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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から
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20.茨城県北浦のヨシ帯における魚類群集構造の季節変化

(碓井ら;日本水産学会誌 81(6)964-972 (2015) )

東京大学、茨城大学、茨城県水産試験が共同調査した本研究は、北浦のヨシ原に生息する魚類の構成を年間を通して調査し、その季節変化を追跡したものだ。Match the bait を標榜するバサーなら知っておいて損はないよ。
例によって論文に記載されている内容は黒字で、私のコメントは青字で表示した。


ヨシを主要な構成種とする抽水植物群落(以下、ヨシ原)は日本国内の湖沼や河川下流域の典型的な水辺植生であり、多種多様な魚類が出現する場所である。抽水植物帯は、沈水植物帯と比べて水中での構造的な複雑性が小さいものの、沈水植物帯と同じように魚類の餌場や捕食者からの避難場として機能していると言われている。最近では保障の岸際がコンクリートで護岸されてヨシ帯が消失すると。7魚類の種多様性と総個体数の低下が起きることが報告されている。
本研究では,霞ヶ浦を構成する湖の一つである北浦に 残存する典型的なヨシ帯において,小型地曳網による 2年間の定量採集を行い,ヨシ帯に出現する魚類の種数, 個体数,種組成,体長といった魚類群集構造の季節的変化を明らかにしたので,ここに報告する。

かつて北浦の湖岸全域には広大なヨシ帯がみられたが,1971 年からの霞ヶ浦総合開発事業の干拓や埋立て,護岸整備によりヨシ帯の多くが直接的に破壊された。近年でも,治水利水のために高水位管理が行われている時期には,波浪による浸食作用などが原因でヨシが倒壊し,ヨシ帯の劣化や消失が続いている。現在,北浦のヨシ帯は流入河川の河口付近や入り江の湾入部など,波浪の影響を受けにくい場所にわずか に存在するのみとなっている。
本研究では,北浦の西岸に位置する宇崎地先のヨシ帯 を調査地に選定した(Fig. 1)。本調査地は入り江の湾入部に位置しているため,波浪の影響を受けにくく,湖岸線に沿って長さ800 m 程度の大きなヨシ帯が存在している。また,水深は1m以浅で,底質は砂泥である。調査地から400 mの位置には,小規模な河川(雁通川)が流入している。

20-Fig1.jpg


ヨシ帯に出現する魚類の季節変化を明ら かにするために,2009 年 4 月から2011 年 3 月にかけ て,宇崎のヨシ帯前縁において(Fig. 1),毎月1 回の 頻度で日中に魚類の採集を行った。採集には小型地曳網 (袖網長4m,高さ1m,目合2 mm×2 mm胴網部の 長さ4m,目合 1 mm×1 mm)を用いた。
ヨシ帯において,小型地曳網により採集した魚類の種数と総個体数および優占種の個体数は,1 曳網(80m2)あたりの平均値で示した。

調査地のヨシ帯における水温,電気伝導度,濁度,溶存酸素量の経月変化をFig. 2 に示した。電気伝導度の平均値は0.18~0.33 mS/ cm の間で推移し,水温と同じように夏季に高く,冬季に低くなる傾向がみられた。一方,濁度溶存酸素量の平均値は,調査期間中それぞれ約18~57NTU と 7.5~14.8 mg/L の範囲で変動し,季節的な変化は認められなかった。

