プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から
バスリンク

北浦釣行を反省する

人は考える竿である。
ただ水辺に行ってルアー投げて魚が引っ掛かったと喜んでいては、シャケを取っている熊と変わらない。考えるんだ、感じるんじゃない!(もちろん感じる事も必要なのだ)

さて4月15日の常陸利根川・北浦釣行の結果は、
 バス:1 (40cm)
 ナマズ:1 (50cm)
 ヒット:1
 バイト:2
まあこの時期では情けないの一言だな。言い訳をさせてもらえば、
・1週前から降り続いた雨、それも冷雨
・当日を含め5日間にわたる常陸川水門の開放
・蓮田に植え付けのための注水、攪拌
・強い南風
結果、水はババ濁り、ド減水。
逆に当日のアドバンテージは、
・15時までは快晴。気温は20~25℃
・15時からのにわか雨&雷
それでも対策は打てたはずだ。ろくな戦略もなしに当てずっぽでエリア選択をした結果が上記だ。これをもう一度考えてみよう。

当りが出始めたのは午後。ポイントは2つ。
1) 場所を北浦に移した。常陸川水門は14時まで開放されたが、午後1時の北浦は、午前中の常陸川ほど減水していなかった。濁りは同程度。
2) 気温水温が上昇し、おまけに気圧が急激に下がった。雷が鳴らなければ釣りを続けていたが、おそらくかなり良い状況になったと思われる。

1)は当初目論見の通り。少し考えれば分かる事であり、まさに 「ロッキンチェアアングラー 常陸利根川釣行計画を練る」のまんまだった。俺一人なら絶対に常陸利根川のドックなんかに行かない。まあお客さんの立場で我儘を言っても大人げないけどね。では、どうすべきだったか。あるいは与えられたエリアの中で、どうすればよりよかったか。これは考えておこう。

大きなエリア選定では「釣行計画を練る」で示した通り、横利根閘門か与田浦だろう。これは当日の常陸利根川の様子を見ても変わらない。問題は強い南風か。横利根閘門なら水門際や北岸のワンドの奥なら、風をよけられそうだ。
与田浦はちょっときびしいな。まあ人の都合じゃなくてバスの都合を考えれば、そんなに悪い風じゃない。ただ釣りにくいだけだ。ならばどこにするか?北浦の様子を見るとバスはもうネストを作っている。そして 「14.移植されたコクチバスの繁殖特性」 で示したように、バスはネストを1mラインのカバーの近くに作る。であれば、狙いは与田浦最上流部、水生植物園から続くシャローの乱杭エリアだ。ネストのバスならフィネスにする必要はない。現に今回俺は全くフィネスをやっていないが、バイトはあった。ならば強風下でも釣りになる。
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逆に、与えられた北浦のドック廻りに限定したら、何ができたか。あながち打った手は間違ってはいなかったと思うよ。すなわち
・澪筋とブレイクラインのクランク&スピナベ
・芦際に逆ウェッピング
・石積み際にラバジ+ストレートのコンボ
強いて上げれば芦際攻撃を徹底できなかった事。あの強風下の逆ウェッピングは正直きつい。1ozでもきびしいわ。それに北浦の下半分の東岸に、ニーブーツ程度でアプローチできる芦エリアはあまりない。ウェーダーがあれば楽しいだろうね。

今週末は良さげだね。また強風に悩まされそうだが、気温水温ともにさらに上昇していて、おもしろそうだ。
あ~、今週も行きたい!!

