プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から
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1.魚類の視角に関する研究

人は色をどのようにして感じているのだろうか。ここではまず、色覚知のメカニズムを解説し、そこからどのように見えているのかを、過去の文献を引用しながら考察していきたい


 人の(人に限らず動物の)眼は、外界の光を網膜上に結像し、このスクリーンに結んだ光を網膜の感覚器である錘体および桿体で感じ取ることで、物体の視覚的情報を得ている。この錘体および桿体は、網膜上でその分布区分があり、中心付近に錘体、周辺部に桿体が存在する。そして色を感じることのできるのは錘体のみであり、桿体は光の明暗を感じるだけである。しかも錘体の分布は眼の中心から、視野にしてわずか2°の範囲に限られ、それよりも外側は本来、色を感じ取ることができないモノクロの世界となる。
「なに言うてんねん。わしの見えているもんには全部色が付いとるわい。」
西の御人は言うかもしれない。ところが事実なのである。

 実験をしてみよう。色の付いた紙を何枚か用意すれば簡単にできる。
1) まず自分の正面に何か注視できるものを置いて、これだけを強く見つめ続ける。
2 )この状態で用意した色紙を、手をいっぱいに横に延ばした状態で持つ。
ここではまだ色紙は見えないはず。
3) 徐々に手を前の方へ移動していくと、色紙の存在は確認できる位置にくる。しかし まだ、その色は確認できない。(ちゃんと正面を注視し続けないとだめだよ。)
4) もうちょっと前(正面から30°くらい)までくると、ようやく何色か見えてくる。
5) ここから逆に手を横方向へ戻してみよう。一回認識された色紙は、かなり後ろまで 戻しても色が付いているように見える。

「なるほど、色がわかるのは記憶によるものが大きい訳ね。」
東のお方はおっしゃるかもしれない。その通りなのである。

 色の認識は一瞬、視線を移したことにより錘体で感じ取られた色を記憶していることで、脳が画像情報の補正をしているのである。その他にも直接錘体が見なくても、過去の記憶から色補正を行う場合もある。
いずれにしても我々は、視線の中央部でだけ色を認識し、周辺部では明暗、ものの動きだけを識別しているのである。
(”色彩ワンポイント” 日本規格協会)


 さて、本題に入ろう。それでは魚の場合、どうなっているか。
 魚の両眼は人に比べて側面に位置しているため、片眼視野はほとんど360°全部にわたっている。逆に両眼での視野は、正面から約30°の狭い範囲に限られる。そしてやはり、色を認識できるのはほとんど正面のわずかな範囲のみとなる。魚の場合に記憶による色の補正がどの程度行われているのか、まだ定かではない。が、側方については人の場合以上に光の明暗あるいは動きしか感じられないとみるのが妥当であろう。
 次に垂直方向の視覚分布はどうであろう。これは眼底における錘体および桿体の分布密度を調査することにより知ることができる。魚の場合、魚種により面白い結果が現れている。これは海水棲の魚種についての研究結果であるが、マグロ、鰹の仲間では眼底の下半分に錘体、桿体が密度濃く分布している。一方、鯛等では上半分の分布密度が高い。これは何を意味するのか。

 お気付きの諸兄も多いかと思うが、魚の食性による視点が影響している。すなわちマグロ、鰹の仲間は自分より上方にいる小魚を、下方から監視し捕食する。逆に鯛は海底にいる海老等を上から発見して捕食する。これら餌食を魚の目のレンズ(水晶体)を経て眼底に結像したとき、マグロ、鰹では下半分に、鯛では上半分に錘体、桿体が多く分布していることが求められるのである。
ではバスの場合、どうであろうか?残念ながら現在のところ、直接的にバスの視神経について研究したという文献はない。しかしバスの体型、および目の位置から推測して、バスは本来、主に上方の小魚を捕食して生きてきたと考えられる。図に示した魚体の断面形状と目の位置を参照して頂きたい。
 日本で捕獲されたバスの消化器の内容物を調査した研究では、海老類の占める割合が非常に多いという結果が示されている。これは日本の湖河におけるバスの対象として、海老の存在が非常に大きな割合を示している事実に基づくものであるが、たかだか2,3十年の日本での生息史により食生活は変わっても、バスの本来的な体構造までは変格していないと考えるのが妥当であろう。

魚体と視覚

 まとめに入ろう。バスを釣ろうと考えたとき、バスの持つ視覚という観点からは以下のプランが立てられる。

(1) 魚は動くものに対しては、360°の視野をもつ。ファストムービングルアーは、 どこでどちらを向いているかわからない魚に対し、非常に有効である。
(2) 魚は正面にあるものの色しかわからない。魚の位置や向きと唐変木な場所で、必 殺のカラーを決めてみても無駄である。ファストムービングで色を凝ることも、あ まり意味はない。
(3) バスは上目使いである。いつの世もトップ、サーフェィスが基本!
(4) バスの位置が特定できて初めて、小さな動き、複雑な色が効力を発揮する。あた りが無いからといってルアーの色を変えるよりは、バスが今どこにいてどの水深を 意識しているかを探ることが重要である。そのためのルアーチェンジをする事。
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