帯の方が護岸帯よりも多い。特に宇崎ではヨシ帯では護岸帯の約2倍の魚類が採集されている。次に宇崎と爪木の比較では、宇崎の方が圧倒的に多かった。その比は8~11倍になる。やはり宇崎は1級スポットなのだ。

次に魚種毎の比較だが、ヨシ帯で多い傾向にあった魚種は、ヨシノボリ、ヌマチチブ、クルメサヨリ、ブルーギル。特にブルーギルの多さに驚かされる。モッゴ、ウキゴリもヨシ帯に多い。
一方、シラウオは護岸帯に多く、ワカサギはヨシ帯・護岸帯の差はなかった。この2種が護岸帯に多いのは食性によるものだろう。主に動物性プランクトンを食べているシラウオとワカサギは、それが多く出没する護岸帯をクルーズしているのだと推察される。
一方、ヨシノボリやモッゴ、クルメサヨリ等は植物食か底生無脊椎動物食なので、それらの生息するヨシ帯を好む。もちろんバス等の捕食者からの隠れ家としてヨシ帯を利用しているという側面も見逃せない。

北浦で風が強く吹き付けた時のシラウオパターンはよく知られる戦略だ。しかしそれを狙うのなら護岸帯とだいう事は憶えておいて損はない。逆に護岸帯で底生のヨシノボリを模したワームでジグヘッドと言うのも、ちと違うかな。

また注目されるのが、採集された魚類の中にオオクチバスがほとんどいない事。総数としてブルーギル:4105尾に対して、オオクチバスはたったの21尾。これはないだろう。おそらくは採集が徒歩での地引網という事から、バスは人の気配を察知して逃げてしまったのだろう。対して小さなベイトフィッシュは大きく泳いで逃げることができず、間口4mという大きな網に捕まったと考えられる。
また、地引網がヨシ帯の中までは入り込めていない事にも留意したい。ヨシノボリやウキゴリ等のヨシの中に潜んでいる魚は捕らえられていない。おそらくこれらの魚種はヨシ帯の中にもっと多く生息しているはずだ。


なおヨシ帯に生息する魚類については、「20.茨城県北浦のヨシ帯における魚類群集構造の季節変化」で同じ筆者らが詳しく調査しているので、こちらも参考にされたし。

50.水草の密度と大きさからバスの有無を知る

「外来魚による捕食を軽減する植生の効果」
   坂野(水産総合研究センター)日本水産学会,78(5),988-990(2012)

バスはAmbush Predator、すなわち獲物を待ち伏せして捕食するのが基本的な生存戦略だという事を、「44.バスの遊泳能力はどれほどなのか?」で述べた。
芦原の奥の奥に潜んでいるバスをフリッピングで叩くと言うのは、特に夏のバスの基本的攻略法の一つだ。
一方で水草が密度濃く生い茂る植生の中は、ベイトフィッシュにとっては格好の隠れ家になる。水草がびっしりと生い茂る広い植生エリアにはバスは入り込めないか、入れたとしても小魚たちに容易に逃げられてしまう。
ならばその境目があるはずだ。どんな水草エリアならバスは入り込んでベイトを捕食しようとするのか?どこまで密集すればバスは入れこめなくなるのか?

本論文はここに着目し、在来魚保護の観点からどの程度の密度、どの程度の大きさの植生であれば、在来魚がバスの攻撃から逃れられるのかを実験により確かめた。裏を返せば、ここで述べられた密度・大きさの植生エリアの中にはバスはいない、という事だ。我々バサーにとって大いに参考になるかもよ。

坂野は、直径2m、高さ1.2mの円形の実験用水槽にモツゴオオクチバスを放し、その中央に植生としてクサヨシを規定量配置し、一定の実験期間を経過した後のモツゴの生存匹数を比較した。実験に使用したクサヨシは水辺で普通に見受けられるイネ科の抽水植物。

クサヨシ

これを鉢に植えて所定の密度、面積で実験水槽に並べて行った。
 A) 低密度:125本/㎡
 B) 高密度:250本/㎡
 a) 小面積:水槽の40%=1.26㎡
 b) 大面積:水槽の80%=2.51㎡
小面積ではクサヨシ帯の周囲に37cmのスペースが残り、大面積では11cmしか残っていないことになる。

