プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

千葉県でアカゲザルの混血種57頭を駆除 : これじゃナチスだ

2/20のニュースには驚かされた。千葉県の高宕山自然動物園で飼育していたニホンザル164頭のうち、57頭が特定外来種のアカゲザルとの交雑種であることが分かり、駆除された(すなわち殺された)というニュース。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170220-00000068-asahi-soci

アカゲザルやその交雑種は生態系に悪影響があるとして、外来生物法の規制対象になっており、同園で飼うことは認められていない。よって殺処分であり、駆除した上で慰霊祭を執り行ったとのこと。
ちょっと、いやかなり驚いた。サルだよ、サル。人に一番近い動物の存在を法律が許していないという理由で殺すのか。バスを巡る議論にも通じるものがあるが、これはナチスの純血主義となんら変わらない。ブラックバスがアカゲザルになり、行きつくところはユダヤ人狩りだ。命はそんなに軽いものなのか?一方の命を奪うことで得られるものって、そんなに大きなものなのか?

人は他の生き物の命を奪って、生きている。生かされている。動物だって同じだ。みな自分より弱い者を食って生きている。それが自然だ。魚だって昆虫だって同じだ。
でもそこに人が介在すると、自然の摂理から逸脱した行為が生まれる。生きていくことに関係のない部分で、他の生き物の命を奪っていく。我々釣り人だって、己の楽しみのために魚の命を時には奪う。それでもその命を己の糧にするのなら、釣りは自然の中に組み入れられると言っていい。だから魚と言えども、命を無駄にするな。
対してこの「生態系を守る」という旗頭の下に行われる殺処分はどうか?近い種の間の交雑なんて自然界で普通に行われてきたことだ。じゃなきゃ人間なんて今の姿をしていない。それに現代に生きている家畜は全て交雑の結果だ。純血種なんてどこにいる。そしてそれら交雑種に生きる権利はないと言うのか?在来種の純血を守るなんて、学者の自己満足だけだろう。いつまで、どこまで続けるんだ?道産子がサラブレッドと交雑したら殺すのか?バンドウイルカがシロイルカと交雑したら殺すのか?日本人とロシア人の交雑はいいのか?そのうち彼らの言う日本人純血種なんていなくなるぞ(どれを純血種と呼ぶのかさえ分からない)。

バスの場合は交雑ではなく、食害による在来種の絶滅を恐れての駆除だと言う。ここの議論はまた別の機会にするが、己が生きるために他の魚を食べるという自然な行為の代償が、バスにとっては無駄に、全く無駄に殺されるということになった。バスだって誰かに食われるのなら泛ばれる命が、ただのゴミ扱いだ。
断っておくが私はブラックバスの身勝手な放流には大反対だ。そいつらは外来種を殺して満足している人種と同じように、私は軽蔑する。それもまた命を大切にしていないことに他ならないからだ。だが、そこに根付いてしまった生き物を、無駄に駆除するなんでことはすべきではない。

人間という種は本当に身勝手だ。楽しみのために他の命を奪う。自己満足のために他の生物を滅ぼす。己の都合のために同じ種とさえも殺し合う。最低の動物だ。
 

霞が浦は今日も寒かった(後編) 17’02’21

霞が浦は今日も寒かった(前編)」に続き、ヘタレ釣行の後編。

風はますます強くなる。気温は一向に上がらない。プランは大崩れ。さてどうするか?まっとうならドックの中狙いか。面白くないな。じゃあ堤防の陰になるような小河川。それじゃ当初の戦略と全く合致しないだろう。「スポーニングを意識し始めてディープから上がってくるバス」の狙いはどうした?人の都合より魚の都合を考えるんだ。白波が立つような状態でバスはどこに身を寄せる?ディープに戻るか、複雑なストラクチャーか。霞でディープが近くてストラクチャーがあるのはどこ?
という推論から、常陸利根川の牛堀テトラに絞り込んだ。このテトラ奥から根魚のようなバスを引っ張り出そうという戦略だ。

