プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

夏の北浦・常陸利根 どこで釣ろうか?

夏が来た!決行は7月1日! (相変わらずたかが釣行で大騒ぎだな) お馴染の常陸利根川から北浦あたりを攻めに行く。では例にによってロッキンチェアアングリングから。

まずは天候。今週はどんよりとした梅雨空が続いたが、意外に雨量は少なかった。そして7/1までの予報もl曇り。しかし当日は降雨率 60%。気温は21~29℃。バス釣りには恰好だ。カッパ着てでも出かけよう。
では水温は? 6月初めに23℃を越えた北浦の水温は、ここのところ安定して24~24.5℃。梅雨明けする7月末には28℃付近まで上昇していく。「霞ヶ浦水系水温 まとめ」をチェックしよう。これによると霞が浦最西部の掛馬や、北浦最上部の安塚の方が、常陸利根川より0.5~1℃ほど高めだ。まあさしたる違いではない。
そして気になる常陸川水門の操作。「霞ヶ浦河川事務所」の操作スケジュールでは、5/18に開門して以降、開いていない。前回のロッキンチェアーアングラー 常陸利根川を釣る!の時のような急激な水位変化はないだろう。

もう一つ、夏の北浦では毎度悩まされるアオコの発生状況。これは「茨城県霞ケ浦環境科学センター」のHPから確認できる。今の北浦は"アオコレベル2"。まだ大丈夫だ。少なくとも細いワンドの奥のような水の澱んだ所でなければ。
ちなみにアオコレベルは5段階。水温20℃を越えるとる植物プランクトン(ミクロキスティス)の増殖倍率が高まっていき、25℃では20℃の10倍に達する。同HPの写真を見ると、レベル4以上では釣りどころか近づくのも嫌だね。

では湖の周りはどうなっているのか。田んぼではとうに田植えも終わったろう。春先の代掻き時には泥水が湖に流れ出すが、この時期は一安心。ただし6月中に「中干し」と言って、いったん田から水を抜いて乾かすということが行われる。この時期に重なると嫌だな。稲作では除草剤を始めとした農薬や化学肥料が使われている訳で、当然それらが抜かれた水と一緒に湖に流入する。魚にいい影響は出ない。
一方、北浦周辺に多い蓮田の方は、春先に植え付けも終えて落ち着いているだろう。ポイントは水田か。
そうなると北浦なら神宮橋より下流、鰐川以下の状態は悪いと推定する。広大な流れの中心部をボートで攻めるならともかく、我々はオカッパリだ。与田浦も横利根閘門も似たようなもの。

じゃあどこに行く?
俺なら北浦の上半分、もしくは霞が浦東岸だな。この辺は比較的山間部が湖に迫っていて、広大な水田が広がっている訳ではない。特に北浦の周囲は水田ではなく蓮田だ。上述のアオコの状況は下流部よりも不利なのだが、稲作に伴う農薬・肥料の流入よりは影響は少ない。
よし、朝一は北浦、一気に帆津倉山田に上ろう。特に山田はワンドにアオコがなければサーフェースを中心にちょっと粘る。芦際のウェッピングもやりたい。まるで反応がなければ、セカンドチョイスが帆津倉だな。ここはブレイク狙いでクランク遠投かヘビキャロ。
それでダメなら、もうドックの釣りだ。ポストスポーニングから回復期にあるバスなら、ドック周辺に居ついているだろう。ツネだネコだでねちねちと行きましょう。

23.白樺湖における生物操作に伴う移入種オオクチバスの食性変化

      (河ら(信州大), 陸水学雑誌76:(2015) )

 今回の文献は俺的には色々な意味で衝撃的であった。長野県の白樺湖でも、お馴染のバス害魚論が展開されていたのだが、ここの場合はちょっと事情が違ったみたいだ。「生物操作」って?バスの食性変化って? そんなことが起こるし、そんなことをやっていたんだ。井の頭公園のかい掘り以上にショックだったな・・・
例によって私のコメントは青字で、文献の引用は黒字で示している。