ロッキンチェアーアングラー 北浦を攻める


「下流はだめだ。北浦まで上ろう。」
と言う事で午後は神宮橋から西岸を上っていく。まずチョイスしたのが新宮ドック。神宮橋から釣りのできる最初のドックという安易な選択理由。う~ん、俺がバスならこんな所にはおらず、対岸の爪木之崎に行くね。あそこまで500mはひと泳ぎ。
とは言うものの水は常陸利根川よりはだいぶいい。ちょっとやる気を出して水門から続く堰堤際を攻める。クランクベイトが1本、あとは必殺の下ラバジ 上ツネ(レギュレーション違反ってか)。だってアラバマジグがOKなら、これもありでしょ。使い方は大き目の上下動。ラバジをバスに見せておいてからのツネ。もしくはその逆。いわば一人時間差攻撃

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で、これがさく裂!ついに来ましたよ。遅ればせながら今シーズンの1本目(釣行は2回目ね)。堰堤際でラバジにトンッと小気味いい当たりをして、40cm弱のバスがヒット!。残念ながらカメラが起動せず写真はなし。綺麗な魚体のプリスポーンバスだった。
一方、釣り堀隊は2人がバイトを感じたらしいが、1人はバラシ、1人はフッキングに至らず。何とも煮え切らない結果だ。

ここも1時間ほどで場所移動。さらに上流に向かい、乱杭エリアに。芦原のシャローに続く乱杭と石積みが並ぶ場所で、いかにもスポーニングエリア。だが今日は水深が浅い。芦際はせいぜい15cm。これではバスはいないかなぁ、などと気にも留めずにゴム長で近づいたら何といましたよ。しかもつがいのバスが何組も。うわぁ、こんな浅瀬でネストを作るんだ。そしてもうスポーニングに入っている。確かに浅瀬なので水温は15.5℃あった。産卵しても不思議はない。
で、気を取り直して杭を攻める。

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すると、下ラバジ・上ピンテールのリグにコン! 乗らない。しばらく続けているとまたコン! だめだ、フッキングできない。へったくそめ。ちょっと場を休ませるため他を釣った後、15分ほどで戻って来てもう一度。今度は下のラバジを極小スピナベに変えて再挑戦。すると、ガツン!今度こそ乗せられた。そして重い!杭に絡まれないように10lbのラインを慎重に操作し手繰り寄せる。あれっ、なんかファイトが鈍角的だな。ひょっとして・・・
ナマズ~。キャットかよ!まあやり取りを楽しめたからいいや。引き寄せると50cmほどのアメリカナマズ。下のスピナベに食って、上のフックが背びれに掛かっている。このリグはこういう効果もあるのね。こりゃあ逃げられないは。写真はボケボケ。
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同じ頃、釣り堀隊も岸際でナマズを釣っていた。なんだかなぁ。バスが釣りたいと釣り堀隊は再び下流へ。ここで3時。俺はそろそろお気楽モード。途中でコーヒーを仕入れてまったりと彼らの釣りを見物しよう。

で、やって来たのは朝一で彼らがやった鰐川の内ドック。すでに常陸川水門は閉じているので流れはないが濁りは激しい。やっぱ俺は見学だな。まったりとコーヒーとスイーツを楽しむ。30分ほどすると、突然雨雲が広がりポツリポツリ。しかも雷までなり始めた。
「やばいよ、引き揚げな。」
当りもなかったようで、いったん車に戻って様子見。今日は風が強いので天気の変化も早い。しばらくすると雨も上がった。再び移動。今度は鰐川が外浪逆浦に払い出す手前のドック。通称コの字。最後にちょっと遊ぶか。
ここではクランクで1本勝負。まぁはっきり言ってキャストの練習のつもり。ドックには女の子2人を連れた釣り一家4名様が先行。いいね、この風景。我々はじゃまにならないように別ポイントに入った。文字通りコの字型の内ドックで雰囲気はいい。俺はセンター狙いでキャスト。まあこの状況でクランクはこないわな・・・なんて気を抜いていたら、
 ガツン!
「えっえっ」
明確なバスのあたり。しかしあまりにも気を抜いていてフッキングも何もできない。人間、集中していない時はそんなもんです。1秒後にはバス君は元の場所に。
「あ~、しまったぁぁぁぁぁ!」
嘆いてみても後の祭り。まあ、自分的には今日の釣りはもう終わっていたんで。そんなもんでしょ。これで完全に終了です。

(反省会に続く)

ロッキンチェアーアングラー 常陸利根川を釣る!