50-図1

ここに大型モツゴ(4.0g)4尾と、小型モツゴ(1.4g)16尾、オオクチバス2尾を投入し、2週間観察実験を行った。実験期間中の水温は14.9℃から20.7℃と言うから、バスは活発に活動できる環境だ。
植生密度125本/㎡はクサヨシ1本当たり80㎠、すなわち約9cm毎にクサヨシがびっしりと並んでいることになる。同様に250本/㎡なら1本当たり40㎠、すなわち約6.3cm毎に並んでいる。かなりのジャングルだ。

さて2週間にわたる実験の後、オオクチバスに捕食されずに生き残ったモツゴの数が問題だ。

50-図2

図2に示されたのは、植生の面積を無処理・小面積・大面積と変えた場合のモツゴの生存尾数である。植生の面積が大きくなるほど、小モツゴの生存尾数が増えていく
一方、植生の密度を変えた実験では、密度の大小による生存尾数の差は見られなかったと言う(具体データなし)。
ここから筆者は、在来魚をオオクチバスから保護するためには、ある程度の植生の広さが必要であると結論付けた。

植生密度については他の研究者による、ベイトとしてブルーギルの仔魚、捕食魚としてオオクチバスを用いた実験により、植生密度50本/㎡まではバスはブルーギルを摂餌できるが、250本/㎡ではほとんど摂餌できなくなることが確認されている。
また別の研究者が、ベイトとしてブルーギルとファットヘッドミノーを用い、植生密度1000本/㎡の疑似水生植物(イミテーションであろう)と共にオオクチバスの摂餌活動を観察した実験では、バスは植生の中に入り込んでブルーギルを捕食した。一方でファットヘッドミノーに対しては植生の外側で待ち伏せして捕食するという行動を見せた。
ファットヘッドミノーとは北米大陸に生存するハヤの仲間だ。おそらくは1000本/㎡(すなわち3.1cm毎に1本)という密な植生の中での遊泳能力の差が、ブルーギルとファットヘッドミノーに対する摂餌活動の差に繋がったのであろう。むしろ3.1cm毎などというジャングルにバスが突っ込んでいって仔ギルを捕食できる事が驚きだ。この点は前述の研究と食い違っているが、自然科学の分野ではよくある事と思った方が良い。実験条件のちょっとした違いで結果が異なってしまう。


これらをまとめると以下のようになるだろう。
①ベイトフィッシュは水草の植生の中に隠れてバスの襲撃を逃れることができる。水草が密に生い茂っているほど、植生エリアが広いほど、ベイトフィッシュは逃げやすい。
②3.1cm毎に水草が生い茂るような密な植生エリアでは、バスはシャッドの類を捕食することは難しい。この場合、バスは植生の外側でシャッドを待ち伏せる戦略を取る。
③6.3cm毎に水草が生い茂っている程度の植生であれば、バスはその中でベイトフィッシュを捕食できる。特に仔ギルのような遊泳能力の低い魚は容易に捕食する。


水草はベイトフィッシュにとっての隠れ家になるのと同様、バスにとっても格好の隠れ家になる。釣り人によるプレッシャーが高ければなおさらだ。その意味からも水草エリアは重要なポイントなのだ。さらにその植生密度に注目することにより、水草エリアの中を狙うべきか、外を狙うべきかが判断できる。何でも中がいい訳じゃない。

これからは水草の密度にも着目して釣りをするとしよう。

49.琵琶湖底層の溶存酸素濃度と台風の関係

前回前々回に引き続き、台風19号の琵琶湖底層に与えた影響を考えてみたい。元資料は滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの琵琶湖の水質調査データである。
 https://www.lberi.jp/learn/biwako/water

前回の考察で、今回の今津沖中央底層部に生じた溶存酸素濃度の飛躍的上昇は、台風の強風による全層循環とは言い切れないのではないか、という疑問点を提示した。もっと長いスパンで比較しなければならない。そう考えて同データの10月第1週から第2週の間の底層の溶存酸素濃度を、年度毎に比較した。

