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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

53.外来生物2020年問題のその後

2019年の6月にこのブログでも取り上げた外来生物をめぐる2020年問題は、その後どうなったのか?追跡調査してみたい。
 外来生物 2020問題を考える -1: 愛知目標と外来生物法
 外来生物 2020問題を考える-2:生物多様性国家戦略

上で解説した2020年問題をかいつまんで説明すると、
1. 2010年に名古屋で開催されたCOP10「生物多様性条約第10回締約国会議」において採択された愛知目標に従い、2012年に制定された生物多様性国家戦略において2020年までに生物多様性の損失を止めるための個別目標を策定した。
2. その20項ある個別目標の第9項として「2020年までに、侵略的外来種及びその定着経路が特定され優先順位付けられ優先度の高い種が制御又は根絶される。」とされている。
3. その優先度の高い種として「総合的に対策が必要な外来種(総合対策外来種)」のうちの魚類は31種。そのうち特に緊急度の高い種である緊急対策外来種は以下の4種。
 チャネルキャットフィッシュ
 ブルーギル
 コクチバス
 オオクチバス

4. 上記4種は最優先で制御または根絶されるべき種であり、それは180か国が参加したCOP10における国際的約束事となる。

ここまでは紛れもない事実。しかし現実的にはオオクチバス等の外来種を2020年中に根絶することなど不可能であり、それに代わって何かしらの目に見える形での成果を国として示す必要がある。すなわち根絶への道筋を付けることが最低限でも求められる事になるだろうと推察した。そしてそれは、国または自治体としての法整備や条例制定だろう。つまり全国的にバス等のリリース禁止が条例化される可能性があると推察した。

しかし2020年も終わろうとしている今、日本も世界も生物多様性どころではなくなってしまった。コロナが全てを押し流してしまった。バスやナマズなどにかまっていられないのだ。具体的に行政の動きを見ていこう。

外来生物問題の所轄部署は環境省。先の生物多様性国家戦略も当然、環境省が制定した。外来生物を「入れない」「捨てない」「拡げない」という原則は今年も変わっていない。逆に言えばチェックポイントである2020年に向けて、新たな動きはないのだ。
https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/gairaisyu_yobou.pdf

環境省のHPには2020年度においても新たな外来生物対応策が載ってはいるが、緊急対策外来種についての動きは皆無。載っているのは外来ザリガニやハヤトゲフシアリといった生物についての新たな規制についてのみだ。

しいて挙げれば、湖沼における魚類の「効率的なモニタリングに向けた新技術の検証」として環境DNAから魚類の生息状況を推定する手法を確立しようという研究の促進くらいだ。
環境DNAによる生息状況の推定については、このブログでも「42.湖の水コップ一杯でそこに棲む魚が分かる!」を紹介した。今や琵琶湖の水コップ一杯から、そこに住む魚類が推定できるのだ。なので行政は何を今さらとも思うが、まあ研究段階から実用段階に移ったと見ておこう。

ここまでは行政側に大きな動き無し。では自治体レベルではどうだろうか。
「外来生物 2020問題を考える-2:生物多様性国家戦略」では私は、2020年までに条例によりバスのリリースが禁止となる自治体が増えるのではないかと予想した。しかし結果はほぼ動きなし。
2019年時点ですでにリリース禁止となっていた自治体がそのままリリース禁止をうたっている。他に条例を追加した自治体は今のところない。

ちなみにUTandGT氏のブログに全国の自治体のリリースの可否がまとめられている。ざっくりと言えば関東以北の各県と滋賀県がリリース禁止(47都道府県中14県)となっているが、例外も多い。
細かく見ていくと、芦ノ湖はなんと25cm以下のバスはリリースしなければならないのだ。そして持ち帰れるバスの尾数も5尾までと、マス類の15尾より制限されている(もちろん死魚限定)。保護が行き届きすぎるほど行き届いていて、ちょっとびっくり。一方でブルーギルは一切リリース禁止となっている。

UTandGT氏は「まだまだバス釣りはできる」と書いているが、リリース禁止になっても釣りはできるので、そこは悪しからず。アユやウナギをリリースしないのと同様、リリース禁止でも釣りはできるのだ。
じゃあ釣れたバスはどうするのか? 食べればいいじゃん!本気でそう思っている。猫の餌でもいいでしょ。その辺は「外来生物 2020問題を考える-4:喰うか喰わせるか!」で述べた通りだ。

こう見ていくと、外来生物2020年問題はコロナに吹き飛ばされた格好だね。日本だけじゃなく世界中で同じ状況だから、COP10の愛知目標自体を見直さざるを得ない事態になっているのだろう。プライオリティを考えれば当然だ。

とは言え生物多様性の重要さは変わらない。今後も世界でその動きは加速していく。その中で我々バサーが何を考え、どう行動していくべきなのか。考えるバサー、考えるバスブログとしては引き続き着目していきたい。
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