やばい、金曜日に飲みすぎた。
土曜日に釣行が決まっていると言うのに飲み会が入った。元々あまり酒は飲まないのに、こういう時に限ってお誘いがある。結局家に帰ったのは12時。後輩たちは2時に横浜町田IC集合と言っていたが、ハナから無理なので俺だけ現地集合にした。で、目が覚めたのは5時。そこから車を出して常陸利根川西岸の某ドックにたどり着いたのは8時。まあこれくらいハンデをあげれば後輩たちも俺といい勝負をするだろう。(ドコカラ来ル自信ナノカ・・・)

俺が合流したのは息栖大橋上流の常陸利根川本流。おっ、めずらしく釣り堀じゃないぞ。しかし後輩たちが最初に入っていたのは常陸川水門近くの内ドック。減水がひどいって言っているのに、オキニのスポットから離れられない哀しさ・・。で
「どう?釣れた?」
「良くないっす。Aが30cmを1本上げただけ。」
まあ予想通りだな。、
「濁りがひどいのと減水が早くてドックの水門は川みたいだった。」
これも予想通り。だから本流に来たのか。でもここは何にもないぞ。
「石積みが入っていて、この前やったら良かった。」
この前と今は違うんだよ。懸命に穴釣りに勤しむ彼らを横目にまずは水温チェック。13.3℃、低い。Fishing laboの水温データだとこのところ安定して15℃前後あったので、今日が低いのか測定位置の差か?今週初めまでの冷雨の影響が出てきたのか、水門開放で水が動いて低層の低水温が上層に上がって来たか?いずれにせよ良くはない。気温は既に20℃近くに上がっており、日差しも強い。しかし強い南風で釣りにくい。
ここはないと思いつつタックル準備。ここなら沖目のブレイクラインしかないだろう。スピナベ1本とキャロライナ+5inリングワーム1本。息栖大橋のすぐ脇にはヘラ師の集団が30名ほど。大会だろうか。最近では見ない風景だ。対する我々は4名。あれっ、他の2人は?体調不良と自己都合で欠席だそうだ。なんだよコンペにならないな。
さて実釣結果は?1時間やってノーバイト。他の3名も同じ。言ったろ、ここじゃないって。で、移動。と言っても1kmほど上流。ここには内ドックがある。そのドック内はババ濁り。バスはいても口は使わないよ。俺は本流に望みをつなぐ。

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ドックへの水門の上流は石積み、下流には芦原がある。芦原際は悪くなさそうだが、いかんせん濁りが・・・( ^ω^)。ここは岸から逆ウェッピングで1ozラバージグ。自慢の GW70C MH が火を噴くぜ!・・・ う~ん攻め辛い。
内ドックの釣り堀組はもっぱらツネ。1バイトあったようだがフッキングに至らず。俺も芦際でバイトらしきものを感じたが、?で終わった。11時を回ったところでラーメンタイム。

(後編に続く)

ロッキンチェアアングラー 常陸利根川釣行計画を練る

行くよ行くよ! 明後日の土曜日、4月15日に利根水系にバス釣りだぁ。今回は会社の後輩たちとミニコンペ。楽しんできましょうか。で、どこへ行くかと言うと常陸利根川下流域。後輩の一人にここの某ドック一辺倒のヤツがいて、何があってもここに行きたがる。
「いよいよスポーニングだな。内ドックにいこう。」
「ポストスポーンできびしそうだな。内ドックだな。」
「梅雨の雨もいいものよ。内ドックで決まりだ。」
要はいつでもどの状況でも内ドックな訳。思考停止してます。俺的には全く面白くないのだが、今回はお客さんの立場なので、おとなしくついていく。

