プロフィール

ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

ルアーフィッシング黎明期 その1 : 常見忠 銀山湖の衝撃

 そう言えば村田基って・・・で30年以上も前のことを書いたら意外と反響があったので、オヤジの特権と言うか役割と言うべきか、大昔のことを思い出して書いてみよう。それは日本においてルアーフィッシングやバスフィッシングがポピュラーでなかった時代、そうルアーフィッシング黎明期のことだ。

 俺が釣りを始めたのは小学校低学年の頃、1960年代半ばだ。釣り好きの父親に連れられてヘラの釣り堀に行き始めた。埼玉の幸手園や大田区の小池釣り堀、そして地元の荒川遊園釣り堀。野池なら印旛沼や入間の宮沢湖(釣り禁止になったんだね)、千葉なら亀山ダムや尾蛇が池、等々。小学生のオレにヘラ釣りの神髄は分からなかったにせよ、釣りの楽しさを覚えるには十分な経験だった。
 そして小学校6年生のある日、父親が毎月買っていた「フィッシング」の誌面に衝撃的な記事を見つける。「常見忠、銀山湖の巨大イワナをスプーンで釣る」という記事。写真には小さな靴ベラみたいな金属片に70cmを越えるイワナが掛かっている。なんだこれは! スプーン? サジで魚が釣れるのか? 第一、銀山湖ってどこ?分からない事ばかり。
 ヘラと川の小魚しか釣っていなかった俺が、突然ルアーに興味を持った。でも近所の釣り具屋にそんなもんは置いていない。情報は釣り本が頼りだ。本に紹介されている道具は高価な外国製品ばかりだが、取りあえず堤防で使っていた重~いグラスロッドと小型のスピニングでできそうだ。問題は釣り場所とルアー。で、芦ノ湖津久井湖・相模湖にブラックバスがいることを知った。いや、そこにしかいなかったのだ。相模湖ならヘラを釣りに行こうと父親をそそのかして脇でバスを釣ることができるぞ!
 問題はルアーだ。いつもの地元の小さな釣り具やに行っても「ないよ」の一言。大きな店じゃないと買えないぞ。じゃあと目を付けたのが千住にできたばかりの上州屋本店。父親と一度行ったことがあるその店は、大きいがごちゃごちゃした安売り釣り屋だった。あそこならある!千住なら自転車で30分、楽勝だ。それにしてもあのごちゃごちゃした店が大企業になるとは夢にもおもわなかった。で、貯めた小遣いで買ったのが、本で紹介されていたABUのトビー。200円くらいだったかなぁ。当時の6年生には大金だ。清水の舞台から飛び降りる覚悟で色違いを3個購入。その日は嬉しくて一緒に布団に入れて寝た。えっ、プラグってか?そんな高いものはとても買えないって。

 さあ First Fishing だ! 時は夏休み、場所は相模湖。6年生の興奮が伝わるだろうか。父親と一緒にボートに乗り込み、ワンドに張ったロープに船をもやって父親はヘラを釣り始める。俺はその横でスピニングロッドを持ち出して、買ったばかりのトビーを結んだ。手前でトビーを泳がせるとプルプルとした触感が伝わる。お~~~~!!それだけで大興奮!そこからはもう投げては巻き投げては巻きの繰り返し。なるべくボートが動かないようにしていても、繊細なヘラ釣りには良いはずがないが、父親は笑って見ていた。
 で、釣果は?約1時間でトビー3個を根掛りさせておしまい。俺の2か月分の小遣いは1時間で湖に消えた。バスのバの字も見えなかった。そりゃそうだわな。初めてのルアーを初めて行った湖で、しかもバスがどこにどれだけいるのかも分からずに釣れるほど、甘くはない。

 でもこれで俺はルアーの虜になった。中学生になれば小遣いも増えるし、一人でも釣りに行ける。釣り本を読み漁りながら、少年は成長していくのであった・・・
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COMMENT

No title

度々のご訪問、ありがとうございます。
恥ずかしながら奥矢作湖を知りませんでしたが、調べてみるといい湖じゃないですか!ここでフロッグとは私のトビーといい勝負ですね。
いずれにしても初体験とは心震わせられるものですよね。私の人生はもう後半戦(終盤かな)に差し掛かり、あといくつの初体験ができるものやら・・・。そんななので昔話をもう少し続けようかと思っています。例によって自分用のメモでしかないんですが。もちろん文献読解も続けますが、あれって結構パワーいるもんで・・・。

No title

>約1時間でトビー3個を根掛りさせておしまい。
>俺の2か月分の小遣いは1時間で湖に消えた。

沁みますねぇ(笑)
自分のバス釣りデビューも散々でした。

初めて買ったのはハリソンスーパーフロッグのパチもん。
それでも手に入れた時の感動は今でも覚えてます。
ソイツを奥矢作湖で下したのが自分のルアーデビューでした。

無知とは恐ろしいもの。
ベジテーションのべの字もない完璧なクリアオープンウォーターのフィールド。
そんなところでフロッグを投げてたのだからどうかしてます。
当然釣れるハズがないワケで…
お目付け役で来ていた父上のイライラがピークに達し、「ワシにも投げさせろ」の一言で選手交代。

ガテン系労働者の父上様。
あり余るパワーでフルキャストした瞬間、軽い破裂音とともにフロッグは軽くK点越え。
風に煽られ遥か彼方で漂流する黄色いフロッグを、二人してただただ呆然と眺めたのは、今では良い思い出です。

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