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13時、午後の釣行開始。風は強く冷たい。常陸利根川には白波が立つ。確かにテトラが入っているし、足元から水深がある。1.5m~2m。テキサスやラバジを落とし込んでいくが、反応なし。少し沖目もチェックしたが、ダメ。ダメなものはダメ。半ばヤケを起こしてクランクを投げまくる。下流に向かう風に乗ると飛ぶこと飛ぶこと。おかげで2ケ、ロスしました。
ここまでノーバイト。何が間違っている?またも反省タイム。エリアが違う?確かに水面は揉まれていた。川は流れていない。ほぼ満水。ここの水温は6℃、低い。水底の水温を計っておくべきだった、反省。この状況で2m下の水は荒れているか?たぶん大丈夫と判断して、ここにやってきたのだ。それが間違っているのか。バスはテトラ陰にはいないと言うことか。
あるいは釣り方か。この日はテキサスとラバジでリアクションバイトを意識しての釣りを押し通した。イジイジとツネやネコはやっていない。そっちじゃないとダメなのか?

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15時、上り。もういいや、寒いから帰ろう。タックルをたたんで大栄インターに向かった。常陸利根川を再び渡り、横利根川に沿って西に走る。水郷大橋で利根川を渡ればインターはすぐだ。が、その手前に横利根閘門があった、幸か不幸か。まだ時間は早いし、もう1,2投していくか。

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ここは好きなポイントだ。マンメイドストラクチャ、芦原、チャネル、オダ、シャロー、岬、etc. いろいろな要素が点在して、戦略ごとのポイントが選べる。でも今日は・・・。おまけで来てしまった所だ。閘門の西岸に立って見回せば、上流から閘門に叩きつける北風に、水面は白波が立っている。水温6℃。流れなし。魚の姿はもちろん見えず。でも、閘門の東の際ではカモメがさかんに水面にアタックしている。ベイトはいる。
よし、水門際のチャネルから、閘門壁に沿ってルアーを泳がせよう。まずは表層狙い。シャロークランクの遠投。ルアーが北風に吹き飛ばされてコントロールが効かない。まあいい、広めに探る。カモメは東岸側にしかおらず、そこまでルアーを送り込めない。ポイント選択を誤ったか。
反応のないままルアーをスピナベにチェンジ。上から下まで閘門際を流す。フォローでジグヘッド+グラブ。あらゆるものが沈んでいて、ルアーをロスった。

やっぱダメだな。優雅に泳ぐ白鳥のカップルを横目に、16:30 横利根閘門を後にした。

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霞が浦は今日も寒かった(前編) 17’02’21

ロッキンチェアー・アングラー、遂に湖に出る!

釣りブログで釣りに行くことがそんなに珍しいのか!というツッコミは甘んじて受けよう。2017年初釣行は霞が浦。「ロッキンチェアー・アングラーの1日」でさんざん北浦展望を書いておきながら、何故霞?とのツッコミも、これまた甘んじて受けよう。理由はある。積極的理由と消極的理由。消極的理由から言えば、
1) 日曜日に突然、どうしても釣りに行きたくなった。釣り人心理とはそんなものだ。月曜は外せない用件がある。釣行は火曜日2/21とした。
2) 前日、所用があって夜遅くまでウダウダと起きていた。要は寝損ねた。え~い、そのまま行ってしまえ、ということで夜12時に家を出た。
3) でも寝ずで湖に出たくはない。そこで霞水系近くの日帰り温泉で仮眠をとることにした。それがここ、茨城県稲敷市の「あずま健康センター」。朝8時までいられて2000円。釣り宿代わりに悪くはない。 ここからなら霞が浦だ。
という事で霞の下流域西岸になった。

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積極的理由だってある。
1) 2/17に春一番、2/20に春二番が吹いた。しかし2/21は一転、寒い北風の日になるとの予報。作戦を練った北浦に強い北風を避けられる場所は少ない。ここは断腸の思いで北浦を捨て、霞が浦に賭けよう。
2) であれば、南に開けたシャローを持つワンド。土浦まで上るか、小野川か和田公園か。ここは当日のシチュエーションが変わることも考え、要素の多い和田公園をチョイスしよう。
となった。よし、朝一は和田公園だ。

