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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から
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14.移植されたコクチバスの繁殖特性

(水産増殖 49(2), 157-160 (2001); 井口、太我)

いよいよ春の到来だ。バスはスポーニングに向かい行動を始める。では諸兄はバスのスポーニングについてどの程度知っているだろうか?どこにネストを作り、どういった行動を取るのか?筆者らは、青木湖および野尻湖におけるコクチバスの産卵床の調査を行い、その分布や特徴についてまとめた。もちろん論文は外来種としてのコクチバス排除のための基礎情報を提供するものだが、幸か不幸か、釣る側の人間にもとても参考になる。いやこの際、ネストのバスを撃ってコクチバスの爆発的増殖を防ごうではないか!(私は半ば本気で言っている)

調査は長野県青木湖加蔵と、野尻湖野尻,立が鼻および大崎。調査日は2000年6月13~21日。当地では産卵時期とされている時期だ。調査は実際に潜水して目視確認により実施した。(Fig 1参照)
それら4か所でバスのネストが見られた地点をプロットしたのがFig 2である。一見して桟橋(Pier)があれば、その周辺に集中していることが分かる。

13-Fig 1

13-Fig 2

さらにTable 1には、ネストのショアラインからの距離と水深、桟橋や大きな石等(cover)からの距離、ネスト内外の水底の砂礫の大きさが示されている。これによるとネストのある地点の水深は85~123cmと、ほぼ1mラインをキープしている。一方、ショアーラインからの距離は6.2mから32mと大きくばらつきがある。コクチバスはネストを水深で選んでいることになる。
そして野尻や立が鼻のような桟橋というはっきしとしたcoverのある地点はもちろん、大崎や加蔵のような桟橋のない地点でも、大きな石をcoverと見立て、そこから28~148cmという近距離にネストを作っていた。
さらに水底の砂礫(sunstratum)については、その粒径をスコアとして表記しており、スコア1(粒径1mm以下),2(1~10mm),3(10~20mm),4(20~50mm),5(50mm以上)として測定した。Table 1では測定された砂礫粒径の平均値を表記している。それによるとネスト内外の平均粒径はスコア2.4~4.2、10~40mm程度と思われる。即ち砂や泥質ではなく、細かな砂利質が選ばれている。
そしてネストは集中分布しており、隣り合うネスト間の距離は2.4~6.8mであった。

13-Table 1

ネストのサイズは236~11226平方cm、円形であればその直径は17~59.7cmとばらつきがみられる。Carrが行った研究(1942年)によれば、オオクチバスは自分の体長の約2倍のネストを作るとされている。これはバスがネストを、頭を中心として尾を回転させるようにして形作るためである。本研究ではネストサイズとcoverの大きさとの相関を求めており、Fig 3によると、大きなネストほど大きなcoverに付くことが示された。

13-Fig 3

そして特筆すべきは調査の最も遅かった加蔵において観察されたネストは、小さくしかもcoverから遠かったという点だ。これはバスが大型の魚体からスポーニングに入るため、遅れてネストを作った小さなバスは、条件の悪いcoverから遠い地点に作らざるを得なかったものと推察される。

観察を行った6月中旬の時点で、観察したネストの総数は88、その約50%にはコクチバスの卵あるいは仔魚が確認されている。実際にネストにネストを守るコクチバスがいる事も観察されたが、素早く逃避し数の確認には至っていない。

いかがであろうか。たいだい我々バサーが思い描いているイメージに近いのではないか。あらためて参考とすべき事項をまとめよう。
1) コクチバスは水深1mラインの障害物の近くにネストを作る。
2) ネストの水底は砂利質。
3) 大きなバスほど大きな障害物の近くにネストを構える。
4) コクチバスはネストを集中的に作り、1つネストがあればそこから2~6mの所に次のネストがある。


論文ではコクチバス排除のために、人工的なcoverを湖底に沈め、産卵期を待って親魚を一網打尽にすることを提案している。その際、たとえネストに卵や仔魚が残ったとしても、ウグイやコイ等が捕食するだろうと述べている。これも自然の摂理だ。

ネストのバスを釣ることに否定的なバサーも多い。しかし私的には「ネストのバスは撃つ!」それでいい。何度も言うが釣りにより無駄に魚の命を奪う事はしない。しかし自然の摂理のなかで淘汰されるのなら、今の状態のバスは数を減らした方が良い。ましてやスモールマウスバスの違法放流など、言語道断!
みんな、よ~く考えてくれよ。

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