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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

49.琵琶湖底層の溶存酸素濃度と台風の関係

前回前々回に引き続き、台風19号の琵琶湖底層に与えた影響を考えてみたい。元資料は滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの琵琶湖の水質調査データである。
 https://www.lberi.jp/learn/biwako/water

前回の考察で、今回の今津沖中央底層部に生じた溶存酸素濃度の飛躍的上昇は、台風の強風による全層循環とは言い切れないのではないか、という疑問点を提示した。もっと長いスパンで比較しなければならない。そう考えて同データの10月第1週から第2週の間の底層の溶存酸素濃度を、年度毎に比較した。

琵琶湖底層

琵琶湖環境科学研究センターの公開データから10月第1週から第2週の間の底層の溶存酸素濃度をプロットしたものが上図である。琵琶湖第一湖盆の底層部の水は一年を通じてほぼ固定され、初春に湖水温が最低となり全層循環を発生するまでは、水温も溶存酸素濃度も急激な変化は示さない。この場合には10月第1週と第2週の間の溶存酸素濃度は変化を示さず、図の青点と赤点はほぼ重なる。春になってターンオーバーが全層に渡った時、初めて底層の溶存酸素は増加し、グラフは上方に動いていくことになる。
そこでは2019年を除いて、この期間に大きく溶存酸素濃度が変化した年度はない。2019年のデータだけが10/12に飛来した超大型台風19号の強風のために底層水が循環し、10/7と10/16の溶存酸素濃度に飛躍的な変化が生じた、とされている。

ちょっと待て。超大型台風なら2019年以前にも飛来している。記憶に新しいのは2017年の台風21号。近年では初めてとなる超大型台風の来襲として話題となり、全国で10名もの犠牲者を出してしまった。この台風の上陸は2017/10/23。上図のタイミングのもう一つ後のデータを調べればよい。
すると、

台風

2017年は、2019年と同様の飛躍的変化を示していたのだ。その後、2017年の底層の溶存酸素濃度は3.6mg/Lまで漸減したが、湖底水温が例年よりも高い8℃程度であったため、翌年の1月中旬には全層循環に至っている。

今年のパターンと非常によく似ている。この10月の台風直後に表れた湖底水の溶存酸素濃度の増大を「全層循環」と言っていいかは疑問だが、比較的湖底水温の高い2019年にあっては、来年の早い時期に全層循環を迎えるのではないだろうか。

つまり今年の琵琶湖の様相は2017年に非常に類似しているのだ。琵琶湖をホームレイクとしている諸君は2年前のことをよ~く思い出してみるべきだろう。
・バスはどこで釣れた?
・どうやって釣れた?

それらを思い出せば、これからの季節を先回りしておいしい釣りができるかも知れない。

真のデータフィッシングとはそう言うものだ。先週どこでバスが釣れたなんて言うネット情報を追いかけまわす事じゃない。
俺はそう思うよ。

48.琵琶湖水深別水質調査における溶存酸素濃度

前回は京都新聞に掲載された記事についてコメントしたが、その元データは滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの琵琶湖の水質調査データだ。
 https://www.lberi.jp/learn/biwako/water

滋賀県琵琶湖環境科学研究センターでは毎月2回琵琶湖の水深別水質調査を実施しており、随時データを公開している。京都新聞の記事は2019/10/21までのデータについて述べており、10/16の時点で第一湖盆底層溶存酸素濃度が一気に上昇し、例年並みとなったとされていた。これは10/12に通過した台風19号による強風のため、全層循環がなされたためであると推測している。

しかし私は、全層循環であれば表層温度も一気に下がっているべきだと考え、その矛盾が引っかかっていた。今回、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの全データを入手し、再検討してみた。ここには10/21以降のデータも含まれている。それを京都新聞と同じフォーマットでグラフ化した。

琵琶湖循環

2019/10/16のデータでは確かに、それまでの底層の溶存酸素濃度は例年に比べ大きく下回っていたものが、2018年の同時期のそれに追いついた形となっていた。しかしその後の推移を追跡すると、11/9時点では再び2018年データから大きく下回る数値となっている。
そこで同地点の水温データについて比較した。今津沖中央部の表層(0.5m)と底層(水深90mの底から1m地点)の水温の変化を下図に示す。

琵琶湖水温

図には、季節により表層水温が大きく変化しているのに対して、底層水温はほぼ一定で推移している。そして2019年の底層水温は2018年に比べて終始約1℃高くなっている。これは台風19号の通過した10/12前後にあっても変わっていない。

水温から見る限り、10/12に全層循環が起こったとは考えにくい

では2019/10/16の溶存酸素データは何だったのか?仮説をいくつか挙げてみる。

a. データの揺らぎの範囲内
 より長い目で見れば、本年度程度の低酸素状態はあり得ることであり、取り立てて珍しいことではない。
b. 局所的データだった
 局部的なターンオーバーは確かに発生したが、全層をかき回すほどの規模ではなく、全体としての溶存酸素濃度は台風前に戻っていった。
c. 誤測定
 台風により測定器・送信機等に異常が生じ、誤差を含んだデータが測定された。

私としてはa.の可能性が高いように思えるのだが。。。
もう少し追跡調査してみよう。

 49.琵琶湖底層の溶存酸素濃度と台風の関係
につづく
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