夜中の3時近くに着いて、一風呂浴びて仮眠を取った。いや仮眠のつもりが8時に追い出されるまできっちり寝てしまった。何ともやる気がない奴だ。とにかく和田公園に向かう。和田公園、実は初めてきた。いい所だ。公園になっていて駐車場完備。和田岬がワンドを囲むように延びていて、その鼻は葭原。ワンド内は杭や障害物が点在していて、ワンドの奥にも葭と沈船。ドックもある。ただしその沈船廻りとドック内は釣り禁止。沈船廻りはアサザの自生地とのことで、「あさざ基金」なる団体が釣り禁止にしている。このあさざ基金には異論百出のようだが、まあここは大人の対応をして、立て札を無視してまで釣ることはしない。

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いや、そんな事を言われるまでもなく、当初の戦略は「ブレイク沿いにシャローに上がろうとしている食い気のあるバス」なので、ここはワンド奥ではなく入口、すなわち岬廻りだ。まずは写真の左手奥の葭原の先を狙う。しかし寒い!昨日の温かさが嘘のよう。釣行開始の9時の気温は2℃、水温は7℃であった。風は北から5,6mだろうか、冷たく強い。苦戦を予想させる。
狙いは手元ではなく沖。まずは重みのあるスピナベ。フォローでヘビキャロ。障害物が多い。バスが付くような障害物というより、根掛りしたラインではないか。反応は皆無。念のため手元の芦原もチェックしたが、やはり反応なし。

次にドック廻り。左に開いているドックの澪筋をこれまた遠投系で攻めた。どうも匂いがしない。
入れないドックの右側に回り、手前から堤防際をチェック。思ったより浅い。ショートスプリットでズル引き & ジグヘッドで水底を叩く。反応なし。ドックの右手の堤防際をチェックしたところで昼近くなり、ランチを潮時に場所移動。

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ここまでノーバイト。何が悪いのかをレビューせねば。
昨日は春二番。温かい南の強風。今朝は一転して冷たい北風。シャローは翻弄されたことだろう。水温も上下するし、濁りも入っている。水面は白波が立ち始めている。この状況でシャローに魚がいるか?全く見えない。バスはおろかベイトも。唯一、沖目30m付近にカイツブリが群れている。やはり魚は手元ではない、沖目のブレイクラインだ。ここまではよし。
じゃあルアーか。スピナベはダメ、クランクも無反応。もっとスローなのか。じゃあヘビキャロは?だめ。カイツブリがいる所をみると、ベイトは浮いているのか。するとバスも表層~中層?あるいはここにはいない、もしくは食い気が全くない。
午後はどうする。濁りやすく水温の上下するシャローエリアは捨てよう。水温が安定していて、波の避けられるストラクチャがあって、ネストエリアにアクセスしやすい場所だ。よし、本流のテトラにしよう。

決まった、昼飯を食ったら午後は常陸利根川の牛堀テトラに直行だ!
   (後編に続)

13.さくら湖(三春ダム)の水位低下がオオクチバスの繁殖に与える影響

(応用生態工学6(1),2003;斎藤ら)

 一昨日、関東には春一番が吹いた。待ち望んだ春はすぐそこ。釣り人もボチボチロッドを出そうかな、という季節だ。(もちろん冬なんぞに負けないモノノフもおる) お魚界では1年で最大のイベント、スポーニングに向けて準備を始める。待ってました!
 ではここで、スポーニングの真実を探る文献をご紹介しよう。斎藤らは、福島県のさくら湖の増減水がバスの繁殖に与える影響について調査した。そこには湖の水位と水温、他の魚種の繁殖期との関係等が書かれている。

 「湖沼の水位変動がオオクチバスの産卵や仔の保護などの繁殖活動に与える影響についての報告はほとんど無い。本研究では、さくら湖(三春ダム)において洪水期に向けたダムの放流に伴う水位低下がオオクチバスの繁殖に与える影響を把握し、繁殖期を決定づける最も強い要因と考えられる水温との関係について検討した。」

  まずさくら湖の位置だが、福島県田村郡、郡山市の東10kmの山間、阿武隈川の支流となる大滝根川のダム湖である。湛水面積2.9平方km。(Fig.1)このさくら湖において投げ網による魚類の捕獲を行い、バスおよび他の魚類の数量変遷を調査した。

