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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

10. 琵琶湖南湖の早春の水流と水温

 (遠藤、最近の測流結果からみた琵琶湖の流況、地質学論集第36号1990)より

 冬2月、湖の水温は年間を通じて最低温度に達する。これ以降、湖の水温は上昇に転じ、植物相も魚類も春へと向かう。いいね!いよいよバスのシーズンインだよね!でも春はどこから来るんだろう。湖全体がある日突然、ハルッ!!って宣言するわけでもなかろ。湖の中でも、「ここから春がやってくる」っていう場所があるんだよ、きっと。
 前出の遠藤は、琵琶湖南部の冬から夏への水温分布、濁度分布から南湖における湖水の大きな流れを解析している。けっこうおもしろいよ、これ。
 
 遠藤によれば、南湖と北湖の境界とされている琵琶湖大橋は、まさに水文学上からもその境界とするにふさわしいそうだ。図1を見てほしい。これは12月の南湖の表層水温分布を示したものである。これによると南湖の水温は、琵琶湖大橋の南3km付近にあるフロント(境界)を境にして、南下するに従い急激に低下していく。また電導度、濁度の図からは、赤野井湾が汚濁水の源と考えられる明確な分布を示している。
 これが夏、8月の分布では、水温については逆に赤野井湾が最高温域となり、琵琶湖大橋付近に最低温域が現れる。電導度、濁度については1年を通して赤野井湾内が最大値を示す。

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 これは何を示しているのか?遠藤はフロントが湖西部で南に湾曲している点に着目し、北湖水が西岸沿いに南湖に侵入し、逆に南湖水は東岸沿いに北上するというダイナミックな水流が発生しているものと推論している。図2を見てほしい。これは和邇沖から大津沖にかけての琵琶湖大橋前後の西岸における、水温、電導度、濁度の鉛直断面分布である。これによると西岸では水深5m以深において、高濁度の南湖水が北へと流れ込む様子がうかがえる。これは密度流と呼ばれる流れである。

akaino3.gif

 さあ、バス釣りの話にもどろう。
春といえば赤野井湾。よく聞く話である。早春の琵琶湖でプリスポーニングのバスを狙うなら、赤野井だぁ!
でも鵜呑みにしていいのかな?
確かに赤野井湾は広大なシャローをかかえて、バスのよいスポーニングエリアになるだろう。でもどうやらベストポイントとは言えないんじゃないか?少なくとも早春の赤野井は決して水温の上昇が早い地域ではないということは、上のデータでも明らかだ。(水深の浅さを考慮しても、なお!)さらにより下流から流れ込む高濁度の水質、水の循環しにくいワンド、北に開けた日射を受けにくい地形。
 こう考えると俺が文献から導いた早春のベストポイントはむしろ西岸にあると結論付けられる。

 早春、西岸はどうなるだろう。
北湖から流入する水は温かく(大津沖と琵琶湖大橋では4℃も違う!)、しかも新鮮だ。東北から南西に伸びる南湖では、西岸はより強い日照を受ける。いいことずくめじゃん!
 もちろん赤野井のような広大なシャローはないけれど、実はバスのスポーニングには、そんなに大きなシャローはいらないんじゃないか?最近、そう思う。だってバスは成魚になってからは群で行動する魚ではないし、生殖についても雌雄が1つのペアを作っていくわけだから、1つのネストができる環境がよりよい方にスポーニングエリアを形作るんじゃないか。つまりよりミクロな環境として、スポーニングに適した水域に強いバスが付く、そう思うんよ。

 そう考えると、強いバスのスポーニングエリアは西岸の小さなシャロー!これだな、うん。
もちろん琵琶湖大橋より北側もスポーニングエリアとして考えられるけれど、急峻な岸の形状からシャローを探し出すのは、バスにとってもしんどいんだろう。一気に北湖の北端まで行けば話は別だろうが、やはりここでは南湖西岸をチョイスしよう。

どうだ!!
 
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