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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

琵琶湖の外来魚、捕獲量激減

2018/8/21付け京都新聞に、今年の琵琶湖の外来魚捕獲量が例年に比べ激減しているとの記事が載った。

内容は、漁業者が7月までに捕獲したブルーギルブラックバスの捕獲量が過去最低の34tにとどまり、これは前年同時期の半分に満たないという。琵琶湖での外来魚捕獲量は2008年までは年間400t、2013年以降は200t前後となっている。県の推定している琵琶湖全体での外来魚生息量は1150t、その内バスは200t程度となっていて、生息量に大きな変化はない中で捕獲量が激減した事に困惑していると言う。

琵琶湖の外来魚駆除問題については「27. 釣りと駆除事業から考える琵琶湖の外来魚問題」で取り上げた。
そこで衝撃を受けた現在の琵琶湖の魚業実態について繰り返すと、表1の通りだ。今の琵琶湖の漁業者の収入の約半分は外来魚駆除の補助金なのだ。より具体的には外来魚に対して県から300円/kgの補助金が出ている。ちなみに表1から計算した他の魚種のキロ単価は、鮎が824円、ワカサギが386円、フナが163円だった。漁業者にとってブルーギルやバスは十分割の合う獲物なのだ(失礼な言い方かもしれない)。

表1
(山内ら,水資源環境研究,Vol.26,1 (2013))

話を元に戻そう。京都新聞によれば外来魚の生息量は変わらないのに漁獲量は激減していると。その原因は何なのだろうか。いくつか仮説を立ててみよう。
(1) 外来魚の生息量が減っている
 湖沼における魚類の生息量予測法については今後取り上げようと思っているのだが、ちゃんと予測するためにはそれなりの手数と時間が必要になる。滋賀県には琵琶湖博物館や滋賀県水産試験場があり、それなりの精度の下に行われているのだろうが、水産試験場の行った「平成28 年秋における外来魚生息状況調査結果」を見てもデータは変動幅が大きく、ここからどのように琵琶湖全体の生息量を推定したのかがよく分からない。
これだけを見るとH28年のオオクチバスは激減だが、ブルーギルは前年の4倍だ。なのになぜ琵琶湖の外来魚生息量は微減なのか?

琵琶湖_図1
琵琶湖_図2
(平成28 年秋における外来魚生息状況調査結果, 田口ら)

(2) 外来魚が定置網に掛からなくなった
 「30.琵琶湖のバスの行動パターンを追跡する」では定置網(エリ)周辺に生息するオオクチバスの行動をバイオテレメトリーにより追跡した。これによるとバスは夜をエリ周辺で過ごし、朝になると岸近くに移動する。
このバスはエリになんか掛かりゃしない。「続、バスの記憶は遺伝する」でも仮説を述べたが、より慎重でルアーや網に掛からない個体が増えているとしたら、定置網による漁獲量が減ってきても不思議ではない。

(3) 一時的に今年春の漁獲量が減っただけ
 (1)で紹介したデータでも年毎、エリア毎の生息数データのばらつきは大きい。それが今年の春の漁獲高に表れただけではないか。

(4) 漁業者の意欲が失われた
 H25年のデータだが琵琶湖の漁業就業者数は687人。うち60歳以上が525人、70歳以上が274人。実に40%が70歳以上であり、毎年5%のペースで就業者が減っている。そして漁に出れば漁獲した魚の80%が外来魚であり、それらは誰に食べられるでもなく廃棄される
虚しくなるだろうな。何のために漁に出ているんだと。誰にも喜ばれない、誰もその魚を待っていない。
生活のため? 仮に琵琶湖の総漁獲高 3459万円が全て均等に漁業就業者に分配されたと仮定しても、平均年収は487,000円。やってられないよね。もう漁をやめようと思う人も増えるだろう。


現時点ではまだ原因は不明だが、(1)ではないだろう。(3)(4)についても、もう少し状況を見定めれば明らかになるはずだ。
(2)が原因だったら? 私的にはそれが一番おもしろいんだけどね。
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