 オオクチバスは魚食魚として知られているが、その食性には柔軟性があり、日本ではヨシノボリ類やワカサギなどの魚類に加え、エビ類、昆虫類など幅広い生物分類群への食害に関する報告がある。
 本研究で調査対象とした長野県白樺湖(36ha,最大水深9.1m)では、密放流によって1985年には既にその存在が確認されていた。白樺湖は1946年に農業用温水溜池として作られた人造湖であり、生息する魚類は公式・非公式を問わずほとんどが放流によって定着したもものである。この湖では2000年に湖水の透明度改善を目的とした生物操作(Biomanipulation)が行われ、その前後で生態系構造が大きく変化した。具体的には、過剰に増えた植物プランクトンの増殖を抑制するため、大型ミジンコ類のカブトミジンコ(Daphnia galeata,体調1.5㎜程度)を放流した。また生物操作以前に数多く生息していたワカサギがカブトミジンコの増殖を抑制することから、ワカサギの捕食者としてニジマスの稚魚5000~8000尾を2000年から2003年まで毎春1回放流した。
 白樺湖の透明度は生物操作実施当初、平均2mだったが、2005年には平均3mを越えるようになった。一方で沿岸帯では透明度の上昇に伴いコカナダモを中心とする水草帯が広がった。

 ここまでで既に4回ほど驚かされた。
1)あの高原に広がる爽やかな白樺湖が農業用溜池だったこと。
2)そこに生息する魚は全部放流だったこと。
3)そして、透明度改善のためにミジンコを放流したこと。
4)さらに、そのミジンコを食べるワカサギを減らすためニジマスを放流したこと。
「生物操作」何という不気味な言葉だ。Bio-manipulationだよ。その裏には恐らくアンブレラ社が暗躍しているに違いない。そしてその目的である白樺湖の水質改善は、別に湖の生態系を守ろうなどという高尚な目的のためではなく、恐らくは観光客目当てであった。ニジマス放流にしても釣り客の増加を見込んだものであることを、当事者自身が認めている。

文献を先に進めよう。


23-Fig_1.jpg

 オオクチバス等の魚類採集はSt.1およびその周辺を中心に1998年8月と2000年6,8,9月に計回行われた。オオクチバスについては個体を実験室で解剖し、胃内容物を取り出して顕微鏡下で観察した。胃内の餌生物を動物プランクトン,水生昆虫,ワカサギ,モツゴに分け、空胃率(VI)と餌生物ごとの餌料出現率 (%F)を算出した。
 
 生物操作後の魚類最終と食性の調査はSt.1,St.2の2地点において、2009年5月から10月にかけて隔週で行われた。オオクチバスの胃内容物の同定は可能な限り下位の分類群まで行ったが、最終的には6つ(カブトミジンコ,ノロ,ユスリカ類,その他水生昆虫,陸生昆虫,魚類)の分類率に分けた。また飼料個体数比(%N)、餌料重量比(%F)を算出した。
 
1999~2000年の4回の漁獲調査では、全長10cmを越える魚類が合計156体捕獲された。
 オオクチバス 80.1%
 ゲンゴロウブナ  5.8%
 コイ 3.8%
 ウグイ 3.8%
 ニジマス 2.3%
 イワナ 1.9%
 アマゴ 1.3%
 シナノユキマス  0.6%
一方、全長が10cm以下の魚類547個体では、
 ワカサギ 80.4%
 オオクチバス 12.4%
 モツゴ 6.8%
 ヨシノボリ類 0.4%

 生物操作後の2009年の漁獲調査では計100個体が捕獲された。そのうち99個体がオオクチバスで、残りの1個体はフナ類であった。

 おっと、放流したニジマスはどこに行ったんだ? 生物多様化どころかバスしかいなくなっちゃったじゃないか。目的のワカサギの絶滅(?)は果たしたようなので、当事者としては成功なのかね。
では、今回の主題であるバスの食性はどうなったのだろうか。


 2009年におけるオオクチバスの胃内容物の餌料重量比(%W)を図2に示す。

23-Fig2.jpg

 オオクチバス個体群の身体サイズ毎の餌料重要度指数(%IRI)を図3に示す。

23-Fig3.jpg

 餌料出現率(%F)が特に高かったのはユスリカ(幼虫と蛹)の91.8%と、カブトミジンコの83.7%で、ノロ(50.0%)や水生昆虫(48.0%)も比較的高かった。魚類は胃内から合計3個体観察された。

 いかがであろうか。生物というもののしたたかさ、強さが如実に現れた調査結果と言える。バスはベイトフィッシュがいなくなればエビや昆虫を、それさえいなければプランクトンを食べて生き延びる。これはおそらくバスに限ったことではないのであろう。でも Match the bait は難しいよ。ミジンコルアーを作るかい?

