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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

48.琵琶湖水深別水質調査における溶存酸素濃度

前回は京都新聞に掲載された記事についてコメントしたが、その元データは滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの琵琶湖の水質調査データだ。
 https://www.lberi.jp/learn/biwako/water

滋賀県琵琶湖環境科学研究センターでは毎月2回琵琶湖の水深別水質調査を実施しており、随時データを公開している。京都新聞の記事は2019/10/21までのデータについて述べており、10/16の時点で第一湖盆底層溶存酸素濃度が一気に上昇し、例年並みとなったとされていた。これは10/12に通過した台風19号による強風のため、全層循環がなされたためであると推測している。

しかし私は、全層循環であれば表層温度も一気に下がっているべきだと考え、その矛盾が引っかかっていた。今回、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの全データを入手し、再検討してみた。ここには10/21以降のデータも含まれている。それを京都新聞と同じフォーマットでグラフ化した。

琵琶湖循環

2019/10/16のデータでは確かに、それまでの底層の溶存酸素濃度は例年に比べ大きく下回っていたものが、2018年の同時期のそれに追いついた形となっていた。しかしその後の推移を追跡すると、11/9時点では再び2018年データから大きく下回る数値となっている。
そこで同地点の水温データについて比較した。今津沖中央部の表層(0.5m)と底層(水深90mの底から1m地点)の水温の変化を下図に示す。

琵琶湖水温

図には、季節により表層水温が大きく変化しているのに対して、底層水温はほぼ一定で推移している。そして2019年の底層水温は2018年に比べて終始約1℃高くなっている。これは台風19号の通過した10/12前後にあっても変わっていない。

水温から見る限り、10/12に全層循環が起こったとは考えにくい

では2019/10/16の溶存酸素データは何だったのか?仮説をいくつか挙げてみる。

a. データの揺らぎの範囲内
 より長い目で見れば、本年度程度の低酸素状態はあり得ることであり、取り立てて珍しいことではない。
b. 局所的データだった
 局部的なターンオーバーは確かに発生したが、全層をかき回すほどの規模ではなく、全体としての溶存酸素濃度は台風前に戻っていった。
c. 誤測定
 台風により測定器・送信機等に異常が生じ、誤差を含んだデータが測定された。

私としてはa.の可能性が高いように思えるのだが。。。
もう少し追跡調査してみよう。

 49.琵琶湖底層の溶存酸素濃度と台風の関係
につづく
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