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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

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「アカゲザルの交雑種駆除」からブラックバスの現在を考える

前回、千葉県でのアカゲザルの交雑種駆除について考えた。交雑種、外来種生物に対する冷徹な法のあり方に対しては、命の扱い方において不適切だと思わざるを得ない。
では、ブラックバスやブルーギルについてはどうなのだろう。まず我々バサーは事実についてしっかりと認識しなくてはならない。
・ブラックバスは湖沼の生態系を大きく乱し、そこにいた在来種の数を減少させている。
・ある場合にはそこの在来種を根絶させる。

15.滋賀県湖南地域における魚類の分布パターンと地形との関係」でも紹介したが、閉鎖的な小水域にブルーギルやオオクチバスが放流された場合、数年後にはそこにはバスとギルしかいなかったという事例もある。違法放流に言い訳は効かない。

しかし琵琶湖や霞が浦には現にブラックバスが居つき、今やそこの自然の一部と言っていい。それら外来魚種をとうしていけばよいのか。悩ましい問題だ。特定外来生物法上は、捕獲したバスの再放流は禁止され、殺処分しなければ違法となる。その場で殺して打ち捨てろと。
私にはできない。する気もない。バスだろうがギルだろうが。バスは再放流するがギルは岸に打ち捨てるというバサーをたまに見かけるが、何と身勝手な冷血漢だと思っている。違うか?

一方でバスはこれ以上増やすべきではなく、これ以上釣りやすくする必要もない。もちろん違法放流には大反対だ。ネストで卵を守り子育てするというバスの生殖戦略が、在来種に比べ大きなアドバンテージを持つことがバスの繁殖の優位性を保っているのなら、そのアドバンテージを削いでいい。ネストの保護なんて不要だ。ネストは撃て!
バス釣りはもっと難しくていい。何十匹も釣りたければハゼかワカサギを釣りに行けばいい。

話を戻そう。アカゲザル駆除のYahoo News で筆者は、「モザイク的な自然・社会があってもいい」と述べている。詳しくは説明していないが想像するにいわゆるゾーニング、即ちある地域には交雑種や外来種の生存を許してもいい、と提案していると考える。それもありかな、と。
例えば八丈島のキョン。瀬戸内の小島の野生カイウサギ。閉じた孤島で広くそこに生息して自然の一部になっている。いいんじゃないのかな、生き続けて。
逆にドバトやウシガエル、タイリクバラタナゴ。もう根絶の仕様もない。折り合って生きていくしかないし、それらを排除・駆除する納得性のある理由もない。
では小笠原のグリーンアノール、奄美大島のマングースは?。難しいよね。閉じた小さな自然の中で在来の生態を大きく脅かす存在。やはり放ってはおけないと考えるのが自然だ。捕獲した個体をどうするかは別の議論として。

さて、我らがバス君の登場だ。バスはほんの50年前までは芦ノ湖と相模川水系にしかいない生物だった。この時点では八丈島のキョンだった訳だ。それを釣りたいと強く望んだ者だけが、それなりの苦労と工夫をしてやっと手に入れられる存在だった。この時、バスの存在を批判する声はほとんどなかった。閉じられた生息域で釣り人:観光業者:漁業者がWin-Winの関係を保っていた。
なぜそこに留められなかったのか! バスは今や日本中に広がったセアカゴケグモになってしまった。今もどこかの誰かの手によって拡散され続けている。そしてセアカゴケグモ愛好家とセアカゴケグモグッズ業者が、その甘露を享受している。全国に広がったバスを一匹残らず駆除するなんてことはできない。何か遺伝子的な操作でもしない限りは。
しかしバスを、小笠原のグリーンアノールにしてはならない。閉じた小さな湖沼にラージマウスでもスモールマウスでも一たび放流すれば、そこの自然は壊滅する。もう一度肝に銘じてくれ。

じゃあお前はどするのか?自己矛盾と戦っている。バスは増やしてはならない。本気でそう思っている。釣りにくくて結構。大きくなくても結構。一方でバス釣りはやめられない。自然の中に身を置く快感、極上の思考ゲーム、テクニックとツールの融合性、緊張感とリラックスの混在・・・。こんな遊びは他にない。釣りの中でも特別だ。

結論は出ない。今現在の己の感覚があるだけだ。それは、
・ バス釣りを続ける。自然を愛し自然に感謝し自然に従う。
・ ならば釣ったバスの殺処分はしない。放流するか食べるか食べさせるか。
・ バスをこれ以上増やさない、拡散させない。違法放流に反対し、ネストは撃つ。

難しいね。つかじーさんの「蛇の道は蛇」でも御蛇が池のカワウとソウギョ、バスを巡る問題について議論している。非常に突っ込んだ情報を提供してくれており、バスを大事にしたいと言う思いが伝わるブログだ。一方でどこかに自己矛盾、釣り人の自己弁護を含まざるをえない。それはバサーの「業」なのではないだろうか。
我々バサーは心のどこかに、そういう罪悪感、自己矛盾を感じているべきだと思う。
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