 そして結果的に生物操作なるものの成果が水質改善には現れたようだ。しかしここで生物学者と行政の手によって行われた事は、本来白樺湖には生息しないカブトミジンコとニジマスの放流という、国内外来種移植だったことを忘れないように。この辺の議論は生物操作が行われた2000年にNHKが放送で取り上げたことから盛んに議論されていたようだ。「生態メーリングリストJECONETの論議」に詳しく記載されているので、興味のある方はリンクを辿ってみられたし。

 他の記事でも書いたが、生態系保護なんて当事者の都合によっていくらでも読み替えることができるのだ。そしてそのあおりを食らうのはいつでも既にそこに生息している生物たちだ。
もういい加減にやめたらどうだ?

そう言えば村田基って・・・

釣りビジョン繋がりで、先週も出ていた村田基の昔のことをふと思い出した。
彼とは釣り具やのオヤジとただの客、それもたま~にしか行かない客という関係なので、俺は彼を知っているが彼は憶えちゃいないだろう。俺が北浦に通い始めてからだから、かれこれ35年近く前になるのか・・・

村田基は俺より1つ2つ若いはずだ。じゃ彼ももう還暦か。潮来釣り具に初めて行った頃は俺はまで20半ば、彼はいかつい派手な格好をしたあんちゃんで、まだウォーターランドも出していない普通の釣り具屋の店員だった。まだ店長じゃなかったはず。釣り雑誌には何本か記事を載せていたようだが、別に有名人という訳ではなかった。
その頃の北浦霞が浦はまさにパラダイス! ワンドのシャローでポッパーを投げれば30cmが飛びつくし、杭にスピナベを絡ませれば40cmがバイトする。あまりに釣れ過ぎて、人と違った変な方法で釣ることばかり競っていた。シュウマイ弁当のお魚醤油入れをルアーにしたり、胴付仕掛けにワームを何匹もぶら下げて、一度に何匹掛かるか競ったり。もちろん面白かったが、釣りとしての深みは感じなかったな。ある意味、今の方が面白いんだよ。

さて村田基の話に戻ろう。その彼がその数年後にはテレビに出だし、ウォーターランドも立ち上げた。ものの見事にバスブーム、ルアーブームに乗って見せた。その商才は大したもんだ、素直にそう思う。でもその頃の釣りの腕は大したことなかったんじゃないかな? こんなことがあった。彼がテレビの釣り番組に出始めた直後だから、1983,4年のことか。その時俺は後輩を連れて北浦でバスを釣り、翌日の月曜日には鹿島港に行って防波堤から何か釣ろうという事になった。で、潮来釣り具によって海用のルアーを仕入れ、鹿島港近くのサウナで一晩明かして鹿島港魚釣園に出かけた。平日だが夏休みということもあり、そこそこの釣り人で賑わっていた。俺達はバス帰りの道具のまま青物を狙おうとしていた。
まだその頃、青物やスズキをルアーで釣ろうとするとツノやラパラがせいぜい、それもほぼタダ巻きの時代だ。俺はそこでペンシルを使いトゥィッチングしまくった。偉そうだが、すごく偉そうだが、ルアーをトゥィッチングやジャーキングで見せると言うことを誰もやっていない時代だった。じゃなぜ俺はそうしたかと言うと、その前年までLAに住んでいて向こうで習ったから。で、これが大当りする。廻りの餌釣りやラパラタダ巻き師には見向きもしなかった魚が、俺のペンシルに群れを成して襲い掛かってくる(ホントだよ)。フッキングに持ち込んで足元の高い堤防から抜き上げると50cmほどのカンパチ!バス用のクランキンロッドでは限界のサイズだ。その後も面白いように追ってきて、とうとう70cmほどのカンパチが掛かってしまった。これはもう抜けない。であたりを見回すとタモを持っているルアーマンのグループがいたので、すいませんと言ってタモで揚げてもらった。我々はクーラーもなかったのでお礼にカンパチを上げることにして改めて彼らを見ると、なんと中心には村田基が! そう、ラパラタダ巻きマンは彼だったのだ。取り巻きの兄ちゃんからは、そんな釣り方あるんですか、みたいなことを言われたのを覚えている。
その後、村田基は「釣りロマンを求めて」とかでジャーキングを紹介していたが、あれは俺のを盗んだんだ。(と言っておこう)