しかしロッキンチェアーアングラーとしては調査検討を進めない訳にはいかない。今回も入念に戦略を練る。
まずは気候だ。基本だね。気象庁のデータを引っ張り出すと、一昨日の4月11日まで5日間、低温と雨が続いたものの、昨日以降は春らしい天気になるようだ。しかし一昨日の冷たい雨と強い北風はポイントになりそうだ。今日現在の常陸利根川の水温は14℃で安定している。ちなみに水温・水質のリアルタイムデータは、Fishuing Labo Net で入手できる。
もう一つポイントになりそうなのが常陸川水門の動き。霞が浦河川事務所のHPに水門の操作情報が載っていて、今週は水~土曜にかけて毎日、水門を開ける予定だ。これは影響があるだろうな。

さあ推理ゲームだ。現地の気温は4月初旬までは最低温度3~5℃、最高は10~13℃で推移していた。4月5~7日に最高気温20℃という日が続いたかと思いきや、8日からは冷たい雨が続いた。特に11日は冷たい雨と強い北風だ。
さらに、常陸川水門は先週も2日間開門されている。そして今週は5日間に渡って開門。土曜日も8~14時に開門予定だ。湖は翻弄されちゃったね。
もう一つある。利根川流域は蓮根の一大産地だが、その植え付けはまさに今の季節に行われる。もう分かるよね。どぶ泥の蓮田が搔きまわされている時にあの雨だ。あらゆるインレットには泥水が押し寄せたであろう。そして水門が開かれたことで、その水が本流に流れ込む。冷たい雨を含んで。
今回、インレットはダメだな。水温は14℃を越えてきており、バスは間違いなくスポーニングを目指して浅瀬に上がってくるはずだが、この雨が待ったを掛けるのではないか。この2,3日の好天がどこまで状況を良くしてくれるかだが、俺はあまり芳しくないと予想する。ではバスはどこへ?
スポーニングに向かっているとは言っても、まだベッドは作っていないだろう。産卵に向けて体力をつけるべく、荒食いをするところだったはずだ。気温がす~っと上がっていれば、バスはスポーニングエリアの浅瀬で盛んにベイトを追うという、パラダイスのような状況が期待できた。が、あの雨だ。シャローに行きかけたバスはUターンしてブレイクラインまで後退しているだろう。あるいは澪筋やストラクチャを見つけて潜んでいるか。

逆にこの3日間の高温と日差しが幸いして、シャローはパラダイスに戻っている可能性もある。キモは当日の気温と水温だな。温度計を忘れないようにしよっと。よし、14.5℃以上ならシャロー、芦際へラバジとヘビーテキサスを撃ち込みまくりだ。14℃を切るようなら2,3mのブレイクラインをヘビースピナベかクランク。ヘビキャロでフォローするのもありだ。
そして場所選定。常陸川でスポーニングエリアは? う~ん絞りにくいな。ドックの中でも水底がよい場所なら産卵するのだろうが、ドックは所詮釣り堀だし面白くない。俺なら横利根水門か与田浦、いっそオキニの横利根閘門だな。あまりひねった選定じゃないって?そうだよ、王道を行くのだよ!

17.「魚は傷みを感じるか?」 分析編 - 2

さて 16.「魚は傷みを感じるか?」 分析編 - 1 において、魚にも侵害受容があることは分かった。それを魚は「痛み」として感じているのか、筆者のヴィクトリア・ブレイスウェイトはどのように確かめたのか?
人でも動物でも、痛みあるいはストレスを感じている時には、脈拍が高くなるし、食欲も落ちる。魚もそうであろうと仮定した筆者は、以下のような実験を行った。
1)まず魚にエサを与える時に習慣をつけた。水槽に入れたマスに、エサを与える前にランプを点灯し、ランプの箇所にエサを投入する。これを繰り返すと、数日後にはマスはランプが点灯すると、そこに近付いてきてエサの投入を待つようになる。
2)その習慣付けが済んだマスを複数匹用意し、4つのグループに分けて1匹ずつ個別に試験水槽に入れる。グループとは、
 a. 何もしない
 b. 食塩水を口に注射する
 c. 酢を口に注射する
 d. ハチの毒を口に注射する
3)a~dを施す際には、マスに麻酔をかけてから注射し、素早く水槽に戻す。

