FC2ブログ
プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

38.北浦上流部がアルカリ温泉水になっていた

前回までの琵琶湖水質シリーズに続き、My Home lake 北浦はどうなっているのか調査した。するととんでもないことが分かってしまった。北浦上流部はまるでアルカリ性の温泉水のような強アルカリなのだ。

全国各地の河川の水質は、国土交通省「川の防災情報」に公開されている。利根川水系でも霞ヶ浦、北浦に何ヶ所もの自動測定所があり、水温・PH・DO・COD等のデータを知ることができる。(地点によりデータの欠落はある)

今、北浦上流部の安塚観測所を選択してみよう。すると2019年4月15日から1週間の水質データが表示される。4月15日であれば、水温は4時に最低温度の13.5℃を記録し、17時に最高温度の15.4℃に達する。いよいよバスのスポーニングシーズン突入だ。

安塚

しかし待てよ。ここで表されているpHの値は何だ? 最高10.5? おいおい、それじゃ強アルカリ温泉水だぞ。全国を見回したってpH10以上なんていう温泉はそうそうないぞ。お肌つるつるだ。
これが神宮橋まで下ってくるとだいぶ薄まってpH8.8くらいになる。それでもまだ環境基準に示された「湖沼A類型」のpH基準値:6.5~8.5には収まらないのだが。

神宮橋

pHはご存知ですよね。中性水はpH7.0を示し、それ以下が酸性、それ以上がアルカリ性となる。環境基準は中性よりもかなりアルカリ性寄りに基準幅を持たせているが、魚類にとっては中性~弱酸性の方が適しているのだ。
そしてpH10.5というのは温泉でもかなりアルカリ性の強い温泉になる。いわゆるお肌つるつる温泉だが、こういった温泉ではあまり長時間浸かることを勧めていない。肌を痛めるのだ。せいぜい10分と言われている。

これはひどい。どこの魚が好き好んで奥秩父の温泉みたいな水に浸かりに来るもんか。当然、魚たちはより住みやすい下流域に移動するだろう。


しかしなぜ北浦上流部の水がこんなにアルカリ性を示すのか?
もう一度、表を見てみよう。安塚と神宮橋ではpHの他にDOと導電率にも大きな差が見られた。DOとは溶存酸素量、文字通りの意味だ。環境基準値はB類型で5mg/L以上。両地点とも十分だ。いや十分すぎる。
導電率? 水質調査で導電率を測るとは知らなかった。導電率とは電気コンダクタンス、すなわち電気の通りやすさを示す値だ。お馴染みの抵抗値(Ω)の逆数になり、ジーメンス(S)という単位で表す。値が大きい程、電気を通しやすくなる。よって雨水では1~3mS/m、海水は4500mS/mだ。海水は塩分を含んでイオン化しているので当然、導電率は大きくなる。ここは河川下流で観測される20~40mS/mを参考値としよう。

すると安塚の導電率は28~29 mS/m、神宮橋では約45 mS/mと記録されている。
河川水の汚損の目安である導電率は神宮橋が高く、溶存酸素量は安塚が高い。そして安塚のpH値の異常な高さ
このpH上昇の理由については、さらに深堀したいと思うが、現時点では材料が足りないので次回以降に検討する。


いずれにしても、こんなアルカリ性の強い水に好き好んで寄ってくる魚はいない。ほとんどの魚類にとっては中性(pH 6~7)が適している。pH10超えの異常環境には、魚に限らず生き物は留まってはいないだろう。

確かにこれまでこの地域がいいポイントになっているという話は聞かれない。私はよく(東日本大震災の前)金上からレンタルボートを借りて釣りをしていた。その時も金上よりも上流では良い釣りをした事がなかった。
この水域は夏にはアオコの大量発生で近づくのも嫌になるくらいだったのだが、それ以外の時期もあまり水がいいとは言えない状況だった。鉾田川からの流入があるのにも関わらずだ。
釣果の乏しさはこのアルカリ性水との関係が大いに疑われる。

なんだ、これからは水温計だけでなくリトマス試験紙も釣りに必要になるのか?
関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

バスリンク
バス記事満載、釣りブログはこちら
にほんブログ村 釣りブログ バスフィッシングへ
にほんブログ村 釣りの世界
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム
検索フォーム