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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

33.ベジテーションの攻略法を科学する

前回の「32.真夏のベジテーション攻略法は大間違いだった!」では、真夏の浮葉植物エリアは決しておいしいエリアではない事を紹介した。しかししかし、
「なに言ってんの。リリーパッドのフロッグは真夏の定番パターンでしょ。」
「びっしりと茂ったマツモをテキサスで撃ち抜く。過去に何回もバスを上げているよ。」
と言うお方も多かろう。

本当にそうだったのか?
これから述べるような Something else が加わってこその好ポイントだったのではなかったか?
自らの釣りをもう一度振り返って欲しい。

「32.真夏のベジテーション攻略法は大間違いだった!」のまとめを振り返ると、
浮葉性植物の下は一日中、低溶存酸素。特に早朝の中層部以下では酸欠状態となる。
沈水性植物であっても、明け方は溶存酸素量が低い。日照時間と共に酸素量が増してくる。
特に8月のベジテーションエリアはどこも酸欠状態だ。溶存酸素状態に弱いバスはベイトフィッシュを追わなくなる。

つまり浮遊植物の下にバスはいない。あるいはいても食餌行動を取らない。朝一のゴールデンタイムを水草エリアで過ごす事に意味はない、と言う事になる。

しかし一方で、
・夏の高水温時には浮葉性植物の下は日射を避けられ、かつ低水温となる。
・ベイトフィッシュは低溶存酸素状態に強く、水草エリアを“Refugia”(隠れ家)として潜んでいる

そう、ベジテーションの下にベイトはいるのだ。だから何かの要因によりここの低溶存酸素状態が解消されれば、バスはこのアリアに入り込みベイトを捕獲しようとする

その要因とは何か?

もう一度、「32.真夏のベジテーション攻略法は大間違いだった!」のデータを確認しよう。

32_図3
32_図4
(ラムサール条約湿地・片野鴨池の溶存酸素量の経時変化と水生植物の関係,田尻ほか,伊豆沼内沼研究報告8号,pp23-34(2014)より)

図3の6月のデータでは表層部の溶存酸素量の時間変化が明瞭に現れており、かつ表層部に比べて中層部の低酸素状態がはっきりと見て取れる。対して図4の8月のデータでは表層部における溶存酸素量の時間変化が朝~夕へと高くなる様子がはっきり現れていない。更に定点1の中層部における不可解な溶存酸素量の変化。

これらについてはまず、このデータがたった1日のデータであることを認識しなければならない。その時の気象条件や水流の影響をたまたま受けた結果である可能性が大いにある。そしてそれこそが、ベジテーションエリア攻略の糸口になり得るのだ。


それは
 ①酸素を含んだ新鮮な水の流れが当たった時。
 ②強い風により表層水に空気=酸素が供給された時。
 ③強い雨により酸素を含んだ雨滴が降り注いだ時。
であろう。

①水流
元来、ヒシやアサザ等の浮葉植性物は流れの緩い所に生育する。これに自らの茎・葉による抵抗が加わり、浮葉性植物の密集エリアは水流が妨げられている。しかし降雨や川の増水、水門の開放等により周囲に水流が発生すれば、その影響により浮葉性植物エリアに新鮮な水が供給される場合がある。その時が狙いだ。
特に外縁部が狙い処となる。新鮮な水流が当たる面に水に導かれるように侵入したバスが、そこに潜んでいたベイトフィッシュを追うという場面が想像できるだろう。

また浮葉性植物エリアに小さなインレットがある、湧水があるといったポイントがあれば、まさに絶好のねらい目だ。時間を問わず狙ってみたい。

②風
図3、4の定点1に着目してもらいたい。特に8月のデータでは10~12時の中層部における溶存酸素量が急激に増大し、同時刻の表層部と同レベルにまで高まったもの、14時以降は低下した。
これはなんだ?

定点1は沈水性のマツモの生い茂るエリアだった。浮葉性植物エリアではないため、水面は外気に触れる。すなわち風が当たる。この時に強風が吹いて表層部の酸素を含む水と中層部以下の水が対流を起こせば、表層~中層の溶存酸素量は一時的に均一になり、中層部の酸素量は高まる。他の浮葉性植物の生えるエリアでは風が葉に邪魔されて対流を作らなかったのではないかと推察される。

「ちょっと待ってくれ。定点4は水草の生えないオープンエリアだったはずだ。6月になぜそこの酸素量が日照と同期して増えていくんだ?それに風の当たるオープンエリアの8月のデータになぜ同じ傾向が現れない?」

ごもっともなご意見です。しかし水草がなくても日照と共に酸素は増える。なぜか。
植物プランクトンがいるから。植物プランクトンもまた光合成により酸素を作り出すからに他ならない。だから6月のデータでは全測定地点において日照と同期した酸素量が現れた。8月においても多くの測定点で14時まで酸素量が増え、以後は漸減している。これはおそらく14時以後は日が陰ったと推察される。

ではなぜ8月の定点4のデータに定点1と同じ傾向が現れないか?
正直、よく分からない。あるいは定点1における現象も風によるものではなく、定点1エリアに限定した何かが起きていたのかもしれない。例えば明渠水路直近に位置する定点1に水路から流入があった。これは大いにありだし、①で述べた通り、そのようなポイントを見つけ出すべきだ。
例えば測定のためのボートの動きが水流を作ってしまった。こうなっちゃうともう真実はいずこの世界。考えてはいけないし、データを鵜呑みにしてはいけない好例となる。

風については浮葉性植物の種類によっても条件は変わってくるだろう。イボウキクサやアオウキクサ、ホテイアオイといったいわゆる浮草は、水流や風により吹き寄せられて群落を形成する。それらの群集エリアは風下であったり、流れの吹き溜まりであったりする。と言う事は浮草エリアの外縁部には新鮮な風もしくは水流が当たっている事になる。ここでもエッジがキモとなろう。
ヒシやアサザ、ハスなどは水底に根を下ろして水面に葉を広げているので、風に煽られることはないが、ここでも風面には溶存酸素の多い水が当たる事となるので、方向を定めて狙いたい。


③雨
理屈的には影響はあるのかも知れない。雨滴は数1000m上空からタップリ空気に触れながら地表に落下してくるのだから、溶存酸素量は十分だろう。しかし考えてみれば降雨量なんて相当な雨でも数10mm。水深1mのエリアなら全水量の1~2%が上乗せされるだけ。これで溶存酸素量が決定的に上昇するだろうか。
これが浮遊性植物のないオープンなエリアなら、雨滴による攪拌効果で酸素量が増えることも考えられるが、オニビシ等が水面をカバーした状態ではそれも期待できない。

スマルア技研の記事でも雨は釣果に影響しないというレポートがあった。それも考え合わせれば、あまり雨の影響はないかも。


どっちにしても、浮葉性植物エリアの真ん中、しかも水底を攻める積極的な理由は見当たらない。浮遊性植物が押し寄せている岸際も同様だ。そこに酸素なんてないよ。
狙うとすればそこにプラスされるSomethingがある場合だけだ。






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