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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

完全なるバックラッシュ対策 ~ 前編

バックラッシュはなぜ起こる」で思わせぶりな書き方をしてから早や1年。
再び世に問おう。「ベイトリールのバックラッシュを完全に防ぐためには、どうすればよいか?
ベイトリールの最大の弱点はキャストミスした時に発生するのだが、まずは普通にキャストしてもブレーキフリーにしておくと発生してしまうバックラッシュについて解析していく。

それはルアーの飛翔軌跡を追って飛行速度を求めれば、自ずと理解できる。そんなに深く考えなくても、ボールを真上に投げた時のことを考えれば、容易に分かるだろう。ボールを投げて頂点に達したらボールの速度はどうなるか?そう停止するのだ。そこから落下が始まる。
そこにラインが付いていて、ベイトリールから糸が繰り出されていたら?同じ速度でスプールが回転し続けていれば、当然ラインは繰り出されず、スプールは空転する。バックラッシュ!それを防ぐためにはスプールのラインの状態を見ながら、適度にサミングをする。
もしくは適当な自動ブレーキを掛ける。この自動ブレーキが、遠心ブレーキであり、電磁ブレーキである。がしかし、これらの自動ブレーキは「スプールの回転速度が速いほど、強くブレーキを掛ける」ようにできている。これって正解なのか? 前述の上に投げ上げたボールの例でも分かる通り、不正解なのだ。では正解は?計算してみよう。高校の物理レベルだ。

ルアーのx方向、y方向の初速を、(Vx,Vy)とすれば、t秒後の位置(X、Y)は理想的には
  X=Vx・t
  Y=∫(Vy-gt)dt = Vy・t-gt^2 / 2

これに空気抵抗と糸の抵抗が加わる。本当はもっと複雑なのだが、ここでは抵抗力Fは飛翔速度に比例すると仮定する。抵抗力Fによる飛翔速度の減衰分Vfは、抵抗係数をαとすると
  Vf=αV=α(Vx^2+Vy^2)^0.5
具体例を挙げよう。角度45°上向きに初速28.28 (m/s)、即ちx,y方向とも初速20 (m/s)でルアーを投げ放つ。今、抵抗係数αを0.3 (m/s2) と仮定する。
これをグラフで表すと図1のようになる。

No6-fig1.jpg

横軸は時間、縦軸はx,yについては位置、vについては速度を示す。y方向にはキャスト1.5秒後に最高到達点 13.8 mに達し、x方向には4.4秒後に47.7 mで水面に落下する。かなりなロングキャストだ。そして飛翔速度vはキャスト後しだいに小さくなり、2.1秒後に最小速度11.4 m/sとなった後、ルアーが落下に転じたことにより再び速度を増し、落花時には16.7 m/sで水面に達する。
図2にルアーの飛翔曲線を示した。こっちの方がわかりやすいかな。遠心ブレーキが掛かって後半の飛翔が鈍っていることが見て取れる。

No6-fig3.jpg

ね、もったいないでしょ。今のベイトキャストリールのブレーキシステムは、飛距離的にも損をしているのだ。
では理郎的で完全なブレーキとは何だ? 

後半に続くのだ。
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