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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

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12.ブルーギルの繁殖行動

(「動物の行動と社会」,日高,放送大学教材より)

 今回は男と女のお話です。たぶん釣りには何の役にも立ちません。むしろ人生のお役に立てるのではないでしょうか?(嘘つけ!)

 ブルーギルのオスは基本的には繁殖時になわばり(ネスト)を作り、メスを呼び込んで産卵を即し、卵を保護し育てるという繁殖形態をとる。オス同士はメスをめぐって闘争し、強いオスがよりよい条件で子孫を残すことができる。動物界の鉄則だね。人間界くらいだよ、弱っちいオスでも子孫を残せるのは・・・。

 しかしここに、奇妙なオスが存在する。なわばりを作るオスは通常7歳ぐらいまでは性的に成熟せず、その後3~4年繁殖を続ける。一方ここに、生物学用語でスニーカー(sneaker)と呼ばれる2歳で成熟するオスがいる。彼らはその小さな体では、なわばりオスにかなうはずもないが、ネストに入ったメスになわばりオスの目をぬすんで近づき、素早く精子をかけてそのまま逃げていく。一生懸命ネストを作ったオスはバカみたいなもんだが、そのままメスが産卵した卵を育てることになる。sneakerとは「こっそり近づく奴」、「コソ泥」なんていう意味もある。こっそり歩けるようなゴム靴のことを指すのも、ここから来ている訳だ。
 小さい体を利用して安心感を与え、隙を見てやっちまう。まさに湖のハンバーグ井戸田と呼んでやろう。

 ところがこのスニーカーも5年もたつと体が大きくなってしまい、こっそりメスに近づこうものなら、なわばりオスに攻撃されてしまう。で、彼はどうするか?
 何とメスに変身するのである。いや、性的にはオスのままだが、外見(体色、体型)をメスのように変えるのだ。こうなるとなわばりオスは攻撃するどころか、ネストに招き入れて求愛したりしちゃう。当然、すでにネストに入っているメスにも、このオカマちゃんは容易に近づけるわけで、これまたなわばりオスの隙をねらってメスに精子をかけて逃げて行っちゃう。このオカマちゃんのことを、サテライト(satellite)と呼ぶ。ご存じ「衛星」という意味だけど、「居候」なんていう意味にも使うんだよ。
 女だと思っ安心していたら、オイシイところを持っていっちまう。これぞ野池のクリス松村戦略ではないか!

 このスニーカーという生態は、ブルーギルだけではなく例えば鮭の仲間にも見られる。例えばギンザケの場合は、3歳まで海で育ってから産卵のために川を遡上するオスの「ハナマガリ」が一般的だが、もうひとつ、ジャックとよばれるオスがいる。ジャックは海には半年しかいない(個体によっては降海しない)。外見もハナマガリとは全く異なり、小さな鱒のように見える。この目立たない体をいいことに、こっそり産卵中のメスに近づいて放精するのである。
 こういった繁殖行動はサクラマスやミヤベイワナ、オショロコマなどにも見られる。

 やれやれ、魚の世界も人間界もおんなじだな。いや、人間が魚に近くなってきているのかな?メスをゲットするのも大変だぜ、ご同輩!
 
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