琵琶湖底層

琵琶湖環境科学研究センターの公開データから10月第1週から第2週の間の底層の溶存酸素濃度をプロットしたものが上図である。琵琶湖第一湖盆の底層部の水は一年を通じてほぼ固定され、初春に湖水温が最低となり全層循環を発生するまでは、水温も溶存酸素濃度も急激な変化は示さない。この場合には10月第1週と第2週の間の溶存酸素濃度は変化を示さず、図の青点と赤点はほぼ重なる。春になってターンオーバーが全層に渡った時、初めて底層の溶存酸素は増加し、グラフは上方に動いていくことになる。
そこでは2019年を除いて、この期間に大きく溶存酸素濃度が変化した年度はない。2019年のデータだけが10/12に飛来した超大型台風19号の強風のために底層水が循環し、10/7と10/16の溶存酸素濃度に飛躍的な変化が生じた、とされている。

ちょっと待て。超大型台風なら2019年以前にも飛来している。記憶に新しいのは2017年の台風21号。近年では初めてとなる超大型台風の来襲として話題となり、全国で10名もの犠牲者を出してしまった。この台風の上陸は2017/10/23。上図のタイミングのもう一つ後のデータを調べればよい。
すると、

台風

2017年は、2019年と同様の飛躍的変化を示していたのだ。その後、2017年の底層の溶存酸素濃度は3.6mg/Lまで漸減したが、湖底水温が例年よりも高い8℃程度であったため、翌年の1月中旬には全層循環に至っている。

今年のパターンと非常によく似ている。この10月の台風直後に表れた湖底水の溶存酸素濃度の増大を「全層循環」と言っていいかは疑問だが、比較的湖底水温の高い2019年にあっては、来年の早い時期に全層循環を迎えるのではないだろうか。

つまり今年の琵琶湖の様相は2017年に非常に類似しているのだ。琵琶湖をホームレイクとしている諸君は2年前のことをよ~く思い出してみるべきだろう。
・バスはどこで釣れた?
・どうやって釣れた?

それらを思い出せば、これからの季節を先回りしておいしい釣りができるかも知れない。

真のデータフィッシングとはそう言うものだ。先週どこでバスが釣れたなんて言うネット情報を追いかけまわす事じゃない。
俺はそう思うよ。

48.琵琶湖水深別水質調査における溶存酸素濃度

前回は京都新聞に掲載された記事についてコメントしたが、その元データは滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの琵琶湖の水質調査データだ。
 https://www.lberi.jp/learn/biwako/water

滋賀県琵琶湖環境科学研究センターでは毎月2回琵琶湖の水深別水質調査を実施しており、随時データを公開している。京都新聞の記事は2019/10/21までのデータについて述べており、10/16の時点で第一湖盆底層溶存酸素濃度が一気に上昇し、例年並みとなったとされていた。これは10/12に通過した台風19号による強風のため、全層循環がなされたためであると推測している。

しかし私は、全層循環であれば表層温度も一気に下がっているべきだと考え、その矛盾が引っかかっていた。今回、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの全データを入手し、再検討してみた。ここには10/21以降のデータも含まれている。それを京都新聞と同じフォーマットでグラフ化した。

琵琶湖循環

2019/10/16のデータでは確かに、それまでの底層の溶存酸素濃度は例年に比べ大きく下回っていたものが、2018年の同時期のそれに追いついた形となっていた。しかしその後の推移を追跡すると、11/9時点では再び2018年データから大きく下回る数値となっている。
そこで同地点の水温データについて比較した。今津沖中央部の表層(0.5m)と底層(水深90mの底から1m地点)の水温の変化を下図に示す。

琵琶湖水温

図には、季節により表層水温が大きく変化しているのに対して、底層水温はほぼ一定で推移している。そして2019年の底層水温は2018年に比べて終始約1℃高くなっている。これは台風19号の通過した10/12前後にあっても変わっていない。

水温から見る限り、10/12に全層循環が起こったとは考えにくい

では2019/10/16の溶存酸素データは何だったのか?仮説をいくつか挙げてみる。

a. データの揺らぎの範囲内
 より長い目で見れば、本年度程度の低酸素状態はあり得ることであり、取り立てて珍しいことではない。
b. 局所的データだった
 局部的なターンオーバーは確かに発生したが、全層をかき回すほどの規模ではなく、全体としての溶存酸素濃度は台風前に戻っていった。
c. 誤測定
 台風により測定器・送信機等に異常が生じ、誤差を含んだデータが測定された。