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 その結果、「試験湛水前から継続した捕獲調査の結果、オオクチバスは侵入直後に増加し、特に水位低下のない前貯水池において激増する傾向が認められた。侵入直後に増加したオオクチバスは、すぐに減少する傾向が全水域に共通して認められたが、オオチバスが激増した前貯水池では、本種の被食魚が激減し、オオクチバスが減少してもその傾向が継続することが示された。」

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「その後、2000年からは蛇石川においても捕獲個体数が減少したが、そのいっぽうで、モツ ゴPseudorasbora parvaや タモロコGnathopogon elongatus elongatus等のオオクチバスによる被食魚となり得る魚種の個体数も減少していた(Table.2)。 」
つまり、水位低下前は産卵直前の個体と産卵途中の個体が混在して確認された。」

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「成魚の生殖腺分析、当歳魚の耳石輪紋計数の結果、さくら湖における繁殖期は、日平均水温が15℃から21℃に上昇する5月上旬から6月下旬であると推定された。水位低下後に採取した当歳魚には、水位低下中の前貯水池で孵化した個体が含まれなかったことや、水位低下中の湖岸で孵化後20日程度の当歳魚の群れが水際で死亡していることが確認される など、オオクチバスの繁殖期に合わせた水位低下が本種の繁殖を抑制するものと考えられる。以上の結果から、日平均水温が15℃から21℃に上昇する時期に0,27m/day以上の速度で2.5m以上(約9日間以上)水位低下することは、本種の繁殖抑制につながることが推察された。」

 本論文の結論は上記の通り。バスの繁殖をダム湖の水位調整により抑制することが目的であるので、その意味で当初の目的は果たせたと言える。我々バサーの着眼点はむしろその周辺情報にある。例えば、

「オオクチバスは水温が16~20℃ のときに、水深が1~2.5mの砂礫底に産卵するとされている(西原・三栖)」
「さくら湖では5月上旬~6月中旬にオオクチバスが産卵,孵化しており、産卵期のピークは水温が18.0℃の頃と考えられる。モツゴは4月上旬~7月上旬に水辺のヨシの茎や竹木類、石面および貝殻の内外面、キンブナとギンブナは3月下旬~6月下旬に岸近くのマコモの茎や枯れ葉など水面に浮いているもの、コイは4月下旬~5月上旬に沿岸の水草その他の浮遊物、タモロコは4月~7月にヤナギの根や浮いている水草あるいは板囲いの縁などにそれぞれ産卵する。つまり、オオクチバスが砂礫底に産卵するのに対して、前述の魚種は水草や浮遊物に産卵することが多いので、浮島の構築等により水位低下の影響を受けにくい産卵環境の確保が可能と考えられる。」

 水温18℃、覚えておきましょうね。釣り場には温度計必須ですよ。それにベイトフィッシュの産卵場所、すなわち仔魚の居場所はやはりヨシ・マコモ、浮遊水草になる。この辺は「5. 小魚、稚魚の分布調査」で述べた通りだ。

体長230mm以上の個体が産卵に関与するという山中(1989)の報告を参考に、ここでは便宜上全長200mm以上の個体を成魚とみなし、全長,体長,体重,生殖腺重量を測定し、生殖腺体重比
(GSI=生殖腺重量 ×100/体重) の算出をおこなった。」
「邱ほか(1991)によると、印旛沼では雌のGSIが約6~8に達する4~6月(水温 が18~25℃)が産卵期と推定されている。」

「さらに、本種は平均水温21.0℃では、受精後孵化を開始するまでに64~65時間、孵化後浮上を開始するまでには118~119時間かかり(西原・三栖1989)、自由に泳げるようになるのは、20℃の場合孵化後240時間かかる(Laurence 1969)。従って、この時期に12日間2.5m(0.21m/day)以上の速度で水位低下が起こることは、産卵場の乾出等によって本種の繁殖抑制につながると推察される。」

