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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から
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11.コクチバスによって捕食されるウグイの最大体長

( 日本水産学会誌 67(5) 2001;片野,青沼 (水産総合研究センター) )

本研究の第一の目的は、コクチバスが捕食することにできるウグイの最大体長をもとめることにある。様々なサイズのコクチバスとこれも様々なサイズのウグイを実験水槽に入れ、どのサイズのコクチバスがどのサイズのウグイを捕食したのかを実験調査した。加えてコクチバスがウグイの捕食時にどのような行動を取ったのかも観察した。

(1) コクチバスの捕食限界
実験用のコクチバスは木崎湖でミミズを餌に釣った。9.6~31.0cmの20匹。実期間は、2000年8月2日~10月21日。実験水槽は120*40*45cm。コクチバス1匹とウグイ5匹を水槽に入れ、捕食行動を観察する。
まずコクチバスの体長および口の大きさと、ウグイの体長を計測した。コクチバスの標準体長SLと、口を最大に広げた場合の内径の縦長VLおよび横長HLとの関係は以下のように与えられた。
 縦長:VL=0.675+0.095SL
 横長:HL=0.321+0.133SL

ウグイは2.7~18.0cm。1匹のコクチバスの大きさ毎にウグイの大きさを変えていき、捕食されずにいたウグイの最大長を、各々の大きさのコクチバスに捕食されるウグイの最大長と判断した。逆に言えばその最大長以下のウグイは全てコクチバスに捕食されていることとなる。
実験水槽に入れられたウグイは合計216尾。うち26尾は実験中に死亡したが、その体にはコクチバスによる咬み跡があった。実験結果をTable 1 にまとめた。
Table 1によれば、9.6cmのコクチバスの捕食限界は6.2cmであり6.7cmのウグイは捕食されずに残った。同様に3.15cmのコクチバスでは捕食限界は14.9cmであり、15.4cmは残ったと示されている。

Table 1

実験により求められたコクチバスの体長と、攻撃されたウグイの限界体長をFig 5 に示す。実験結果から、コクチバスによって食べられたか攻撃されたウグイの最大体長(IL)は、コクチバスの体長(SLS)と強く相関し、
IL = 0.452SLS + 2.559 (cm)
となった。

Fig 1

他の研究者の結果も紹介しよう。
Zimmerman がコロンビア川などでコクチバスの胃内容物を調査した結果から求めた捕食される魚の最大体長は、
Y = 0.41X + 3.38 (cm)
で与えられた。これは今回実験の相関式と近似している。
また田畑・柴田の実験では、オオクチバスはその体長の62~72%の大きさのコイを捕食した。Shiremanらはフロリダバスにソウギョを与えた場合、バスの体長の42~68%が限界サイズとなることを報告した。

Fig 5

いかがであろう。諸兄の経験値と一致するだろうか。ラージマウスでは自分の体長の約60%までのベイトを、スモールマウスであれば45%までのベイトを捕食することになる。

(2) コクチバスの捕食行動
我々はむしろ捕食されるベイトのサイズよりも、どのように捕食していたのかという捕食行動に、より興味をそそられる。バスはどのようにベイトにアタックするのか? 筆者は観察により明らかにしている。

今回の実験においてコクチバスがウグイを襲う行動は合計で162回観察された。そのパターンは
A.コクチバスが30cm以上離れた地点にいる2尾以上のウグイの群れに突入したケース。=124回(76.5%)
B.底部で停止している単独のウグイに上部から近づき捕食するケース。=29回(17.9%)
C.停止していたコクチバスに10cm以内に近づいてきたウグイを捕食したケース=6回(3.7%)
162回の捕食行動のうち、実際にウグイが食べられたのは3回だけ。

捕食の捕食形態を観測できたのは15回。
1)ウグイの頭部から咥える、呑み込む:10回 (33.7%) 
2)尾部から呑み込む:4回 (26.7%)
3)腹部から咥える:1回 (6.7%)

ウグイはコクチバスに追われるうちに群れを形成することがある。ウグイは水面10cm以内で泳ぎながら、頭部を水面に向け尾部をコクチバスに向けて群れをなす。バスに襲われると四方八方に散らばって逃げ、再び同様の群れを作った。

捕食行動はウグイの群れに突進する場合と、単独のウグイを狙う場合に分けられ、後者は待ち伏せ型と、水底にいるウグイに上部から近づく接近型に分けられる。
Rankin は小型中型のコクチバスは単独で摂食することがほとんどだが、大型のコクチバスはしばしば群れを形成して集団で襲うことを指摘している。

どうですか。捕食形態のAなんか、思い当たるよね。と言うかこれを意識したのがアラバマリグでしょ。スピナーベイトもその小規模版ってところか。

そして意外だったのはスモールマウスバスがウグイを頭から捕食すること。イメージでは下からアタックして腹、あるいは追いかけて尾からバイトするものと思っていたが、事実は(少なくともライブベイトの場合)ほぼ頭から一飲みなのだ。確かに我々の実釣でも、ミスフックがどのような状況で起こっているのかは知る由もない。しかし考えるに、トレブルフックの付いたハードベイトで腹や尾からバイトしたにも関わらずフックに掛からないって、普通起こるかね? ひょっとしたらこの時、バスは頭からルアーにアタックして事なきを得た(フックがないんだから)って事なのか? するとルアー頭部のアシストフックは効果ありってことになる。これは一考に値するね。クランクベイトやミノーのアシストフックか、試してみる価値はありだな。

さあ、また一つお利口になってしまった・・・
 
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