私としてはa.の可能性が高いように思えるのだが。。。
もう少し追跡調査してみよう。

47.「琵琶湖、台風19号の強風で深呼吸」の持つ意味

11月20日付けの京都新聞に
琵琶湖、台風19号の強風で「深呼吸」 接近後に酸素濃度一時回復
という記事が掲載された。
biwako.jpg
                (京都新聞 11/20配信より転載)

憶えているだろうか? 昨冬の高温の影響で、今年の初春に琵琶湖は全層循環が発生しなかったのだ。北湖今津沖の第一湖盆と呼ばれる100mを超える最深部の水まで、表層の水が循環することなく春を迎えてしまっていたのだ。詳しい考察は「琵琶湖がターンオーバーしていない事の影響について」で述べている。
この時に指摘した通り、第一湖盆の湖底ではイサザやヨコエビが死滅し、その死骸が発見されていると言う。私は合わせて、ベイトフィッシュの分布にも影響を及ぼし、それは即ちバスの居場所にも影響するのではないかと指摘した。今年のこの水域でのバスの釣果がどうであったか情報を持っていないが、少なくとも底層生態系への影響は大きかった。

その第一湖盆が台風19号の影響により湖底水までターンオーバーしたのだ。例年であれば秋の進行に合わせて、湖の表層部から次第に水温が低下し、次第に深部にまで及んでいくフォールターンオーバーが、今年は10月12日の台風の日に一気に湖底部まで進んだことになる

フォールターンオーバーという現象については、バサーであれば今さら、という感じであろうが、「3.琵琶湖における水温、水流の年間変化」で詳しく述べているので、ご興味あればリンクをたどってほしい。
この変化が一日で終了してしまったことになる。

琵琶湖の秋冬の釣りは一変するんじゃないか?
少なくとも台風一過で濁ってしまった湖水は、実は雨風による濁流の流入によるものだけでなく、湖底からのターンオーバーによる濁りが加わっていたのだ。気が付かなかった!

台風以降の釣果って例年と比べてどうなっているのだろうか?
ただ、よく分からなないのは、溶存酸素濃度は湖底水まで混ざり合ったことを示しているようだが、その割に水温が変化していないこと。知りえた限りでは、台風前後で少なくとも表層水温は20℃前後で変わっていない。琵琶湖の湖底水は1年を通じて約5℃。これが全層循環していれば、表層温度も一気に下がっていいはずだが?

もう少し考えた方がよさそうだ。

46.バスとベイトフィッシュの遊泳能力比較

44.バスの遊泳能力はどれほどなのか?」「45.魚類の遊泳速度と遊泳能力」でブラックバスおよびベイトフィッシュであるアユやブルーギルなどの遊泳能力についての文献を紐解いた。では問題の核心である「バスはベイトフィッシュより遊泳能力が劣っているのか?」について分析していこう。

「44.バスの遊泳能力はどれほどなのか?」で示されたブラックバスの遊泳能力を表す指数は、17.0cmのバスについて実測された瞬間最大遊泳速度
Burst speed=98.6 (cm/sec)
がある。また、このサンプル魚の耐久速度をmatsunagaらの示したFig.3から読み取ると、
Endurance speed=45.9 (cm/sec)
となっていた。

これを「45.魚類の遊泳速度と遊泳能力」の図-2上にプロットしてみよう。

45-図2c

元文献の塚本・梶原(東大海洋研究所)は種々の速度についての遊泳時間を測定しているのに対して、オオクチバスの実験を行ったMatsunagaらのデータは2点だけ。また元々実験系が異なるので両者のデータを同一視することはできない。それを承知で比較すると「17.0cmのバスの遊泳能力はブルーギル以下、キンギョ以上」となる。