 バスの仔魚が自由に泳ぐようになるのに、10日間が必要とのこと。その間は親バスが子守をしているのだろう。非常に攻撃的になっているこのバスをあえて打つ!というのも有りだと思うよ。
 えっ?バスの保護に繋がらない?その点については別の場で議論したい。
 

ロッキンチェアー アングラーの1日 Vol.2

 さて、だいぶ釣行の材料も整ったことだし、そろそろ釣りに出かけよう。バーチャルにね。
 まずはバスのシーズナルパターン。2月の末、言わずと知れたプリスポーンの初期段階か。季節の進み方にもよるが、この1週間(2017/02/16現在)は最高気温が10℃を越える日が続いてきた。最低気温はまだ-5℃くらいで寒いんだけど、日照時間が長く日向のシャローはずいぶん温められていると推測される。ならばバスは越冬していた深場(と言っても4m程度)のオダ等から、ネストが作れるようなシャローに上がってこようとしている段階だ。夜昼の気温差、水温差、地点による気温差の大きいこの時期、バスは夜昼で大きく移動していると推察する。ではどこを?

 細長い北浦の東は鹿島灘まで3㎞もない。西側も霞が浦本湖(昔は西浦って言ったけどな)まで、これも3~4㎞。その東の行方市は日本一の蓮根生産地だ。去年の夏の台風は北浦の狭い流域に降り注ぎ、蓮根畑を水浸しにしただろう。当然、そこからは泥水が流れ出し北浦に注ぎ込む。行方市側の中小インレットのコンディションは今年は芳しくないと予想しよう。バスがネストとするような、ハードボトムのシャローは西岸では探しにくいことになる。

 加えて北浦・霞が浦には冬季、西からの季節風が吹き続ける。この地方では「筑波下し」と呼ぶ冷たい西風だ。2月の末、まだ筑波下しは収まっていないだろう。湖面を渡る冷たい西風は湖水を冷やすと同時に、酸素を供給しながら表面水を東岸に寄せる。その反流として湖底近くでは東から西への湖底流が生じるのではないか。東岸の水温は冷たいものの酸素を含んだ新鮮な水が供給され、泥状の堆積物は西岸に向かう固定流に押されて比較的きれいなボトムが出現すると推定できる。
 周囲に目立った山や丘はおろか、大きな森さえない北浦では、風裏と呼べるような地形は存在せず、小さな場所が岬裏や堤防などの人工物の陰になる程度だろう。この小さな地形変化を見逃さないことだ。

 ならば朝方の狙いは東岸の深場からシャローに上がるブレイク。岬の南側をファーストチョイスしたい。 ワンドの奥やドックはセカンドだ。条件に合致するのは北浦大橋南の棚木とか神宮橋南の爪木之鼻なのだが、ここは保護水面だよね。うまくいかないな。しかたがない、ずっと上流の梶山から攻め始めよう。ここにはドッグもあるし、中央部の深場にはオダがたくさん入っている。三和の岬も魅力的だが、ここは初志貫徹。むしろその対岸の葭原を探りたい。いや朝一はここに繋がるブレイクだ。葭原を攻めるのは日が高くなってシャローの水温が少しでも上がってからがいい。
 そして気温水温が高くなりきれば、バスはスポーニングに備えてベイトを追う時間があるだろう。水面を良く観察して、お食事時のバスを手広く探ることにしよう。
 よし、プランはできた。朝方はブレイクをキャロライナかクランク。昼には葭原をテキサスかラバージグ。昼下がりはシャローをハードルアー投げまくり! なんか楽しくなってきたぞ~。

(まだまだ妄想は続く・・・)
 

ロッキンチェアー アングラーの1日

 ロッキンチェアー アングラーという言葉をご存知だろうか。普通は年老いた釣り人がベランダの揺り椅子に座りながら、釣りをしていた頃を思い出して考えを巡らすといった意味だが、私の場合もまさにロッキンチェアー アングラーだ。まだバリバリ現役のつもりだけど、実際に釣り場に出かけられる回数はぐっと減ってしまったので、頭の中だけで釣行する。どうやって?ご紹介しよう。