その後も何度も潮来釣り具で遭遇するが(アタリマエだな)、俺が40過ぎて(ってことは村田も40くらい)潮来に行った時は彼は人気者で、店内で客の対応をしながらインカム付けてアナウンスしている。お客も満員だ。で、村田は基本アホなので、電話も同じインカムで話していてご丁寧に店内放送していた。普通放送は切るだろう・・・
「あ~今日は6時で店仕舞うから、それからベルファーレ行こうぜ。先にポンギに行っててくれよぉ。」
あんた、いくつになっても元気だねぇ。そしてアホだねぇ。

釣りビジョンの傾向と対策

俺はバス以外の釣りも好きなので釣りビジョンをよく見るが、そこに出てくるアングラーにある法則があることを最近発見した。それは、
バス:少しバカっぽいあんちゃん。ちゃんとした社会人として生きていけないタイプ。
波止・磯:大阪のガラの悪いおっさん。声がしゃがれていてでかい。
フライ・渓流:東京のちょいイケメンお兄さん。
投げ釣り:30代典型サラリーマン。
船釣り:意外に普通のおじさん。
女子:特にかわいくはないフツ~の女の子。一人ケバいのがいる。

アングラーはそれぞれの中で何人か代わるのだが、押しなべて上記の通り。釣りビジョンのポリシーなのね。

井之頭公園の池でアメリカザリガニが急増

今日の新聞を読んでいたら、井之頭公園の井之頭池で2015年から16年に掛けておこなったかいぼりの効果で、池の水質が改善したこと、絶滅危惧種イノカシラフラスコモの復活やモツゴ、クロダハゼ等の在来魚の増加などが見られたと報道されていた。一方でかいぼり時にブラックバスを駆除した結果、天敵の消えた池でアメリカザリガニが激増し、水草が枯れる事態となっているとのこと。
ちなみにかいぼりは公園内の他の池でも段階的に何回か行われ、合計でブラックバス1000尾、ブルーギル13000尾が駆除されたという。そればかりか錦鯉、ヒメダカなどの本来そこにいないはずの生物も駆除されたとこのと。黒い鯉は逃がしたらしい。

井の頭公園にブラックバスやブルーギルが生きている事を良い事とは思わない。アメリカザリガニにしたってそうだ。いない時代に戻れるのなら、そうしたいところだ。でも今は日本中の河川湖沼にアメリカザリガニもブラックバスも生きている。しかし日本では彼らの生きる場所はなく、見つかれば殺される運命だ。その殺され方も、誰に食べられる訳でもなく、焼かれるか埋められるか・・・。生き物としてはなんともやりきれない死に方だ。「魚は痛みを感じるか?」を書いたヴィクトリア・ブレイスウェイトさんに言いつけるぞ!

生態系ってなに? 特定外来種の問題にぶち当たるといつも悩むのがそれだ。生態系は変化しないのか? ダーウィンが知ったら嘆き悲しむぞ。確かにブラックバスもアメリカザリガニも、人間という愚かな生き物の手によって人間の都合で日本に持ってこられた生物だ。だから今度は人間の手によって駆除するのか? しかも井の頭池では自ら駆除したブラックバスの絶滅のおかげて、今度はアメリカザリガニの激増に悩んでいる。ばっかじゃないの!
アカゲザルの交雑種駆除について、再び考えるでも特定外来種とそれを巡る人間の愚行について憤ったが、ここでもまた同じ思いが沸き上がる。以前たまたま見つけた生態系乱す「カナダガン」を根絶 特定外来生物で初 という記事では、2mを超す大型水鳥であるカナダガンを絶滅させたと喜んでいた。駆除すべき生物に大小はないのだ。(カナダガンがなぜ富士五湖にいたのかは不明)

結局、人間に都合がいい生き物は残し、誰かにとって都合が悪い生き物は駆除していくということだ。な~んだ、政界や経済界の基本ルールじゃないか。
でも、それでいいのか日本人!