では40cmのバスではどうなるか?
「44.バスの遊泳能力はどれほどなのか?」では遊泳速度は体長に比例するという立場を取っている。そこから単純計算により求めた瞬間最大遊泳速度と耐久速度は、
 Burst speed=232 (cm/sec)
 Endurance speed=108 (cm/sec)
これまた無理を承知で図-2上に破線でプロットしてみた。

45-図2d

バス最強!
いやいや、これは無理がある。17.0cmのバスのデータは信頼できるにしても、それを40cmのバスに延長しようとした「遊泳速度は体長に比例」という原則は、ここでは成立しないと見るのが正しいだろう。前述の通り実験系も違うのだし。


こういう時には他の文献を調査するのが常道だ。すると「魚道の設計に資する淡水魚類の耐久遊泳速度」(鈴木(建設省東北地方建設局河川情報管理官),土木学会論文集 No.622/Ⅶ-11,1999.5)が見つかった。

鈴木は種々の魚に対して実物大の試験用魚道における耐久遊泳速度を測定した。ここではその速度で60分間遊泳させた時に複数のサンプル魚が100%その速度に留まれた時、その速度を耐久遊泳速度と定義した。魚種はイワナ、ウグイ、オオクチバス等の12種。これを種々の速度に設定した試験水路で遊泳させ、60分間でどれだけの魚がそこに留まっていたか、あるいは流されていったかを観察した。サンプル数は様々だが、オオクチバスは10尾、ウグイは50尾を放った。

その結果の一部を図-10に示す。

46-Fig1.jpg

オオクチバスであれば45cm/sまでは全サンプル魚が水路に留まったが、70cm/sになると1匹も留まれなかった。即ちバスの耐久遊泳速度は45cm/sとなる。イワナ・ウグイは85cm/sなら100%、100cm/s以上となると0%となる。

バス、耐久力無!

このようにして求めた耐久遊泳速度が以下の通り。

46-Table1.jpg

バスはやはり最低ライン。小さなホンモロコやカワムツにも劣る。ちなみにカマツカの耐久遊泳速度がやけに高いが、これはカマツカが底面にへばり付いて頑張っていたため、流されずに済んだという事であり、そこで泳いでいた訳ではない。念のため。

このオオクチバスの耐久遊泳速度はmatsunagaらの求めた17cmのバスのEnduranse Speed=45.9cm/sとほぼ合致する。

では魚の体長と耐久遊泳速度の関係はどうであろうか。
鈴木は実験結果を図-12としてまとめた。オオクチバスのデータについて見やすくするため赤マークで表した。

46-Fig12b.jpg

図上には耐久遊泳速度:Veに対して、魚の標準体長:SLとの関係を1次式で表した2本の直性が引かれている。すなわち
Ve=5 SL と Ve=1.7 SL
確かにこの2本の直線の間にデータはほぼ収まっているが、かと言って単純な相関関係があるようには見えない。実際、10cmのオオクチバスは耐久遊泳速度=65cm/sなのに、30cmのオオクチバスは55cm/sとなっている。

もちろんサンプル数不足によるデータの揺らぎの影響もあろうが、単純に「体長と遊泳速度は比例する」とは言えない。それは耐久遊泳速度にも最大遊泳速度にも言える事だろう。

鈴木はここに体重や体形の影響を勘案した実験式を導入して説明しているが、今ひとつ私自身が納得できていないので割愛する。興味のある方はこのリンクを参照されたし。


長々と述べてきたが、要は40cmクラスのバスの最大遊泳速度は求められていない。「44.バスの遊泳能力はどれほどなのか?」では、40cmのバスの最大遊泳速度を232 cm/secと推論したが、どうも不適正な値だったようだ。実際にはそれよりかなり小さい値になるだろう。

ちょっと面白いので、さらに追跡調査してみる。

45.魚類の遊泳速度と遊泳能力

(塚本・梶原(東大海洋研究所),水産土木 Vol.10 No1, 1973)


前回の「44.バスの遊泳能力はどれほどなのか?」に続き魚の遊泳能力についての論文を読解する。塚本らの研究は1973年。多くの研究に引用されている論文だ。ベイトフィッシュの泳ぎがバスと比べてどう異なっているのか、紐解いていく。
なお混乱を避けるため、論文中の記号等は「44.バスの遊泳能力はどれほどなのか?」のものに統一した。