魚の脈拍を非侵襲で測定することは難しいので、脈の代わりにエラブタの動く回数を観察し記録した。すると実験前には平均すると毎分約50回動いていたエラブタが、aとbのマスは試験直後には70回程度まで増加した。そして60分後には50回に回復した。(1時間もかかるんだ!) 一方、cとdのマスは試験後のエラブタの動きが90回にまで上昇し、3時間半を経過してようやく平常時の50回に戻った。
そしてランプに対する反応では、aとbのマスは80分後にはランプにつられてエサを食べに来たが、cとdではやはり3時間半が経過するまではランプが点いても反応を示さなかった。
これはマスが、酢やハチ毒に対してストレスを感じていることの証である。ただし筆者はまだ、それが「痛み」であると断定してはいない。もう一歩検証を進める必要があった。


人は痛みを感じていると、それに気を取られて注意力が低下する。どうやら魚も同じらしい。筆者は上記のbとcでの実験を再び行い、そのマスたちの水槽に色鮮やかなレゴブロックを投入してみた。すると実験前のマスはレゴを回避して近づこうとしなかった。しかし実験後のcのマスは、レゴをほとんど気にせずに泳いでいた。実験後のbのマスは回避したと言うのに。これは酢の刺激によるストレスが、マスから注意力を奪ったと考えられる。
ではこのストレスは痛みなのか。筆者は鎮痛剤としてモルヒネをマスに投与し、その影響を見た。するとb,cとも注射と同時にモルヒネを投与した場合には、実験前と同様にレゴを回避する行動を取った。モルヒネによりcのマスは「痛み」を感じることがなくなり、平常な行動を取ったと考えられる。

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ここまでで、魚は刺激に対して「痛み」を感じていること(少なくともモルヒネにより緩和される「何か」を感じていること)が証明された。ではさらに進んで、魚はそうった「痛み」を強く「意識」し、苦しんでいるのだろうか。そもそも「意識」とは何か?
筆者は魚の数々の能力を挙げることで、魚にも哺乳類と同様の「意識」を持っていると結論付けている。その能力とは例えば、
・餌付け時の習慣付けにより、迷路を記憶し辿ることができる。→油壷マリンパークで見たことがある。
・潮の引いたタイドプールに住むハゼの仲間は、海鳥に襲われると隣のプールに向かってジャンプして逃げるが、その時ハゼはタイドプールの位置を予め認識している。
ハタとウツボは共同で狩りをする。ハタが小魚をサンゴ礁に追い込んだ時、ハタの入れないような小さな穴に隠れた小魚を、ウツボが追い出しハタが捕食する。時にはウツボがそのまま捕食することもあるが、その確率はほぼ1/2を示す。
     等々・・・

「意識」とは、「記憶に基づいた情報を描写する[アクセス意識] 」、「周囲の出来事を感じ取る[現象意識] 」、「自己意識と情報交換を可能にする[モニタリングと自己意識] 」の3つを指す。魚はこれらを兼ね備えており、何らかの形態の「意識」を持ち、よって痛みを感じる心的能力も持っている、と考えられる。


どう思います?納得できましたか?少なくとも問題提起としてはとても優れた本だと感じた。
釣り人という立場から見ると、いくつか指摘したい部分があり、例えば上で示した実験では、bのマスは注射で食塩水を注射されても平常状態を保っている。と言う事は、針掛りしただけでは痛みは感じていない、と解釈できる。実験では「化学的刺激」を与えた場合のみストレス反応を示したのだ。
釣りの上で興味深いのは、上記実験後60分間はa,bのマスも平常状態に戻らなかったこと。場を荒らしたら1時間は寝かさないと、魚は覚えているという事になる。参考になるね。

本書ではその後、魚に対する福祉について論じている。「釣れ釣れなるままに」で示した問題だ。この部分は各人が自分なりの咀嚼をして飲み込めばいい。俺は己の意見を押し付ける気はない。
 

