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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から
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15.滋賀県湖南地域における魚類の分布パターンと地形との関係

(陸水学雑誌 62:261-270(2001);中島(琵琶湖博物館)ら)

 バスを求めて琵琶湖本湖から周囲の内湖やインレットにまで進出しようとしてる諸君、耳かっぽじってよく聞き給え。そんなところにランカーはいない。ブルーギルばっかだよ。と言う事を琵琶湖博物館さんが調べてくれています。ちゃんと耳を傾けましょう。

「琵琶湖の沿岸帯の内湾や内湖はかつて最も豊かで多様な魚類相が見られ(牧,19164)、仔稚魚 の成育場所としても重要であった(平井,1970)。しかし現在では、北アメリカ原産のブルーギルLepomis macrochirusやオオクチバスMicropterus salmoidesなどの外来種によって優占され、在来種の生息数が極端に減少し単純な魚類相になっている。
 今回、1998年3月から2000年11月に、琵琶湖南湖周辺の10市町村の琵琶湖湖岸、内湖、河川、小河川、水路、池などの879地点を調査した(Fig,1:草津市,守山市,栗東市,中主町,野洲 町,石部町の全域,近江八幡市,大津市,志賀町,甲西町の一部)

 採集は主にたも網により実施し、採集された魚は、16科42属55種(亜種を含む)であった。 全採集地点(Fig.2-A)および魚種毎の採集地点をFig.2からFig.5に示した 。」

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まあバサーが真っ先に知りたいオオクチバスのテリトリーは Fig 5のAに示されている。琵琶湖本湖からずいぶん奥に入った所まで生息地を拡大している。ブルーギルは同じく Fig 5のB。こちらは本湖周辺に特に集中していると言える。では、そこには他にどういった魚類が生息しているのか。筆者はクラスター分析という手法で本データを解析した。

「分布パターンで魚種を分類するために20ケ所以上で採集された魚種を対象にクラスター分 析を行った結果、AからDの4つのクラスターが不明瞭ながら認められた。
調査地域の地形をデルタ、扇状地、丘陵・山地 に区分したものである。野洲川下流域平野を 中心とする湖東平野では標高86mと87 mの間に傾斜変換点があり、ここより湖側をデルタ帯とし、山側を扇状地帯(扇状地性低地と扇状地)とした。

a) クラスターAに含まれる魚種は、デルタ帯から扇状地帯,河川平野(野洲川中流域平野や瀬田川・大戸川沿いの平坦部)に広く分布する。
オイカワ,カマツカ,アユ,ヌマチチブ,ウキゴリ,オオクチバス
b) クラスターBには多くの魚種が含まれる。これらの魚種もクラスターAと同様に、デルタ帯から扇状地帯、河川平野に広く分布する。
カワムツA,タモロコ,ヤリタナゴ,メダカ,モッゴ,ギンブナ,コイ,ドジョウ
c) クラスターBには多くの魚種が含まれる。これらの魚種もクラスターAと同様に、デルタ帯から扇状地帯、河川平野に広く分布する。
カワムツB,ドンコ,カワヨシノボリ
d) クラスターDはブルーギルのみで、主としてデルタ帯に分布している。
ブルーギル

これはいわば各魚種のテリトリーを示すものであり、オオクチバスはオイカワ,カマツカ等と同様、丘陵・山地を除く水域に広く見られている。ブルーギルは主にデルタ地帯に生息している。驚くべきはFig.3のPに示された野洲川支流のオヤニラミ、及びFig.5のCに示された法竜川のジルティラピア。筆者はこれらは人為的なもの、すなわち違法放流であると推察している。
驚いたな、まだ違法放流を繰り返す輩がいるんだ。それらに対する見解として筆者はいかのように述べている。我々バサーは真摯に受け入れる必要がある。

「琵琶湖の沿岸帯や内湖は、ブルーギルやオオクチバスなどの移入種によって優占され、在来種の生息数が極端に減少し単純な魚類相になっている。内湖では魚類相の約80%がブル ーギルであるという報告もある。
閉鎖的な小水域でブルーギルやオオクチバスがその産卵生態に裏付けられた強い繁殖力にものをいわせて増加した場合には、在来魚種との餌や生活空間をめぐる競争、さらにこれらの魚の卵,仔稚魚,幼魚に対する捕食を通じて、在来魚種への淘汰圧の及ぶ可能性が高 くなる。侵入魚種と在来魚種との間のこのような関係は、大きな水系よりも閉鎖的な小水域においてより顕著に現れる(寺島,1980)ことが指摘されている。」

いずれ公開するが、同地域の内湖における魚類の徹底的な調査を行った研究によれば、そこにいたのはほぼブルーギルとオオクチバスのみ。在来種の魚は全滅していたというショッキングな報告もあった。筆者の指摘通り、閉鎖的な小水域にバスやブルーギルが入り込めば、他の魚種は全滅する。その後は恐らくエビを食うか、共食いするかだ。

繰り返し言う。バス釣りを楽しむのは大いに結構。そのバスを再放流せずに岸に打ち捨てろという事は、私にはできない。一方で、違法放流は直ちにやめろ。これ以上バスの生息域を広げてはならないし、その必要もない。
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