(黒字:原文 青字:ころた


現在、多くの場合に使用されている魚の遊泳速度としては、瞬間最大遊泳速度最大持続遊泳速度の二つがある。前者はごく短時間だけ維持できる遊泳速度で突進速度(Burst speed)、あるいは単に最大速度ともよばれ、後者はかなり長時間遊泳を維持できる速度の中で最大の速度で耐久速度(Endurance speed)と称されている。

多くの魚類では突進速度は10TL/s前後で(TL :測定魚の体長(cm))、サケ科やサバ科の魚類は10TL/sをこえる値をとる。また、耐久速度は一般に2~3TL/sであるがニシンやサケ科の魚類では3~4TL/sである。

任意の遊泳速度で魚を長時間遊泳させることのできる装置を使用して、各遊泳速度(Ⅴ) における遊泳持続時間(t)を測定し、遊泳速度を横軸に、遊泳時間を縦軸にとってグラフにプロットすると、多くの魚ではⅤとiの関係を示す遊泳曲線が得られる。図一2に淡水魚5種の遊泳曲線を示す。
曲線の高速部分ではⅤに対してtの変化率は小であるが、ある速度以下にすると急にtが増大する。

45-図2

補足するとアユの場合では、瞬間最大遊泳速度は170cm/secに達するが、それを維持できる時間は数秒間となる。同様に135cm/secの速度においても持続時間はせいぜい50秒程度。それよりも低速では持続時間は急激に増え、110cm/secなら1800秒間泳ぎ続けることができる。
対してブルーギル瞬快最大速度110cm/sec、1800秒間泳ぎ続ける最大持続遊泳速度は55cm/secでしかない。まともなアユは絶対にブルーギルには捕まらない。バスは?それは後ほど。

魚の遊泳能力は瞬間最大遊泳速度と最大持続遊泳速度の両方を勘案すべきという観点から、遊泳能力を各遊泳速度における遊泳時間の総和であると考えると、
遊泳曲線によって囲まれる面積が遊泳能力に相当する(図-4)。

45-図4

45-Vt
遊泳能力は①式をt=0から耐久速度の測定単位とした60分, t=3600までの定積分で表わされる(図-4)。すなわち
45-ΣV
によって計算される。②式によって実際に計算された値は、多くの魚で10000以上になるので10000でわった値をとり、これを遊泳能力指数(SAI : Swimming Ability Index)と呼ぶ。図一6にSAIを用いて表わした遊泳能力と体長の関係を示した。

45-図6

例えて言えば、陸上選手に100m走を走らせた後、引き続いて1時間の長距離走をやらせ、合計1時間で走った距離をSAIとしたようなもの。高校のマラソン大会にも必ずいるよね。最初の100mだけダッシュして、後はチンタラ走る奴。少し頭を使えば「最初にダッシュしたってトータルは変わらないじゃん」と考えるけど、ここはあくまでインデックスだから。それにここでの魚はBurst SwimmingとEndurance Swimmingは分けて測定しているから。10種競技に近い考え方かな。

当然、魚の体調が大きくなるほどSAIは大きくなる、すなわち遊泳能力は高くなる。これは前回「44.バスの遊泳能力はどれほどなのか?」でも紹介した通り。しかし魚種による差も現れており、図-6の範囲内ではアユが最強となる。


ではブラックバスは?
次回はブラックバスと他の魚種の遊泳能力を比較し、どんな魚のどんな状況ならバスが捕食できるのか、しようとするのかを考えたい。

台風19号による利根川下流域への影響

台風19号の犠牲になられた方のご冥福をお祈りすると共に、被害にあわれた皆様をお見舞い申し上げます。実際に私の会社の宮城事業所の従業員の中にも、被害にあわれた方が多数いました。改めて水害の恐ろしさを実感しました。