 まずは釣り場と日時を決める。当然だ。例えば2月最後の日曜日、北浦で午前6時スタートとしよう。すると気になるのは天気、これも当然だ。でも私の場合、当日の天気が気になるのではない(気になるけど)。ここ1ケ月の天気と気温をまず調べる。2月末といえばバスはもうスポーニングを意識している。それがどの程度か、どの段階にあるかを、気温の変化、降水、風、日照から推理していく。
 次にこの1年間の大まかな気象を調べる。去年の夏は暑かったか、秋の台風は多かったか、冬の雪は少なかったか。データは気象庁のHPから、各県の詳細データが参照できる。 2016年であればご記憶の通り、8月9月にまとまって台風が来て、短期間にまとまった雨が降った。夏は暑かったように思っていたが、記録としては夏日、真夏日とも平年より少ないくらいだったのだ。そして日照時間は少なかった。

 さあ、ここからが推理ゲームだ。作夏の台風はバスにどのような影響を与えたのか?その時にじゃなく、今年のスポーニングにだ。ここで地図を広げる。と言っても今ならネットからいくらでも詳細な地図、航空写真等が閲覧できる。yahoo地図には水路図なんてのもあって、私を助けてくれる。便利な世の中だ。では北浦の水源はどこで、流域はどんなことろなのか。山が近く新鮮で豊富な水が供給されてくるのか。逆に短く平坦な中小河川が多いのか。都市排水は?農業用水なのか?工場は近くにあるのか? 流れ出しはどうなっているのか。ダム湖のように魚類的には孤立しているのか?あるいは緩やかな大河に連なるのか。河口が近く汽水域を含むのか。
 北浦の場合、水源地は筑波山の北側の鐘転山という218mの山付近になる。そこから鉾田の流れ込みまで約30km。その他にも多数の河川が流れ込むが、いずれも短い。そして北浦自体も非常に浅く、最大水深7m、面積36平方kmだ。そして鹿嶋市で鰐川を経て外浪逆浦、常陸利根川、最後は利根川と合流し銚子で鹿島灘に注ぐ。かつては汽水湖であった北浦だが、利利根川河口堰完成後は淡水湖となった。 そして周囲には多くの畑、特徴的なのは蓮根畑だ。生活排水や工場排水は比較的少ないだろう。

 ここまで調べるのだって何時間も掛かるよ。ねっ、結構おもしろいでしょ。空想釣行。

(もう遅いから、また明日)

君はなぜルアーで釣りをするのか?

 考えれば不思議なことだ。なんでわざわざルアーで釣ろうとする?
 ルアーのタックルは、特にバスフィッシングはゴルフの道具なみに釣り方により細分化していて、一揃えするにはそれなりの金がかかる。貧乏人の俺でも「My Tools 」で紹介したように、基本セットで6本、その他バックアップも含めれば10組もある。ルアー自体もプラグだぁスピナベだぁワームだぁラバジだぁとキリがない。
 で、釣れるかというと、そうでもない。生き餌の方が断然有利なのは、「オオクチバスの釣られやすさに見られる個体差 」で紹介した通り。
じゃあ何でルアーで釣りしているの?

女の子は言うんだろうね。
「だってぇ、ミミズとかゴカイとか触れないしぃ。臭いしぃ汚いしぃ気持ち悪~い。」
釣りすんなよ!という言葉を飲み込んで、ナウいあんちゃんに聞いてみる。
「そりゃよぉカッコいいじゃん。堤防でゴカイつけてるオヤジ、キモイよなぁ。」
悪かったな。俺だよ、それは。お前らちゃんとゴミ持って帰れよ。
じゃあ同世代のオヤジバサーは何て思っているのかな。
「もちろん釣れるからでしょ。それに釣れた時の満足感が餌より大きい。」
う~ん、そんなもんなのかなぁ。
しょうがない、我が開高健先生に伺ってみよう。