20-Fig2.jpg


調査期間を通して採集された魚類は, 9 科 22 種 13,892 個体であった(Table 1)。科別の種数はコイ科が9 種と最も多く,次いでハゼ科の5 種で, 残りの7 科では1 種もしくは2 種のみであった。個体数では,ハゼ科が8,873 個体と最も多く,全体の63.9%を占め,次いでサンフィッシュ科(2,781 個体,20.0 %),シラウオ科(1,161 個体,8.4%)であった。最も優占した種はヨシノボリ属の一種Rhinogobius sp. で全採集個体数の47.1%を占め,次いでブルーギルLepomis macrochirus macrochirus(19.8%),ヌマチチブ Tridentiger brevispinis ( 12.5 %), シラウオSalangichthys microdon(8.4%),ウキゴリGymnogobius urotaenia(3.6%),モツゴPseudorasbora parva(2.9%),ワカサギHypomesus nipponensis(2.0%),クルメサヨリ Hyporhamphus intermedius(1.4%)であった(Table 1)。これらの 8 種で全採集個体数の 97.7% を占めた。
優占種上位8 種の個体数密度の経月変化をFig. 4 に示した。
ヨシノボリ属の一種は主に春季から夏季にかけて採集され,6 月に個体数密度のピークがみられた。ウキゴリとクルメサヨリの2 種は春季から夏季の数か月間にのみ出現し,5 月から 7 月に個体数密度のピークが存在した。一方,ブルーギル,ヌマチチブ,シラウオ,モツゴ,ワカサギの5種は半年からほぼ周年にわたって出現し,4月から9月に個体数密度のピークがみられた。

20-Fig4.jpg


ここまでで、あれって思った人はいます?そう、成魚がいないのよ、バスの。北浦のヨシ原ならば少しは捕まってもいいと思うが、2年間で捕獲総数25匹、最大長 307mm、出現率は13892尾中の0.18%。これは解析圏外だな。でも、捕獲方法が小型地引網なので、成魚は素早く逃げた可能性が高い。春のヨシ原で全くバスがいないっていうのは寂しいよね。

本研究で採集された魚種の多くは水温が上昇する春季から夏季にかけて繁殖し,成長するものであり,調査期間中にはそれらの成魚や仔稚魚も多く採集された。したがって,このような種数,総個体数,種組成の季節変化は,春季から夏季に繁殖や成長のために多くの魚類がヨシ帯やその近傍に来遊してくることによるものと考えられる。

いずれの種も岸近くで産卵するが産卵時期や産卵基質は種によって異なっており,モツゴは春季に植物体の枝や茎に,ブルーギル は夏季に砂礫底に掘ったすり鉢状の巣に,ワカサギとシラウオは冬季から早春に砂底に,ヌマチチブは春季から秋季に礫などの下に産卵することが知られている。
ワカサギとシラウオについては,沿岸帯から沖帯まで湖全体の表層から底層を遊泳し,ヨシ等の構造物に群れる習性はなく,ヨシ帯での個体数密度は近接する護岸帯と同等,またはそれより低いことも確認されている。

通過遇来型にはヨシノボリ属の一種のみが属した。本種は夏季(主に初夏)に仔稚魚が大量に出現したが, ヨシ帯で成長する傾向は認められなかった。霞ヶ浦において,本種の成魚はウキゴリと同様に流入河川に主に生息するが,仔魚は湖沼で浮遊生活を送り,底生生活へ移行した稚魚が河川へと遡上することが知られている。

以上のことから,本調査地のヨシ帯の魚類群集構造は 春季から秋季の期間と冬季の期間でまったく異なるこ と,またヨシ帯が多くの魚種によって一時的な成長の場,あるいは定住の場として利用されていることが示唆された。


なるほどね。我々が抱いていた感覚と大きなズレはないが、やはり参考になる部分が多い。
1)ヨシ原に最も魚が集まるのは春から夏。特に6月から8月だ。
2)逆に冬季にはほとんど魚が見られなくなる。わずかにモッゴとブルーギルが見られるが、その数は夏季の1/10程度。
3)ヨシノボリ等のハゼ類が圧倒的に多い。ついでモッゴ等のシャッド系。ワカサギはあまり寄ってこない。

という事で、我々が春から夏にヨシ原を撃っているのは見当外れではない。ベイトがいるからバスがいて、バサーもいるのだ。ヨシノボリチックなジグヘッドやラバジで底を叩くのも正解。
一方でシラウオかワカサギを連想させるダウンショットってどうなのか?ヨシ原じゃやらない? それで正解!
シャッドは?ヨシ原でシャッド系かぁ。どうしようか。そういやぁシャッド系ソフトルアーってないよね。いわゆるシャッドテールはあるけど、あれでモッゴを連想できる? 形も動きも違うよなぁ。もっと平たくて、ピッツピッと跳ねる感じ。姿勢制御が難しいからかな。フックを工夫すればできると思うけど、どっかで作ってないかしら?



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