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プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

続、バスの記憶は遺伝する

仮説:バスの記憶は遺伝する」で適当な事をぶち上げたが、もう少し真面目に考えようと思う。

1.記憶は遺伝するのか?
大真面目に言う。記憶が遺伝することはある
蝶は誰に教わらなくても花においしい蜜があることを知っている。ツバメは教わらなくても冬は南に行けば暖かい事を知っている。ブルック・シールズとクリストファー・アトキンズは二人きりの青い珊瑚礁で××な事を△△すれば赤ちゃんができる事を知っていた。なぜ?
人はそれを本能と呼ぶ。しかしそれは「記憶の遺伝」と言い換えてもいいんじゃないか。組み入れられたDNAにそうすることがいいんだと記憶されているんだ。
もしバスが規則的にプルプル動く硬そうな物は餌ではない事をDNAに組み込んだら、クランクベイトに未来はない。クルクル回って光る物も危ないと思われたら、スピナベもおしまいだ。
ただし遺伝子レベルにこういう情報が刻まれるには、数10世代、数100世代が必要だとおもう。そこがどうかな?

2.慎重なバスほど生存競争に打ち勝つ
一見もっともらしいが、事はそう単純ではない。
ルアーに対して慎重なバス君は、リアルベイトに対しても慎重なはずだ。するとノー天気なバス君よりも餌にありつける確率は低くなってしまう。成長は遅くなるだろうし、繁殖のチャンスもノー天気君に遅れを取ることになりそうだ。それではより多くの子孫を残すのは難しいという事になる。
逆にノー天気君はルアーに引っ掛かったり、網に追い込まれたりする確率も高い。めでたくリリースされればいいが、このご時世、そうもいかなそうだ。要はリスクとチャンスのバランスだな。
これも人間界と同じだな。お気楽にギャルに声をかけまくるノー天気君が、多くのチャンスを活かして幸せな結婚をして明るい夫婦生活を営んでいるか、あるいは実直な慎重君が選りすぐりの女子に狙いを定めてめでたくハッピーなカップルになれるのか。
どっちもありなのだよ。どっちもありだから日本はノー天気君ばかりでも慎重君ばかりでもない、いいバランスを取っているんだ。

えっ、かの国はノー天気君ばかりみたいだって? その国はギャルを引っ掛けるのもバスを釣るのも超簡単なんじゃないの?

31.バスは何を元に行動しているのか?

前回の「30.琵琶湖のバスの行動パターンを追跡する」では、
・バスは朝に岸に近付いていき、夕方に定置網周辺に帰ってくること。
・バスは岸と平行なラインをクルーズしていること。
・東北風が強く水温が急激に下がった時には岸に向かって移動していること。

が分かった。

無題


ではなぜ彼らはそのような行動を取っているのか。「なぜ」と言うよりも「どのようにして」その場所に向かうことができたのか?
考えてみてほしい。バスはGoogle Mapは使えない、たぶん。水上に出て望遠鏡で周囲を見回すこともできない、おそらく。彼らは自分の周りの水中を見て、匂いを嗅いで、水温を感じることはできる。でも情報はそれだけだ。あなたは自分がボンベをしょって琵琶湖の水の中にドボンと落されたら、バスと同じように岸を見つけたり、北風の影響のない所を探し出したりできます? なかなか難しいと思うよ。

30-Fig1.jpg

ではバスはどうやって、岸と平行なラインが分かるのか。
これは何となく理解できる。「岸と平行」と言うよりは「同じ水深のライン」を回遊しているのだろう。基本的に水底を好むバスが同じ水深の岸沿いに回遊することは容易だ。彼らは側線という優秀な圧力センサを持っているのだから。

ではなぜ冷たい季節風の中、岸に向かって移動したのか。同論文では、岸方向に移動したらしいことまでは分かったが、最終的にどこに行ったのかまでは分からない。ならば推察しよう。「3.琵琶湖における水温、水流の年間変化」で紹介したように、12月の琵琶湖の水温は表層から底層までほぼ同じ水温となっており、10℃を下回っている。もちろん気象状況により微変動はするので、強い季節風により表層がより冷やされる日もあるだろう。しかし水深の深い琵琶湖で、より深い水底の水温がバスが好むような高い温度でいる事はない。バスはより高い水温を求めて岸に移動したのだ。おそらくは日光を浴びる事ができる浅瀬で、しかも季節風の避けられる岬の陰になる所を目指したのだろう。本論文の調査地域であれば下阪本の大宮川河口の岬か、マリーナが並ぶ地域か。

どうして? どうしてバスはそこが温かい水域だと分かったのか? 本論文のサンプルバスである Fish ID 105 が夜を過ごす定置網の位置から、大宮川河口までは500m。いくら水温に敏感なバスとはいえ、500m離れた水域の水温が高いことを体感することはできないだろう。ではなぜバスは決まったように季節風の強い日に岸を目指すことができたのか?

「記憶」
それしかない。彼は大宮川河口の南側、あるいはマリーナの中が温かく、ひょっとしたらお食事にありつけるということを憶えているのだ。毎日朝に岸に向かって移動するのも同じ。岸に近付けば温かく、しかもベイトがいるという事を憶えていて、そのような行動を取っているのだ。

逆に Fish ID 106 のバス君は同じ水深のラインをクルーズしていた。これも恐らくは彼独自の「記憶」によるものではないだろうか。ターゲットはワカサギ。水深4mラインを回遊してきたワカサギの群れに当たっておいしい思いをしたバス君は、この季節にはここを狩場と決めているのだ、きっと。

ワカサギ

魚類の記憶については「17.「魚は傷みを感じるか?」 分析編 - 2」でも魚がちゃんと記憶をしていることが示されている。餌を食べ身を守る術はちゃんと身に着けているのだ。

つまり一筋縄ではいかないと言う事だよ。十羽一絡げの魚じゃないよと言う事だよ。
彼ら以上には考えないと、なかなかいい夢は見られないのさ。
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