釣りとは、自然に逆らいつつ自然に従うことだ。私は漁師ではない。釣りのプロセスこそが重要なのだ。」

 そう、これなのよ。反自然的な人工物であるルアーで、魚をだまして釣り上げる。しかしそのプロセスでは自然を学び、自然を敬い、自然に感謝しなければならない。いや意味がない。釣り上げた魚に感謝して「また遊んでね」と送り返すのもいい。「おいしく戴きます」と、これまた感謝しつつ命を頂くのもいい。しかし決して命を無駄にしてはいけない。「なんだ雑魚かよ」と言って、岸に魚を放り出す奴を私は軽蔑する。
 だから私はラインブレイクを嫌う。ルアーは可能な限り回収する。釣りにくくても一段太いラインを使う。魚が掛かったままブレイクした時の喪失感ったらない。また命を一つ無駄にしたと。
 だから私は自然を学ぶ。自分の知識が足りなければ、科学文献という頼もし味方がいる。
 だから私は自然を観察する。水、空気、風、太陽、流れ、濁り、気温、地形、山川、田畑・・・。現地に着いてもすぐには釣り始めない。廻りをよく見て、聞いて、触れて、嗅いで、感じて、楽しんでからだ。

で、釣れるのかって?
まだ分かってないなぁ。大切なのはプロセス。結果じゃないんだよ。
(ヒトハソレヲ、マケイヌノトオボエトヨブ・・・) 

続・釣り具業界再編成

 と銘打つほどの情報はないのだが、業界再編の引き金を引いたのはリョービとシマノであろう。
アルミダイカストのトップメーカーだったリョービが釣り具の製造販売を始めたのは、1960年代の後半。噂ではダイワから技術者を引き抜いてリールの開発を行ったらしい。ほどなくロッドも販売され、総合釣り具メーカーとして当時のビッグ2:ダイワとオリムピックを脅かす存在となった。
 しかし2000年には事業の不採算により釣り具から手をひき、リョービブランドは丸ごと上州屋に譲渡されることとなる。現在のリョービブランドの釣り具は、リョービから引き継いだ生産設備により上州屋が製造販売している。ただ、かつての総合メーカーの面影はなく、細々といくつかのスピニングリールを生産しているに過ぎない。

 遅れて自転車部品の雄、シマノが1970年に釣り具業界に進出する。持前のギア技術を核に性能を前面に打ち出したリールは、瞬く間に業界を席巻し、ダイワに迫る地位に上り詰める。ここもほどなくロッドを含む総合釣り具メーカーへと変身し、現在は世界を市場にダイワとトップを争っていると言ってよい。もちろん本業の自転車や機械部品を含めれば、総売上高はダイワを大きく上回る。
 リールについて比較すれば、個人的な印象だがシマノは機械本来の精度性能を高めていくというスタイルなのに対し、ダイワは新素材や新機構をいち早く取り入れていくというスタイルか。どちらも捨てがたい。

 そしてかつてのトップメーカーであったオリムピック。オリムピックは1992年にカメラメーカーのマミヤ光機と合併し、マミヤOPとなった。マミヤのカメラはプロ仕様の6*8等の大中判カメラが中心であったが、その後、別会社へ事業譲渡さてている。同じく釣り具事業も不採算により、2000年に現オリムピック社に工場ごと事業譲渡された。
 かつてのオリムピックといえばリールが代名詞だったのだが、現オリムピックはロッドに特化しているようだ。それでもブランクスから生産できる数少ないメーカーとして、独自性を保っている。
 ではマミヤOPは本来のカメラと釣り具から撤退してどうなったかと言うと、光学技術を活かした紙幣識別機や券売機、パチンコの玉貸機なんかを製造している。

 諸行無常だね。業界再編成はいかにも日本らしく、巨人が中小を飲み込むというよりも、別会社にバトンタッチされていきながら変遷を繰り返していった。メーカーの個性が生き残ったという面では、良かったのかもしれない。

 一方、海外の諸メーカーはと言うと、Pure Fishing にほぼ1本化されていった。スウェーデン・アメリカのABU Garcia, アメリカのPENN, Shakespere, フランスの Mitchell, ロッドではFenwick, イギリスのフライロッド Hardy, お馴染みのBarcley, ラインのSpider, Trilane 、全部 Pure Fishing だ。世界にはあと何が残っているの?ZEBCOとLew's, Falcon くらいか? 今のところ資本統合されただけで、個々のメーカーの独自性は保っているように見える、表面上は。でもどうだろう、普通の経営者なら、資源の合理化とか言って部品や機構の共用を考えるだろうな。