16.「魚は傷みを感じるか?」 分析編 - 1

 ヴィクトリア・ブレイスウェイト 「魚は傷みを感じるか?」の内容に踏み込んでいきたい。
 我々釣り人は、魚が掛かった時のファイトに大きな喜びを感じる。大きな魚なればこその力強い引き、シーバスやマーリンが見せる豪快なジャンプ、そんなんじゃなくても小さな魚は小さいなりに繊細な竿やラインにより引きを楽しめる。針に掛かった魚が何の抵抗もなしにグデ~っと上がってきたら、楽しみも半減しただろう。
 ではなぜ魚は針に掛かるとあんなに激しくファイトするんだろう。釣り人は自分勝手に考える。
「それは魚が身を守るために、必死で逃げようとするから。」
そうだよね、それも考えられるよね。でも本書の筆者はそうではない、それだけではないと結論付けた。
魚は痛がっているのだ

 痛みとはなんだろう。本書はそこから掘り下げていく。人であれば、鳴くことのできる哺乳類であれば、身体に損傷を受けた時に「痛い」という事を表現することができる。棒で打たれれば鳴く。でも痛くないレベルの刺激も同様に感じているし、それに対する反応も示す。足の上に大きな石を置かれても、あるレベルまでは石の重みを感じるのみだが、重い石を置かれれば痛みを感じる。痛みは感情なのだ。
 それを物言わぬ魚が感じていることをどのように確認するのか?魚の感情を。この問題のむずかしさが分かったと思う。イソギンチャクの蝕肢に指で触れれば、イソギンチャクは大げさなアクションと共に身体を閉じる。それは痛いから? 水の中の魚に触れようと手を伸ばせば、魚は大きく身を翻して逃げる。それは痛いから? 違うであろう。それぞれの動物の持つ感覚器官が触れられたことを検知して、脳に信号を発する。その信号を受けた脳は反射的に上記のような反応をするよう身体に銘じる。そこに痛みは介在しない。
 現代の科学をもってすれば、動物が触れられた時の信号を確認することは難しくない。当然、魚が針掛りした時にそれを検知していることも確認できる。しかしそれを「痛み」であると解釈することは容易ではない。「痛み」は「感情」だからだ。
 
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 ここで筆者は、人の場合に話を戻している。例えば人が熱いやかんの蓋に触れてしまったとしよう。指先で蓋に障った彼は、その瞬間に手を引っ込める。しかし指先が熱いと感じるのは、その一瞬後なのだ。熱いものに触って手を引っ込めるのは、反射的な行為であり、熱いと感じたからではない。熱いことによる皮膚のダメージを検知し、神経を電気信号が伝って脊髄に達すると、反射反応が起こる。これを「侵害受容 nociception 」と呼ぶ。痛みを感じるのは、それに続く脳への信号伝達と、意識的な痛みの検出プロセスを経た後だ。
 侵害受容はあらゆる動物で発生するし、それを確認することもできる(ただし筆者曰く、こと魚に関しては侵害受容を明確に確認した研究はなかったとのこと)。しかしその後の「痛みの検出プロセス」を確認することは容易ではない。そこで筆者らは、「魚の口への刺激により侵害受容が生じること」を実験により確かめて行った。
 方法としては2つ、解剖学的な方法と、神経信号の電気的測定。まず筆者らは魚の頭部を解剖して、哺乳類と同様の神経組織が存在していることを確認した。次にその神経組織に、口に与えた刺激により電気信号が流れることを測定し、口への触刺激、熱刺激により魚が侵害受容を示すことが確認された。これを筆者らが論文発表したのは2003年、ついこの間だ。

 ちょっと驚きだ。魚という身近な動物についての研究が、そんなにもおろそかにされていたとは! しかし本論はここからだ。何度も言うが魚の感情に踏み入っていかなければ、この侵害受領が「痛み」であるのかは分からない。筆者もそこに非常に苦労をしたようだ。    (後編に続く
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