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22.仮説:デカバスは子バス淘汰が生み出す

今回は100%私のオリジナル説だ。大うそかも知れないのでご了承を。

今釣れているバスの平均サイズが大きいのはどこだ? 安定して毎週50upが上がり、60の可能性を感じさせるレイクは? 琵琶湖、もちろんだ。池原、まだイケてる。あとは関東なら亀山、津久井くらい。霞、北浦はペケ。河口湖はナチュラルじゃない。芦ノ湖もなあ。西はどう?早明浦くらいしか知らないな。
それはなぜ?なんで霞や北浦なんていう、いかにもバスの好みそうな湖に巨大魚がいない、育たないのか。逆に亀山や池原なんていう、元来バスが生息していた場所とは異なると思われる環境の小さな湖で、デカバスが育ったのか。今回はそこを謎解きしていこう。

まず巨大なバスが育つための条件を推定しよう。
 1)適度な水温・水質
 2)豊富なエサ
 3)外敵および競合者がいない
 4)人間に釣られない、取られない

1) 2)は当然だ。琵琶湖はバスには最高だろう。が、前述の霞・北浦だって適しているだろう。逆に今の琵琶湖は4)がネックになるな。今後は釣られたデカバスが駆除されてしまうのか、リリースされるのかに掛かってくる。で、池原・亀山はどうなの?もともとフロリダやネバダの沼に棲んでいたはずのラージマウスバスにとって、急深でクリアな水は最適とは言えない。それに小さなダム湖に生息している小魚もそんなに豊富にいるのか?じゃあ何が奴らをあんなにデカくしたんだ? 4) の優位性はあるだろう。まだ琵琶湖以外のメジャーなバスレイクで、明確にリリース禁止をうたった自治体はないと認識している。

さて本論。私の結論は3)の優位性だ。何が優位なのか?己のコンペティターが少ないためだと推察している。バスにとって餌をとったり産卵をしたりという、生きていくための最大の競合者は誰か。言うまでもなくバス自身だ。日本のヤワな湖ではバスは食物連鎖の頂点に立っている。まあ空の上やボートの上からは狙われているんだけどね。その中でより多く餌を捕食してデカくなるためには、実は他のバスがジャマなのだ。
でも水の中はどうだったか。一時期の北浦なんてベイトの数より子バスの方が多いくらいに思えたくらいだ。そう、バスは増えすぎてしまったのだ。霞・北をはじめとする多くの湖では、その湖の生態的なポテンシャルを越える所までバスは増えてしまった。ギルと子バスだらけになってしまったのだ。それはバスやギルの、ネストを作って親魚が卵や稚魚を守るという、日本在来魚にはなかった生態によるところが大きい。生存競争の苛烈な彼らの故郷では、そのような生物的戦略が不可欠だったのだ。しかし日本では?いわば過大な自己防御手段だ。それが増えすぎるバスを生み、己自身に苛烈な生存競争を作り出した。そんな状況で巨大なバスに育っていくか。難しいだろうな。

では前述のデカバスレイクは何が他の湖と違うのか? 私は大胆な仮説を立てた。
・湖の水位の変化がネストにいる卵や稚魚を減らし、子バスを少なくしている。
・これがバス自身の競合者を少なくさせ、デカバスにまで育つ環境を作った。

デカバスレイクは全て水位調整を行っているダムまたは水門を持っている。あの琵琶湖でさえ水利や洪水防止のために瀬田川洗堰 や琵琶湖疎水を調節し、最大で2mほどの水位変化をもたらしている。他のダム湖は言わずもがな。その水位変化の季節パターンは大まかに
 冬:小雨または雪による湖への流入量減によって、水位は低下
 春:雪解けと共に徐々に水位は上昇
 梅雨前:洪水に備え水位を低く調整
 夏前:夏の水需要に合わせて水位を上げる
 夏~秋:徐々に水位低下
琵琶湖の水位変化については、水資源機構のHPを参照されたし。
これがダム湖ではもっと極端になる。下図は早明浦ダムの水位変化を示すが、5月から6月にかけて水位がガクンと落ちているのが分かる。

早明浦2012

この時期にバスは何をしているのか。そう、子育ての真っ最中なのだ。もう産卵は終え孵化もしているかもしれない。だが親バスの元を離れるにはまだ早い。ネスト内でじっとしているはずの稚魚に容赦なく水位低下が襲い掛かる。で多くの稚魚は取り残されるであろう。子バスは駆逐されるのだ。
湖の水位低下が子バス駆除に繋がる件については、既に、「13.さくら湖(三春ダム)の水位低下がオオクチバスの繁殖に与える影響で紹介している。前述のデカバスレイクは、知らないうちにこの水位調整による子バス駆除を行っているのだと推察した。現に津久井湖では最高のスポーニングエリアである沼本ワンドが、4月に満水だった水位が5月には干上がるほど減水している。ネストは全滅だろう。
逆の現象が起きたのが、「21. 稚魚まで食べるブラックバスの駆除も“リバウンド現象”で稚魚が急増だったのであろう。自然とはなんとも皮肉なもんだ。

ねっ、だから言ったでしょ。子バスなんてこれ以上増えなくっていいんだよ。バス釣りはもっと難しくっていいんだって。
ネストは撃つべしっ!

