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プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

35.スポーニングに向かうバスの動きを文献から分析する

これまでに読解したバスのスポーニングに関する文献をまとめて、プリスポーンからスポーニングに向かうバスの動きを推測してみよう。

物事は5W1Hで考える。何事もだ。ではバスのスポーニングの5W1Hは?
・What:何が
・Why:なぜ
・Who:誰が
・When:いつ
・Wehere:どこで
・How:どのように
最初の3つはアタリマエ。
バスが、産卵に向かうので、俺が、釣る!

ではあとの3つは? これが重要だ。
文献を紐解いていこう。

まずは When
13.さくら湖(三春ダム)の水位低下がオオクチバスの繁殖に与える影響」では、福島県のさくら湖(三春ダム)におけるオオクチバスの産卵期を調査した。その結果をまとめると、
1) 繁殖期は、日平均水温が15℃から21℃に上昇する5月上旬から6月下旬である。
2) 産卵期のピークは水温が18.0℃の頃と考えられる。
3) バスの仔魚が自由に泳ぐようになるのに10日間が必要。すなわちその間は親バスはネストで仔バスを守っている。

そして Where
14.移植されたコクチバスの繁殖特性」では、青木湖および野尻湖におけるコクチバスの産卵床の調査を行い、その分布や特徴についてまとめている。
1) コクチバスは水深1mラインの障害物の近くにネストを作る。
2) ネストの水底は砂や泥質ではなく砂利質
3) 大きなバスほど桟橋や大きな石等のストラクチャーの近く(28~148cm)にネストを構える。
4) バスは大型の魚体からスポーニングに入る。遅れてネストを作る小さなバスは、ストラクチャーから遠い地点に作る。
5) コクチバスはネストを集中的に作り、1つネストがあればそこから2~6mの所に次のネストがある。

13-Fig 2
(水産増殖 49(2), 157-160 (2001); 井口、太我から)

ただし例外はある。「ロッキンチェアーアングラー 北浦を攻める」では北浦の石積みエリアの芦際、わずか水深15cmの浅瀬にネストを作ってつがいのバスがいたのを目撃している。ちなみに釣行は4月15日、その時の水温は15℃だった。

最後に How
これは各自が考えればいいことだが、俺なら以下のように戦略を練る。
1) プリスポーニング期はネストとなるエリア近くのシャローにベイトフィッシュを追って出てくるバスを狙う。
ここでは「20.茨城県北浦のヨシ帯における魚類群集構造の季節変化」を参考にしよう。それによると、北浦のヨシ帯に最も魚が集まるのは春から夏。特に6月から8月だ。プリスポーニング期の4月5月に限定すれば、ヨシ帯に寄ってくるベイトは、ウキゴリ、シラウオ。ワカサギは回遊してくればいるという感じ。ヨシノボリやヌマチチブ、モッゴは6月に入ってからだ。実は意外にプリスポーニング期のベイトはヨシ帯に寄っていない

そのようなベイトを意識したルアー選択、ルアー操作を行っていく。
エリアとしては、水温よりも気温の高くなるこの時期、もちろん狙いは風面だ。砂利の底面が続き、ストラクチャーもある水深1mのエリアから遠くないシャロー。芦やウィードがあれば文句なしだ。

2) スポーニング期はネストを撃つ! ネストについてメスを待っているバス、卵や稚魚を守っているバスは容赦なく撃つ!
俺はこれ以上のバスの拡散・増殖を望まない。バス釣りはもっと難しくていいんだ。
ならばネストに近づくリザードや子バス・ブルーギルをイメージしたルアー操作が有効だろう。
そしてバスのサイズによりスポーニング時期もネストのエリアも変わってくる。4月5月ならばストラクチャーに近いポイントに大型のバスがネストを作ってスポーニングに入り、6月に近くなるとストラクチャーから次第に離れたエリアに小型のバスがネストを作る。
さらにバスの仔魚が自由に泳ぐようになるのに、10日間が必要。5月になると大型のバスから順次スポーニングに入るが、バスはネストに10日以上は留まっている。という事は5月初旬から中旬まではストラクチャーから1m程度のポイントに、5月中旬以降は2週間毎に次第にストラクチャーから遠ざかったポイントにネストのバスがいることになる。


プリスポーニング期からスポーニング期にかけての釣りメソッドは、さほど重要ではない。そこにバスがいれば釣れる。
より重要なのは、WhenとWhereだ。上で大まかな戦略を述べたものの、そこには絶対はなく、自然環境の変動により狙うべきエリアは変わってくる。その日までの気象の経緯、その日その時の状況を見極めて、狙うべきエリアを絞り込んでほしい。

琵琶湖がターンオーバーしていない事の影響について

3月14日の京都新聞に気になる記事が掲載された。
年に一度「琵琶湖の深呼吸」に遅れ 暖冬影響か、低酸素化の懸念

2007年、2016年にも3月になってようやく湖底までの全層循環が発生したが、今年はここまで一部水域で発生していないと言う。具体的には今津沖の第一湖盆と呼ばれる水深90mの最深部。ここで水深70~80mまでしかターンオーバーしていない

琵琶湖におけるターンオーバーについては「3.琵琶湖における水温、水流の年間変化」で紹介した。園らによる下図が分かりやすいだろう。
suion.jpg
(園,野村,琵琶湖生態系モデルに関する研究-1次元水温モデル,滋賀衛環セ所報 1990)

春から夏にかけて温められた表層の水は、湖底の常時6℃の水との間に「水温躍層」を形成する。いわゆるサーモクラインだ。これが秋以降に次第に表層から冷却され、水温躍層が解消していく。本図によれば10月末には水深18mまでが17℃で均一になり、12月末には水深40mまでが7℃となり、この区域の全層循環を果たす。

水深90mの琵琶湖最深部においても例年であれば2月までに全層循環を終えるのだが、今年は未だ発生していないことが、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの調査で明らかになった。

湖の生態系にとってターンオーバーは非常に重要な意味を持つ。それは底部への酸素供給および表層への硝酸態窒素供給に象徴される。記事では湖底への酸素供給不足によるイサザやヨコエビ等の湖底生物への影響を懸念しているが、それだけに留まらないだろう。硝酸態窒素は植物性プランクトンの餌だ。これが不足する事は、直接的に植物性プランクトンの育成に影響する。
食物連鎖の底辺を支える植物性プランクトンの減少は、そのまま琵琶湖のピラミッドの頂点にいるブラックバスの生息域に関係する。ベイトが減ればバスもいなくなる

今年の琵琶湖では例年とは違うバスの動きがみられるのではないだろうか。特に今津沖などの最深部区域ではベイトの動き、それにつられるバスの動きに注目しよう。
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