私のホームレイクである利根川下流域も例外ではありませんでしたが、豊かな田園地帯に洪水の被害が及ばなかった事は不幸中の幸いでした。
あの日、霞ヶ浦・北浦をはじめとする利根川下流域はどのような状況なのか、その後どうなっているのかを調査しました。

large.jpg

まず史上最強と言われた台風19号の進路ですが、静岡に上陸し関東・東北を縦断するという最悪のコースをたどり、各地に大雨を降らせました。10月17日時点で死者77名、堤防の決壊は、59河川の90か所に上っています。  (国際気象海洋(株)提供
その雨量は神奈川県箱根町では12日の降水量が922.5ミリに達して国内最高記録を更新したのをはじめ、各地で記録的な大雨となりました。土浦気象台では10月12日の降水量が135mm、最大風速13.0m/secと記録されています。霞ヶ浦・北浦からは雨の芯は外れたのですね。

この影響を受け霞ヶ浦・北浦の水位は以下のようになっています。

グラフィックス1
国土交通省 川の防災より引用 

霞ヶ浦河川事務所のTwitterを見ても、利根川下流域は洪水を逃れたようで、何よりです。

それでも湖岸や河岸のコンクリート護岸は全て水没しました。1017日現在でもまだ水没したままです。

また常陸川水門は台風来襲時には高潮のため閉門されていたのですが、かなりの量の海水が水門を越えて常陸利根川に流入した模様です。その後の開門操作により海水の影響はなくなったとは思いますが。

 

では水質はどうだったのでしょうか?

同じく「川の防災」のHPから追っていきます。地点は「41.北浦で何が起こっているんだ?」でも紹介した北浦の安塚を取り上げます。

グラフィックス2

10/12 21時に台風19号により暴風雨圏となった北浦は、瞬時に濁度が上昇しCODも高まりました。水温、PHはこの時点では微動の範囲。10/13以降は濁度とCODは平常値にむかって減少し、PHは台風前よりも低下しています。水質的には魚類には好ましい状況となったと言えるでしょう。少なくとも「41.北浦で何が起こっているんだ?」で紹介したPH11.9などという悲惨な状況ではありません。

ちなみに北浦上流部の湖水がこのPH11.9という強アルカリ性の状態をいつ脱したのか、恥ずかしながら追跡できていません。我ながら飽きっぽいと言うか、無責任と言うか・・・

 

 

さて、一応釣りブログなので「では利根川下流域でどのようにバスを釣るんだ」という観点で考えてみましょう。この非常時に何を呑気なことを言っているんだ、と言うお叱りはごもっともですが、当分は空想上の Rocking Cheir Fishing ですのでご容赦下さい。

 

上述の通り水質的には、特に北浦上流部は劇的と言っていい程、改善しました。また(元々、霞・北では影響は小さいとは言え)フォール・ターンオーバーも一気に解消したと言っていいでしょう。水温は約20℃とこれも絶好。

また周囲の田んぼもすでに稲刈りを終えていて水はとうに抜かれているため、田んぼからの濁水の流入は多くないでしょう。あるとすれば収穫期である蓮田からの泥水の影響。しかしこれも逆に大量の雨水に薄められたのではないでしょうか?

 

こう考えるとバス釣りには良い条件ができたことになります。秋の乱食いシーズンに一気になだれ込んだことが期待できます。

ならばバスはベイトについて動き、さかんにフィーディングするのではないでしょうか。肝はベイトの位置だと考えます。5060cm上昇した水位は当分このままでしょう。すると今まで繁っていた岸沿いの水草は水没している。ベイトはここに集まっていると見ました。そこでは身も潜めるし、小さな虫などの餌になるものもある。通常は水深030cm程度だった超浅瀬も、今は1m近くあります。バスは十分に入ってこられる。

まずはこういったエリアを狙いたい。霞ヶ浦、北浦の水草エリアです。

 

支流や常陸利根川本流はさすがに流れに翻弄されてしまったのではないでしょうか。台風の最中はバスも本湖のディープやワンドの奥に逃げ込んでいたと思われます。そこから元居た場所に積極的に戻ってくるのか? 戻るべき要素があれば戻るでしょう。それは水温、水質、ベイト。しかし、どれをとっても今の時点でバスが積極的に支流等に戻るとは思えません。

私なら支流・本流は選択肢から外します。本湖一本勝負

 

 

今回は最初のお見舞い文から始めたので、終始「ですます」調になってしまいました。我ながら違和感がありますね。次回は元のぶっきらぼうな文体に戻します。あしからず。


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