21. 稚魚まで食べるブラックバスの駆除も“リバウンド現象”で稚魚が急増

2017/5/20のサンケイWESTのこの記事を読んだ人も多いだろう。琵琶湖内湖の曽根沼で滋賀県水産試験場が行った駆除調査において、オオクチバス成魚の駆除後に稚魚が駆除前よりも増えてしまったという記事だ。その元ネタは以下の調査報告書だった
「琵琶湖における外来魚駆除技術の開発と内湖における 駆除効果の評価 」


内容はサンケイ記事の通りのところもあるが、一部読者の猜疑心というか反感を煽り立てているような部分もあるのはさすがサンケイ。私は報告書の通りに記載する。

曽根沼は琵琶湖周辺に点在する内湖の一つで、彦根市三津屋町に位置する水域面積 21.6ha の沼である(図 23)。水深は最大でも 2.5m であり、全体的に浅い。、2003 年より漁業者により外来魚の駆除が開始された。また、同時に当場による魚類相調査や駆除調査を継続的に行っており、現在まで約 9 年間の駆除データが蓄積した。
21-fig1.jpg

9 年間を通じたオオクチバスの駆除の状況は 2003~2007 年と 2008~2011 年の 2 期に大別される。2007 年までは、小型定置網やブルーギルを対象とした釣りで捕獲される小型~中型魚の駆除が主体であり、タモ網による稚魚の捕獲などの繁殖抑制も行っていない
2008 年からはオオクチバス中心の駆除を開始し、繁殖抑制としては、産卵期前後の電気ショッカーボート(以下、EFB)での親魚の駆除を中心として、その後浮上した稚魚群のタモ網による駆除も行った。また、年間を通じて小型定置網による小型魚の駆除、遮光型カゴ網による中型魚の駆除を行い、全てのサイズを駆除対象とした。
21-fig2.jpg

繁殖抑制の効果を検討するため、指標として 6~12 月に計 12 回実施した小型定置網によるオオクチバス当歳魚捕獲尾数の推移を検討すると(図 26)、2002 年から年々増加傾向が見られ、2008 年に最も高くなった。この年はEFB を初めて実施した年であったが、EFB での駆除中にすでに浮上稚魚群が多数みられていたために、かえって稚魚への成魚による捕食圧が低減したことも要因の一つと思われる。これらを防ぐために 2010 年、2011 年は産卵期前(4 月中旬)に EFB を集中的におこなった。その結果、タモ網による稚魚の捕獲尾数は、2009 年は 93,900 尾であったが、2011 年は 42,500 尾と半数以下となり、また当歳魚の発生レベルも調査開始以来、最も低い水準で抑制されていた(図 26)。
21-fig3.jpg


報告書では産卵期前の制御捕獲により稚魚の捕獲尾数は半数以下となり、稚魚数抑制の効果があったことを示している。これに対してサンケイ記事では、
「電気ショックは成魚に一定の効果のあるものの、体の小さい稚魚には効きにくい。また並行して進める網での捕獲では、稚魚が網の目をすり抜けてしまうことが多く、決定打になっていないのが実情だ。」
とまとめていて、対策がないことを危惧し、読者の反感を煽っている。表現にしたって「稚魚まで食べる」ことが悪魔の所業のような書き方だが、魚はみんなそうなのよ。ウチで飼っている小さな熱帯魚だって、ほっとけば水槽で生まれた稚魚を食べちゃうよ、知ってるサンケイさん?

外来魚の弊害はよく分かっていますよ、サンケイさん。我々まっとうなバサーだって、それは理解している。でも誇張やウソは報道機関としてはイケナイんじゃないですか。慰安婦問題にしたって、朝日だけじゃなくサンケイも誤報ねつ造に絡んでいましたよね?
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