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ころた

Author:ころた
芦ノ湖と相模湖にしかバスがいない頃にルアーを始めた。師匠は常見忠、開高健(心の師匠ね)。吉田幸二よりは若い、ちょっとだけ。
30数年間の技術者としてのサラリーマン生活を終え、いまや悠々自適(と言うほど余裕はない)。技術者の悪い癖で理屈ばかりにやたらうるさい。当然、釣りも理屈詰めとなる。よって頼りにしたのは科学文献。文献検索を重ね魚類や湖、その植生などを紐解くと、出るは出るは面白情報の山。その一部をおすそ分けします。

HP復活から

カーボンロッドの作り方と耐久性

追悼番組 ~ Golden Wing GW 70C-MH を悼む

我が長年の愛機:GW 70C-MH が折れた。そのいきさつは 「さらば 我がGolden Wing 」をご覧戴きたいが、ここではカーボンファイバーロッドの特性について論じて行きたい。

IMG_20181206_1225.jpg

カーボンファイバーロッドの耐久性を論じるには、その作り方を学ばねばならない。
素材は言うまでもなくカーボンファイバー、正しくは CFRP, Carbon-Fiber-Reinforced Plastics、日本語訳すれば「炭素繊維強化プラスチック」。つまりあれはあくまでプラスチックが主材料であり、カーボンファイバーは補強材なのだ。まずはこの素材の生い立ちから追っていこう。
CFRPは例えれば鉄筋コンクリートのコンクリがプラスチックで、鉄筋がカーボンファイバーにあたる。そのプラスチックとはエポキシ樹脂やフェノール樹脂、どこにでも転がっている汎用のプラスチックだ。これは決して無敵の材料ではない。劣化もすれば寿命もある。つまりカーボンファイバーロッドにも寿命はあるのだ。そしてこれらプラスチックは軽くて加工しやすい材料だが、弾性も強度も低い。プラスチックだけではロッドの材料にも自動車の材料にもならない。そこでカーボンファイバーが登場する。

カーボンファイバーとは樹脂繊維を高温(1000℃くらい)で焼結して(燃やすのではない。無酸素状態で炭化させる)、炭素の鎖にしたもの。軽く強くしなやか。これを束ねて重ねて編み込んで、所望の方向の強さと弾性を与え、その周りをプラスチックで固めていく。何層ものカーボンファイバーを重ねて成形していくことで、薄いCFRPのシートができる。これがロッドの原材料だ。CFRPを生産しているのは三菱樹脂やクレハなどの化学メーカー。ロッドのメーカーはこのシートを購入してロッドに加工しているのだ。


カーボンファイバーロッドの製造方法を知るはこの動画を見るのが手っ取り早い。
  「ロッドの作り方

これはダイワのロッド生産工程の動画だ。まとめると
1) CFRPを所定の大きさにカットする。
2) 鉄芯の周りにCFRPを巻き付け、筒状にする。
3) 過熱しCFRPを筒状に成形する。
4) 塗装等のデコレーションを施す。

いとも簡単。少なくとも簡単に見える。ロッドをブランクスから生産している釣り具メーカーは、主要企業を除いては数社レベルしかないのだが、やろうと思えばできるんじゃない? というレベルに感じた。何より日本一の釣り具メーカーのダイワの工程がこの動画のレベルなのに驚き。めちゃくちゃアナログだよね。これで工程管理とか品質の安定性とか確保できているのかな。そこはもう職人技の世界になっているのかもしれない。だからメーカーが少ないのかも。。。


さて本題の「カーボンファイバーロッドの耐久性」に話を進めよう。
もう結論は出てしまっているのだが、カーボンファイバーロッドの特性を列記すると、
1) 軽く強く弾性が高い。
2) 疲労特性に優れ、クリープしにくい。
3) 耐衝撃性が低い。異方性を持つ。
4) 高温高湿下でプラスチック母材が劣化する


そう3)4)が問題なのだ。特に3)の異方性と耐衝撃性。
異方性とは何か? CFRPは繊維を重ねて成形しているため、繊維の長手方向の引張強度や曲げ強度は非常に強い。一方で炭素繊維を剥がすような横方向への強度は非常に低くなる。例えばカーボンファイバーロッドを引っ張って引きちぎろうとしたら、まあ無理だね。どんなに細いロットチップでもできない。一方でロッドを踏んづけたら?いとも簡単に破壊する。異方性とはそう言う事だ。
もう一つ弱い方向が、炭素繊維を座屈させるような力。つまりロッドを引っ張るのではなく、縮めるような力。これもカーボンファイバーの強さを引き出すことができず、簡単に破壊に至る。

そう、これをやってしまったのだ。ロッドを踏んづけるのと同様に、いとも簡単に壊れてしまう。気を付けてね。
IMG_20181206_122249.jpg


もう一つの「高温高湿に弱い」については、メーカーではロッド表面に塗装を施すことで対策している。CFRP素材に湿度が触れないようにすれば、寿命は延びる。しかし塗装も劣化する。私の愛機もよく見ると、塗装表面がもう劣化して細かな傷が発生していた。ここから吸湿すればCFRPの強度は落ちていく。

そして大切なのは釣りに行った後のメンテナンス。難しいことではない。
・ よく洗い、よく乾燥させること。
特にロッドの内側は塗装もされていない。実釣後は海水や汚れを良く洗い落として乾燥させることが、愛竿を長持ちさせるコツだ。

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