 ABUがABUでいられるのは、いつまでなんだろう・・・
 


釣り具業界再編成

前回繋がりで、もう少し過去の釣り具メーカーのその後を調べてみた。
俺が釣りキチ少年だった頃の日本のメーカーは、今とはだいぶ構成が異なっていた。
①オリムピック → マミヤOP
②ダイワ
あとは中小だな。シマノもリョービもまだ参入していない。
リールなら
 ミヤエポック
 ダイヤモンド
 あのパナソニックも電動リールを出していたんだよ。
ロッドなら
 TFRワールド
 NISSIN

他は思い浮かばない。高級品と言えばABUやMichellだったよな。中学生の時にお年玉を貯めてMichellの410を買えたのが、うれしくって嬉しくって!
まだ持っているんだぜ。見て見て! 45年ものだぁ。誰か買ってくれないかな・・・

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12.ブルーギルの繁殖行動

(「動物の行動と社会」,日高,放送大学教材より)

 今回は男と女のお話です。たぶん釣りには何の役にも立ちません。むしろ人生のお役に立てるのではないでしょうか?(嘘つけ!)

 ブルーギルのオスは基本的には繁殖時になわばり(ネスト)を作り、メスを呼び込んで産卵を即し、卵を保護し育てるという繁殖形態をとる。オス同士はメスをめぐって闘争し、強いオスがよりよい条件で子孫を残すことができる。動物界の鉄則だね。人間界くらいだよ、弱っちいオスでも子孫を残せるのは・・・。

 しかしここに、奇妙なオスが存在する。なわばりを作るオスは通常7歳ぐらいまでは性的に成熟せず、その後3~4年繁殖を続ける。一方ここに、生物学用語でスニーカー(sneaker)と呼ばれる2歳で成熟するオスがいる。彼らはその小さな体では、なわばりオスにかなうはずもないが、ネストに入ったメスになわばりオスの目をぬすんで近づき、素早く精子をかけてそのまま逃げていく。一生懸命ネストを作ったオスはバカみたいなもんだが、そのままメスが産卵した卵を育てることになる。sneakerとは「こっそり近づく奴」、「コソ泥」なんていう意味もある。こっそり歩けるようなゴム靴のことを指すのも、ここから来ている訳だ。
 小さい体を利用して安心感を与え、隙を見てやっちまう。まさに湖のハンバーグ井戸田と呼んでやろう。

 ところがこのスニーカーも5年もたつと体が大きくなってしまい、こっそりメスに近づこうものなら、なわばりオスに攻撃されてしまう。で、彼はどうするか?
 何とメスに変身するのである。いや、性的にはオスのままだが、外見(体色、体型)をメスのように変えるのだ。こうなるとなわばりオスは攻撃するどころか、ネストに招き入れて求愛したりしちゃう。当然、すでにネストに入っているメスにも、このオカマちゃんは容易に近づけるわけで、これまたなわばりオスの隙をねらってメスに精子をかけて逃げて行っちゃう。このオカマちゃんのことを、サテライト(satellite)と呼ぶ。ご存じ「衛星」という意味だけど、「居候」なんていう意味にも使うんだよ。
 女だと思っ安心していたら、オイシイところを持っていっちまう。これぞ野池のクリス松村戦略ではないか!

 このスニーカーという生態は、ブルーギルだけではなく例えば鮭の仲間にも見られる。例えばギンザケの場合は、3歳まで海で育ってから産卵のために川を遡上するオスの「ハナマガリ」が一般的だが、もうひとつ、ジャックとよばれるオスがいる。ジャックは海には半年しかいない(個体によっては降海しない)。外見もハナマガリとは全く異なり、小さな鱒のように見える。この目立たない体をいいことに、こっそり産卵中のメスに近づいて放精するのである。
 こういった繁殖行動はサクラマスやミヤベイワナ、オショロコマなどにも見られる。

 やれやれ、魚の世界も人間界もおんなじだな。いや、人間が魚に近くなってきているのかな?メスをゲットするのも大変だぜ、ご同輩!
 
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